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水滴がしとしとと落ちつづけていると 曇った窓ガラスに、雪原を通る小路のようなものが見えてくる あまりにもしんとしているので 私は耳が聞こえなくなったのではないかと思った 昼過ぎ 私が此処で唯一楽しみにしている花野さんの随想の中 ---- そういう解決策が欲しいんじゃないんです。 『よしよし』って慰めてくれればそれでいいんです ---- わたしが長い間忘れていたその『よしよし』という言葉に ふと…大好きな映画の「赤い風船」のシーンが蘇った… わたしにとって少年と