妊婦日記11日目 2021.11.14

おじさんってなんであんなデリカシーがないんだろう。1年半くらい前、私は今いる部署とは別の部署にいた。バリバリ働いてジャンジャン稼ごうぜ、的な感じの部署で、その空気を作っていたのは部署の長、会社の立場で言うと常務に当たる男性だった。当時私は35歳、常務は39歳。歳はそんなに変わらない。いつも通り夜遅くまで働いて、夜ご飯をご馳走してくれると言うので、常務、私、同僚数名で焼肉へ行った。その時私はアルコールを飲まず、常務は飲んでいた。会社の大きな流れや、システムについて話し合ったり、時には愚痴を言い合ったり。話の本筋ではない、ちょっとした会話の中で「君のことをどう使ったらいいわからない」と常務に言われた。私が女だからだそうだ。ライフイベントに出産や育児を控えている人に、どれだけ仕事の負荷をかけたらいいかわかない、と。 は? 意味わかんないんですけど。私はその当時、同じ部署にいた男性と同じぐらい徹夜したり残業したりして、かつ、お客さんからのクレームも皆無だった。先のことは知らんけど、とりあえず現状見ろや。どっちが使える人材やねん。 そして、そんなことを部下に言うんじゃねぇよ。心の中で思ったり、管理職同士で好きなだけ言ってもらうのは結構だが、目の前にいる人に向かってそんなこと言うか?モチベーション下げるだけじゃない??しかし、何事も一度熟考するのが、私の性格。その後2〜3日よく考えてみたけど、やっぱりなんか気持ちが整理できない。他部署の姉貴分である海貝さんに相談すると、その1ヶ月後に私は別部署へ異動することになった。

時は過ぎて。今年の夏、私は子宮内膜症であることがわかった。月一回、生理の時以外に突然下腹部が痛むことがあり、そうなると横になって休むしかなかった。私の仕事は、社内で代わりになる人がおらず、私がお客さん先に行けなくなると、その仕事自体が飛んでしまう、と言う状況だった。金額的にもそこそこの仕事だ。私の上司は会社で一番偉い人、会長に当たる人なのだが、会長に状況を説明して、なんとかフォローしてくれる人をつけてもらうように頼んだ。電話口で、優しく「そういうことならわかったよ」と言ってくれたが、その後とてつもなく長い文章がチャットできた。「丹沢くんをフォローにつけて、同一部署にする場合、月の売り上げは最低〇〇万を、できれば〇〇〇万を売り上げるようにしてください」と言うノルマを細かく提示された。 ん? 体調悪いって言ってんのに売り上げの話? 病気でもガンガン働けってこと? そして今日、会社全体のチャットでまた文書が送られたきた。ちなみに私は最近会長へ妊娠の報告をした。そして「体調が落ち着くまでは、今までメインでやってきた業務は丹沢くんに任せて、私はフォローに回りたい」とお願いした。ここでも会長は電話口で優しい口調で「体を大事にしてください」と言ってくれたが、送られてきた文書は12月と1月で私の業務を多部署の犬立くんへ引き継いで、かつ、新しく専用の人材を採用してくださいと言う内容だった。丹沢くんは出向させるらしい。12月と1月は絶賛つわりの時期に差し掛かるであろうタイミングで、そんなバタバタのスケジュールをこなせるわけがなかった。電話からチャットに文章のっける間に、どこでそんな変換になった?経営者や管理職の人達は、売り上げを立てることしか考えていないんだろうか?誰がいなくなっても会社が回っていくような体制づくりには興味がないんだろうか?それなら「人を機械のように扱うことなく、社員一人一人のことを考えてます」みたいな耳当たりの良い社是なんかとっととかえろ。しかし、一方で私の立場は管理職でもなんでもないただの従業員だ。今辞めると私に不利なことしかない。もうちょっと状況が落ち着くまで様子を見ることにする。世の中の働く女性たちは、一体どうやってデリカシーのないおじさんたちと折り合いをつけているんだろうか。


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