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ディレイドCBを駆使して、もっとポットを獲得するために(後半)


上記事の続きです。

ディレイドCBの例題

それでは、UpswingPokerメンバーから提出されたハンドヒストリーを、プロのRyan Feeさんによる戦略的解説付きで見ていこう。

例1: 3ベットポットでのディレイドCB
このハンドヒストリーは、ラボメンバーのサム・Sさんから投稿されたものです。

オンラインキャッシュ4Max卓、エフェクティブスタック100BB

HeroはSBでK♥ Q♦
BTNは2.3bbにレイズ、Heroは3ベットして9.5bb。BTNはコール。

フロップ (20bb):J♠ 7♣ 6♦
Heroチェック BTNチェック。

ターン (20bb) : 9♠
Heroは13bbをベット(=ディレイドCB)、BTNがコール。

リバー(46bb):4♥。
Heroは30.33bbをベット。

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このボードでK♥ Q♦をディレイのc-betとして使うのは間違いなく理にかなっている。KQはBTNの強いハンド(KJ/QJ)をブロックする良い働きをしているが、我々レンジ外には、より効果的なCBブラフとなるハンドが他にもたくさんある。プリフロップレンジを考えてみよう。

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このレンジには、KQoよりもショーダウンの価値が低く、これからのストリートでのプレイアビリティが高いハンドが多く存在する。これらのハンドには、98s、T8s、T9s、Q9s、QTs、そしてバックドアフラッシュドローを持つKQsのコンボも含まれている。これらのハンドに加え12コンボのKQoを加えてCBした場合、マージナルハンドが多すぎて相手レイズに弱いというリスクがある。

ターン9♠が落ちたが、フロップでチェックしたはずの手が、ラッキーなことにターンバリューになってしまうことがある(JJや99、J9のようにもちろんベットだ!)。また、レンジのバランスをとるためには、ブラフを使ったディレイドCBをする必要がある。

このハンドでは、ターンとリバーのベットサイズを少し小さくした方が良い。我々のバリューレンジは、フロップチェック後ワンペアハンドがほとんどであり、大きくベットすることは、相手がより悪いワンペアハンドでプレイを続ける可能性が低くなってしまうからだ。

補足: KQoで混合戦略のCBを行うことが、ここではまともなプレイである。とはいえ、戦略を単純化して毎回チェックしてもいいだろう。

例2: マルチウェイ・ポットの限界値ハンドでのディレイCベット
このハンドはラボメンバーのIgor Gさんが投稿しました。

25NLキャッシュゲームのエフェクティブスタック100BB

HeroハイジャックでA♠ T♠。
Heroは0.75ドルにレイズ、カットオフがコール、BBがコール。

フロップ ($2.35):8♣ 5♦ A♦
ビッグブラインドのチェック。Heroは1.17ドルをベット。
カットオフがコール、BBがコール。

ターン ($5.86):3♠
ビッグブラインドチェック。Heroは$2.93をベット。
カットオフがコール、BBはフォールド。

リバー ($5.86):4♣
Heroチェック、カットオフはチェックバック。

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フロップでこのハンドでCBすべきではない。我々は強いレンジ、トップペア(AJ+)と2ペア、セットコンボ(88, 55, A8s, A5s)でベットしてバリューを得ている。弱いトップペアでCBすると、フロップのレイズに弱い。

さらに、ATをチェックレンジに入れておけば、チェック時に比較的強いトップペアを持っていることになる。さらにフロップでATでベットすると、相手がレイズした場合にトリッキーな状況になる可能性がある。でも、フロップでアクションがチェックスルーしてターンがラグの場合、ATは簡単にバリューベットできるハンドであり、ディレイドCBができる素晴らしいハンドである。

付け加えると、このハンドではフロップにベットしてターンをチェックすることも可能である。ただ、フロップとターンの両方にベットするのは、あまりにも望み薄い。

例3:ディレイドCBで弱いライブプレイヤーを搾取する
UpswingメンバーのSam H.さんがFacebookグループに投稿したハンドです。

$2/$5のライブ9Max卓。400ドルの有効スタック。
Heroはミドルポジションで9♦ 9♠
UTGが10ドルストラドル。Heroは$25にレイズ、UTGはコール。

フロップ($57):A♦ 5♠ 5♣
UTGチェック、Heroがチェック。

ターン($57):T♥
UTGチェック、Heroチェック。

リバー($57):J♥
UTGチェック、Heroチェック

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これはライブゲームなので、とても利益的な、超搾取的ディレイドCB戦略を私はお勧めします。

ライブプレイヤーの一般的な傾向として、フロップがチェックスルーされた後、ターンですべてのワンペアでベットすることがある。これは「プロテクト/プロテクション」のためか、あるいはターンでのベットに直面することを恐れているからだと思う。いずれにしても、この傾向は重大なリークであり、アグレッシブなディレイドCB戦略で搾取することができる。

このボードでは、そのようなライブの対戦相手は、Ax, Tx, 5xのコンボがすべて自分のレンジ内にある状態でターンをリードベットすることになる。この場合(相手はリードベットしてこなかったので)、すごい高い確率でターンにディレイドCBすることができます。また、通常ならばフロップでc-betするところを、より多くのハンドをチェックバックすることで、今回のように非常に利益的なターンスポットに頻繁に遭遇することができます。

このタイプのプレイヤーはライブゲームでは最も一般的ですが、このアジャスト戦略はプローブベットをする人に対しても有効です。


最後のまとめ

この記事のすべて読んでくれたのであれば、短い時間で多くのことをカバーする内容だとお気づきでしょう。おめでとうございます。主なポイントを要約すると、

・ディレイドCBとは、フロップでCBの機会を逃した後、ターンにベットすることである。
・遅延c-ベットの利点は以下の通りである。
1 チェックレンジが広がる。
2 CBの頻度を抑えられる。
3 ブラフをより効果的にする。
・ディレイドCBする状況は以下の通りである。
1 あまり弱くないメイクハンドが、3ストリートでバリューベットをできない場合。
2 自分の超強力なハンドが相手の強いハンドをブロックしている場合。
3 ウェットボードでマージナルハンドを持っている場合。

このトピックに関するクイズは、【クイズ】Do You Actually Know When to Delay C-Bet?にどうぞ!

以上お読みいただきありがとう!

元記事:https://upswingpoker.com/delayed-continuation-bet-c-bet-strategy/

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