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人混みをかき分ける

毎年GWはあまり外に出ない。混雑を避けられる機会がまた別にあるだろうと考えてしまう。ただ初夏を感じるSNSのポストには羨ましい気持ちが浮かぶ。SNSなんか見なくても良いのに!

ベランダにアウトドアの椅子を設置した。これがとても良い。風を感じられる。窓の外を眺めながらフィットネスバイクを漕ぎ、ベランダで「葬送のフリーレン」を読んだ。コロナ禍ステイホームの初級編。なぜか新鮮に思えた。

自身の楽曲リリースが来週になったのでムービーの用意、アートワークを制作した。

Light Wrap アートワーク

とても良い楽曲とアートワークになったのでそれについてはリリース時に改めて書きたい。5/11に配信開始です。
タイトルは映像制作などで合成する際に対象物に背景の光を纏わせることで合成の馴染みを良くする技法のことを指しています。他者と自分の境界線が馴染み溶けていく瞬間について歌っています。


これらが収録されるアルバムのレコーディングをしてから1年が経とうとしている。あっという間だったなと呑気にしている場合ではない。アルバムの制作が止まっているからだ。

ドラムとボーカルは録り終えたが、あとの編曲作業がはたと止まってしまった。毎度編曲には苦しめられており、これはバンドを始めた当初、打ち込みができるメンバーと作業した経験から由来していると思う。編曲次第でクオリティが数倍上がる実感があるから。膨大な選択肢の中から自ら選ぶ作業(可能性を捨てることでもある)、それを実現するために捻りだすことが大変難しい。

だったら辞めたらとも思う。

誰にも望まれていないけどやっている。

「誰にも望まれていないのに続けること」を歌える立場って相当限られているのではないか?と結論づけた。無理矢理!

そもそも原初的な「楽しいからやっている」と思える段階にいきたいので、なんとか終わらせたい。この方法では今後持続しないなとは考えているので一緒にできる人がいたらうれしい。ベースでもシンセでもギターでも、流通の企てでも。そのために続けている気もする。メンバーにも助けられている。


「葬送のフリーレン」がかなり面白い。なんとなく「時間」がテーマにあるっぽいとは知っていた。絶対に好みの作品だとは思っていたものの、転生ものは読める気がしないなとも思っていた。ジャンルすら検討違いだったがそれほどまでに予備知識なしの状態で読めて本当に良かった。電子書籍で全巻購入して最後まで追いついた。まだ完結してなかったんかい!と思うほど予備知識がなかった。

過去を巡っていくという構造がまず面白い。エルフと人間の間にある時間の流れの差異によって色濃くなる人間らしさ。終わりがある人間が受け継いでいく意味。社会の発展や文明の話にまで及んでいる。旅が終わってからどう過ごすかが現代のムードと合わさるように感じた。

また、やっぱり仲間や情報が集まるのがローカルの酒場なんだなあと思った。そもそも自分はお酒をあまり飲めないのもあるがローカルカルチャーに入っていくことがとても苦手で時間を要する。(何度も地方に引っ越しているのにそれでも!)



他者と関わること、受難や快感をフィジカルで感じることで広がる喜びがある。
曲を作るのも自分のためでもあって誰かと出会うためでもある気がする。


少なくともフィットネスバイクで人混みを避けている場合ではない!


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