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GTOポーカー戦略の導入

PokerStars Schoolからの初心者向き記事。GTOポーカー戦略の導入に関して。

https://www.pokerstarsschool.com/strategies/an-introduction-to-gto-poker-strategy/1711/

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An Introduction to GTO Poker Strategy

最近のポーカー界では、みなさんが一度は耳にしたことのある流行り語がありますが、まだまだ多くの新規プレイヤーはまだ馴染みがありません。その流行り語とはGTOです。

GTOとはGame Theory Optimalの略です。どういう意味かというと、相手に搾取されない戦略ということです。この記事では、GTOとは何かを説明し、なぜGTOを学ぶべきなのかを説明した上で、なぜゲームでGTOを重視してはいけないのかを説明しようと思います。

そもそも、搾取されない戦略とは?

こういった議論の中で、バランスしなくちゃ、とかバランシングプレイするよ、という解説を聞いたこともあるでしょう。これを説明するには、基本的な例で説明するのが一番簡単だと思います。

ポットに$100があり、あなたはリバーに$100をベットしたとします。相手は中程度の強さのハンド(要するにブラフキャッチャー、QJ963のボードではJTのようなもの)を持っていて、このあなたの最後のリバーベットをコールするかどうかを決めなければなりません。

相手はポット内の$200を獲得するために、$100をコールしなければなりません。したがって、コールするうち1/3の確率で勝たなければなりません。もしこれだけの頻度でコールが正当化されるなら、長期的にはコールすることが利益トントンの状況になります(ミスコール2回でそれぞれ100ドルずつ負け、勝ちコール1回ではポットの200ドルをゲット、と利益トントンです)。

今相手は、あなたのバリューベットハンドには絶対負けて、あなたがブラフベットしているハンドには勝てる程度のハンドを持っています。ではここで、もし相手があなたをリバーでブラフをしない保守的な硬いプレイヤーだと見なしていれば、相手はあなたのリバー$100ベットを簡単にフォールドすることができますよね。逆に、あなたをブラファーだと考えている場合、相手はブラフキャッチとして1/3以上の確率であなたをキャッチすることができると考えているので、あなたの$100ベットをより簡単にコールすることができます。

しかし、実際にはあなたはリバーで自分のハンドレンジのうち、2/3の確率でバリューベットしていて、1/3の確率でブラフベットをしていたとしましょう。まさにこれが、搾取が不可能なGTO戦略です。もはや相手にとっては、この$100ベットをフォールドするかコールするかはどうでも良いこととなってしまいます。対戦相手がこれを常にコールするとしても、ポットオッズが提示している正確な頻度であなたがブラフをしているのをただ単にキャッチするだけで、長期的には勝ちも負けもしない利益ゼロになってしまいます(逆にもし相手が常にフォールドする戦略をとったとしても、定義上、リバーでの利益は長期的にはゼロです)。
つまり、あなたはGTOが示す頻度でブラフをすることで、このリバーベットを相手にとって搾取不可能なものにしているのです。相手がコールしてもフォールドしてもこちらには全く関係ありません。

なぜGTO戦略を学ぶ必要があるのでしょうか?

先の例から、GTO戦略を学ぶことには、基本的な数学、オッズ、レンジ、フリークエンシー(頻度)などの要素が含まれていることは直ぐに分かると思います。これらのことを勉強していくうちに、しっかりとしたレンジでプレイするセンスが身につき、そのハンドでリバーに辿り着いたときに、よりバランスのとれたレンジをプレイすることができるようになります。上の例の場合は、ブラフに対する適切な数のバリューレンジを選ぶこと(バリュー:ブラフを2:1にすること)です。またボードステクチャーや状況、ベットサイズなどを考慮して、どんなハンドがブラフに適しているかも学べます。

これらの概念をしっかりと把握することで、より正しい判断ができるようになります。状況や相手レンジをより良く理解することができ、適切なプレイ頻度を維持し、相手のプレイ頻度を利用することで、対戦相手を思うままに操ることができるようになります(上の例のように、もしあなたが相手に分析されつくされたプレイヤーで、ブラフをしないタイプのプレイヤーなのかブラファーなのかが相手に知られているのなら、これらのプレイ頻度は、頻繁にコールしたりマージナルハンドをコールしないようにするなど、プレイに上手く使うことができます)。

これらは全てGTOプレイに含まれる概念です。このGTO概念を学ぶことでゲームの理解が深まるだけでなく、これらの概念を理解している鉄強プレイヤーと対戦する準備をすることもできます。もしあなたがトーナメントで Fedor Holz と真っ向勝負する場合、GTO 戦略をプレイすることで、彼(または他のスター選手も含め全員)があなたを攻略することは絶対に不可能です。

GTOに集中してはいけない!?

さて、GTOとは何か、そしてなぜGTOを学ぶことが良いことなのかについて話をしたところで、あなたのプレイ中、GTOをすることに集中してはいけない理由について話してみましょう。今の文には驚くかもしれませんね。この「ポーカーGTOビジネス」、なかなか良さそうです。私もゲームがもっと上手くなるために、ポーカーテーブルから離れて取り組むべきですね。
でも、今の環境では使わない?そうなんですよ。なぜかというと、ほとんどの今、この記事を読んでいる読者にとって、あなたはめちゃくちゃミスプレイをする対戦相手とポーカーすることになるからです。そのため、GTO戦略はレクリエーショナルプレイヤーに対して利益を確かに稼げますが、搾取的な戦略(イクスプロイット戦略)はさらに良い利益をもたらします。

先の例で説明したように、リバーで$100ベットした場合GTOとしてブラフ頻度を33%にしてプレイすることで、相手がコールするのかフォールドするのかこちらには関係なくなることは述べたとおりです。もし対戦相手がこちらを読むことに長けたワールドクラスのプレイヤーであれば、この鉄強に無理矢理にでも、この「無関心プレイ」「GTOプレイ」を強いることはとてもGoodなことです。この場面でもそしてこれからも、このワールドクラスプレイヤーは私たちの驚異になることはありえません。しかし、実際の対戦相手のほとんどは、鉄強のFedor HolzやPhil Iveyではないですよね。特にマイクロステークスやスモールステークスのゲームでは、彼らは多くのミスプレイをしていることでしょう。

例えば、対戦相手がモンスターハンドなしにリバーのオーバーベットをコールしないタイトで保守的な硬いプレイヤーだとすると、私たちは33%よりも高い頻度でブラフをすることで、時間が経つうちかなりの利益を得ることができるでしょう。実際、このプレイヤーに対しては、よりタイトに強いハンドでバリューベットをしてブラフレンジを少し多めに広げ、20%のバリューベット(自分レンジの強いハンドのみ)と残り80%のブラフレンジでベットするのがより良い戦略かもしれません。もちろん、これはバランスを崩しているプレイラインであり、対戦相手としては単にコールすることで簡単に私たちを逆搾取することができます(ブラフが多い人にはよくあるプレイ調整です)。しかし、ワールドクラスのプレイヤーと違って実際には、相手はこのことに気付いて逆搾取してくることはなく、このリバーのオーバーベットをコールしないでフォールドし続けるだけなのです。
もしくは、相手がどんなペアでもコールしてくるコーリングステーションであれば(この類のコーリングステーション相手では、2ndペアは簡単にバリューベットができるかも)、ブラフをあまりしないようにすることで、その点を搾取することができます。繰り返しにはなりますが、今みたいにリバーベットが常にバリューベットでブラフをしないプレイを取れば、鉄強プレイヤーは、中程度の強さのブラフキャッチャーをすべてフォールドするプレイラインを取って、簡単に我々を逆搾取してきます。しかし、コーリングステーションの友人はそんなことするはずなく、コーリングステーションらしくシンプルにコールしてくるだけなので、長期的にはGTOのバリューとブラフベット頻度よりもはるかに高い利益を稼げるのです。

GTO戦略の勉強は初心者のため?

GTO戦略の勉強は初心者のためのものではありません。しかし、一度基本を押さえ、ゲームを進めていくと、より高度な戦略に不可欠な要素となります。

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あとがき
GTOが必要と感じればポーカー初心者脱出かも…?

今後のノート作成の励みになりますので、サポート宜しくお願いします!