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たますぃの写真館


芸歴5年目に突入してはや2か月。



緊急事態宣言が解かれたものの、まだまだお笑いの世界は自粛ムードが漂っている。




この自粛期間に入り、様々なことを制限されて、今までどんだけ恵まれた人生だったんだろうと気づけた。


中でも、一番失って初めて気づいたものは、




「人と話すのってまじで楽しかったんだ」



ということ。





今まで当たり前のように先輩、同期、後輩と会っていて、それに対してなんの有り難みも感じていなかったけれど、会えない状況になって初めて、





「ああ、まじあの日々って楽しかったんだなぁ」





と毎日のように感じるようになった。




そこで、その時のことに感謝と、今後はもっともっと思い出を残していこうという意味で、これまで一緒に「たますぃ!」という僕のギャグをやってくれた芸人の写真を上げていこうと思う。


1枚目。










たますぃ!をやってくれてる人。



いまさらジャンプ山田さん
パンプキンショートケーキ鈴木さん


今から3年前。



僕が芸歴2年目の頃。




当時神保町花月では「ゲキノビ」というユニットをやっており、4年目以下の若手芸人で劇場で毎月ライブをやっていた。




僕らはゲキノビのチーム「ノ」に所属しており、そこにはいまさらジャンプさん、パンプキンショートケーキさん(当時やわらさん)、ペコリーノ、グリン、ネイチャーバーガー、そして、まだEXITを結成する前の兼近さんもいた。







当時、兼近さんはたまにしかこのユニットに出ておらず、この写真はゲキノビ最後のライブだったけれどその日もライブには出なかった。




兼近さんは初恋タローさんのライブに出まくっていたから、なかなかスケジュールが合わなかったためだ。





その頃は、今よりなんかもっとアホで、何喋ってるかあんまりわかんなかった人だったから、僕も気を遣わなかったし、先輩ではあるけれど、たまに会えると、友達みたいに仲良くしてくださってた記憶がある。







そして、このたますぃ!のポーズをやってくれてる山田さんと鈴木さんは、今の僕を作ってくれた恩人でもある。







当時僕は渋谷にある無限大ホールのランキングでは一番下のクラスで、僕を面白いと言ってくれる人先輩は誰一人居なかった。









ただ、山田さんと鈴木さんだけは、ずっと僕を面白いと言ってくれてて、その二人を笑わせるためだけにゲキノビのライブに出ていた。






お客さんが誰も笑ってなくても、この二人は床に崩れ落ちるように笑ってくれてた。







だからライブに出たときはこの二人をだけでも笑わせたい!
と思うようになり、そこから次第に「芸人にウケたい」という気持ちが大きくなっていき、今の僕のこの「たますぃ!」というキテレツで、お客さんに不親切なギャグが生まれた。







当時も今も「たますぃ!」とやってお客さんは笑わないけれど、なんだかお笑いに立ち向かえている気がして、すごく気合いが入る。






だからこの青色のTシャツで撮れたたますぃの写真は僕にとってとても思い出に残っている。


たますぃのルーツの写真でした。











2枚目。








たますぃ!をやってくれてる人


サンシャイン坂田さん




今から2年ぐらい前。





その頃には無限大ホールのランキングでは上から2番目のセカンドクラスというところに僕らはいた。






たしかセカンドクラスに上りたての頃だったかな。



セカンドクラスに行くことは、吉本若手芸人の最初の目標みたいなところがあり、このクラスに来ると一気に面白い人たちに囲まれる。






だから毎回震えに震えていた。




この日もセカンドバトルというバトルライブがあり、MCがダイタクさんだった。







うそだろ、ダイタクさんだと、、、!?




正直まじで嫌だった。




嫌だったというより、怖かった。






当時の僕はダイタクさんのことがまじで怖かった。



お笑いに厳しく、自分が面白いと思っている人以外と喋らないみたいな雰囲気が出ていて、とにかく僕はダイタクさんと一緒になるライブが一生来ないことを願いまくっていた。






そしてとうとうライブが被ってしまった。





その日の朝起きたときから、劇場に来るまで、そして劇場に着いてからもずっと、ずっと緊張していた。





ライブが始まった。








奇跡的に、そのライブのエンディングで、僕はたまたま無茶くそにウケた。





ダイタクさんにディープ(僕の技というか、ギャグというか)を放って、あのダイタクさんの前で笑いを取ることができたのだ。奇跡だ。






ライブが終わり、恐怖の化身ダイタクさんとの時間を乗り越えて汗だくのまま楽屋でぼーっとしていると、ダイタクの大さんが僕に、






「笹本お前このあと空いてる?」






と、僕の目をしっかりと見ながら言っていた。










信じられなかった。


電気ケトルが沸騰し終わったときの「カッ!」って音が出るみたいに、脊髄反射で、



「はい!」
と言っていた。




空いているという確認すらしていなかった。





ダイタクさんがほんとうに怖かったけれど、そほんとうにの何倍もダイタクさんに認めてもらいたかった。






だから、ほんとうに、嬉しかった。





そして、写真の状況に至る。



この写真でたますぃ!をしてくださっているサンシャインの坂田さんは、とにかく優しくて、お笑い大好きで、熱くて、僕はこの人になりたいけれど、この人になったら超えることができないから、絶対違う方向へ行こうと常に思っていた方だ。







そんな当時の僕の二大尊敬する先輩お二人とお酒を飲めて、信じられないぐらい緊張した。







坂田さんは大さんの後輩だけれど、そのときは大さんは坂田さんにお金を借りて僕と坂田さんを飲みに連れて行ってくださった。







世間的には見ればクズ人間の所業だけれど、吉本の芸人の世界は先輩がどんなにお金がなくても後輩に奢らないといけないという文化があり、その姿をみて「クソかっけぇ」と胸が熱くなっていた。






今となってはダイタクさんのラジオに呼んでくださったり、普通に話せるようにはなったけれど、あのときはまじで天の上の存在だったなぁ。



だから、その居酒屋で何を話したかも、何時間いたかも全く覚えていないけれど、とにかく自分にとって芸人としてちょっとだけ成長したんだなと噛み締めることができた時間だった。




ちなみに坂田さんとはもう一枚たますぃをやってくださっている写真がある。








ライブで即興漫才を二人でさせていただいたときの写真。





笹本と坂田なんてまじワクワクするなぁー!どうなるんだろ!



と言われながら漫才をやり始めて、










二人してかなりすべってた。



なんか、すべってるのにやめないという良くないゾーンに入ってた記憶がある。






でも終わったあとに坂田さんは、






「まじで何時間でもできたな」







全く同じ意見だった。





すべってるとかウケてるとかじゃなくて、なんか生きているんだ俺たちはって感じでマイクの前に立ってた。







お客さんからしたらキモすぎたと思うけれど。






とにかく坂田さんは熱い気持ちを、沸騰させてそれを冷ますことなくずっとやり続けている生きた魂のような先輩だ。




僕のたますぃ!というギャグが形になりはじめた写真でした。








3枚目。

たますぃ!をやってくれてる人

キンボシ有宗さん。



これは一年前かな。


僕がEXITのりんたろー。さんから洋服をいただいて、その服がとても気に入っていたのでほぼ毎日のように着ていたとき。





そしたら周りの先輩たちから、



「ごめん笹本ダサすぎるわ」





と言われた。





なんのごめんかまじで意味不明だったけれど、正直そんなの痛くも痒くもなかった。



だって、あのオシャレキングofキング、りんたろー。さんからもらったやつだよ?




ダセーわけねーし、ちょっくら黙らせようと思って







「いやこれりんたろー。さんからもらったやつなんで」


と威嚇したら、







「いやりんたろー。さんだからその服かっこいいけど、お前みたいなやつが着たらまじダサい、服がかわいそう」



と、僕の威嚇射撃に一切物怖じせず攻撃を続けてくる人がいた。



それが写真のキンボシの有宗さんだ。







「ちょっと待ってください、じゃあ有宗さんこの服着てみてくださいよ!」







「いいよ、俺も似合わんと思うから客観的に見てみ」




という流れからお互いの服を交換して撮ったのが上の写真。






これをみて絶望したのを覚えている。






有宗さんが似合わなすぎて、この服で似合わないと、服に着させられてるどころか、服に着させて頂いてる状態になることがわかった。



え、まって、似合わなすぎじゃない…?



ってことはこれと同じ空気を俺はまとっていたったこと?








「な、これがお前やから」





そう言って有宗さんも僕にダサさをわからせたかったからか、一応たますぃのポーズをして笹本になりきって教えてくださった。




大赤面。





以後この服を着て無限大ホールに来ることはなかった。







ちなみに当時この髪型の僕をみて、世間知らズの西田さんには









「渋谷区で一番ダサい」





と、服装にプラスアルファで酷評されていた。










たますぃを使って僕へのメッセージをくれた写真でした。






4枚目。





たますぃ!をやってくれてる人。


四千頭身後藤。

四千頭身都筑。




これは一年前のネイチャーバーガー初めての単独ライブの終わりのとき。







四千頭身は僕らと同期で、この日はこの後のライブに出るついでに僕らの単独を見学しにきてくれた。




単独ライブは信じられないぐらい疲れて体ボロボロになる。終わったあとも開放感で、正直馬鹿みたいに飲みに行きたかったけれど、この日はその後に二つライブが入っていた。






四千頭身とは僕たちの単独ライブの後のライブが一緒だった。









次のライブまで椅子で放心状態で休んでいたら、都筑が「おつかれ」って近づいてきた。






都筑はライブが一緒になったときはずっと一緒にいる。



赤ちゃんがおならで永遠に笑っているように、都筑は僕で壊れたように笑ってくれる。



同期ではあるけれど、年齢は僕よりずっと下だから、なんか弟みたいで可愛い。







そこで二人で単独ライブのすべった箇所とかで爆笑していると、そこに石橋がきた。



「おつかれ」



最初にその一言をかけてくれて、以後そこから声を発することをやめた。


でもずっと近くにいる。



俺と都筑を謎に見守る位置にきた。



石橋と都筑と3人で座ってゆっくりしていると、そこに後藤がきた。






「ラップの話しましょうよ」






単独ライブ終わった人に対して一番最初にかける言葉では絶対なかった。


さらに、






「大喜利やります?」







「僕と話すときはずっとお笑いやっててくださいよ」






気付いたら俺と後藤が話しているのを都筑と石橋が見守る構図ができていた。





なんだか、教室でさっきまで陰キャラ同士で、アニメの話とかゲームの話で盛り上がっていたところに、不良の同級生が来て「おい、なにしてんだよ、変顔しろよおめーら」と言われている感じだった。






その陰キャラ代表で俺が不良に立ち向かっている感じだった。




単独ライブ終わりで疲れているなんてあいつには関係ない。





目の前にいる闇の組織に所属する大仏みたいなやつが、いつもより手強く感じた。





てかまずあんま広い楽屋でトリオが同じところ集まってくるなんて無いよ?と思いながらも後藤との戦いを他の二人がにやにやしながら見ていると、




そこに相方の三浦が来て


「せっかくやし四千頭身と俺らで写真撮ろうや」









そう言うと、3人とも




「いーよ!」







と二つ返事。






そして何も言わずに都筑と後藤はたますぃのポーズと、石橋は俺のディープのポーズを取ってくれた。







さすがに素直すぎ。




さっきまで

俺「お前こっちみんなよ」


後藤「なんで?ビビってるの?」



とかやってたのに、写真は俺のポーズで撮ってくれる。







これでちょっと俺もにやけながら、


「かわいいとこあんじゃん」


ってなってるのもかなりキモいけど、でもやっぱり嬉しい。





同期とは言え、他事務所だし、そんなに会うことも無いけれど、こうやってお笑いで仲良くなっていけるのは「あぁ、芸人として少し頑張れていってるなぁ」と痛感できる。






ちなみに四千頭身には番組で「四千頭身オススメ芸人」としてテレビに出させてもらったことがあるけれど、現場行ったら四千頭身いなかった上に、VTRで「まじおもしろい」ってハードルあげられまくって、ネタやったらうんこみたいにすべったという因縁がある。





他事務所の同期がやってくれたたますぃ!の写真でした。



















5枚目。





たますぃ!のポーズをやってくれている人。

レインボーのジャンボさん。




去年1年間よしログというネット番組でレギュラー出演させていただいていた。





30分のトーク番組で、僕たちは金曜担当だった。





毎年レギュラーは変わっていて、この年はダンビラムーチョさん、レインボーさん、世間知らズさん、そしてネイチャーバーガーだった。







正直この4組はほんとうに仲が良くて、しょっちゅう楽屋で喋っている人たちだった。








「この4組ってまじすごいですよ!本当に仲良いですもん!」





と、最初の打ち合わせでレインボーのジャンボさんが息を荒げながら社員さんに話していた。






でもその状況に誰一人として、

「いや、仲良くないですけどねぇ」



とボケでも言う人がいなかった。





なんか、全員しみじみと噛み締めている感じだった。





いやダンビラムーチョの原田さんはなんか言ってた気もするけど、まぁ覚えてないからいいか。






上の写真はそのよしログの最終回のとき。





4組で集まって1年間の思い出を話した。






ダンビラムーチョの大原さんは「正直話すことないとき完全なるウソの話もってきたことがある」




というカミングアウトに半分ぐらいの人たちが





「わかるわかる!」






と、スタッフの方々が見ている前でやばすぎるグルーヴ感を作り出していた。






世間知らズの西田さんは「相方の椎木が私の話の途中でオチを先に言ってくる」





と、お笑い芸人にあるまじき行動の話が出て、みんなで椎木さんを総叩きしたら、椎木さんは







「一回聞いたことある話だとその先言いたくなっちゃうんですよぉ〜」




と、お笑い芸人として怖すぎる言い訳が出て全員でそれを理解するための時間が作られたりした。






とにかく仲が良く、お互い気も遣わない最高の時間だった。






そして最後の記念撮影。



僕の横にいるジャンボさんは織田裕二さんのモノマネをしながらゲンコツのポーズで「オイッ!」と言う持ちギャグがある。




写真を撮るときはよくそのポーズで写ることが多いがこのときは、僕に聞こえるぐらいの声で




「たますぃで撮るか」





とさりげなく呟いてそのまま一緒にたますぃのポーズをして写真を撮った。







後輩思いで、お笑いにすごく真剣で、手は抜かないし、間違った行動はすぐ正してくれる。





でもギャンブル好きだったり、女の子に振られまくってたり、食べるの大好きだったりで、めちゃめちゃ人間くさいところもある。






温かさがこもっている尊敬というか。



お兄ちゃんという言葉がよく似合う先輩かなぁ。






まるで家族にやってもらったような感覚のたますぃ!の写真でした。






かなり長くなってしまったのでこの辺でおいとましようかな。


他にもたくさんあるので、またnoteに写真と共に、その人たちとの話を書けたらなと思います!



持ちギャグって思い出にもなるんだと初めて気付けたnoteでしたますぃー!!!

よろしければサポートしていただけたら嬉しいです!明日を生きる糧になります!!是非たますぃー!!!!!