![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22471458/rectangle_large_type_2_0db00a91ea49ece118c269ad79fd8f71.png?width=800)
NSCという養成所の一年間
こんにちは。
ネイチャーバーガー笹本です。
たますぃ!
緊急事態宣言が発令されて、向こう1か月は外出自粛ということで、こりゃ困った困ったタイムに突入しております。
マスクもねぇ、ティッシュもねぇ、冷蔵庫には飲み物ねぇ、
金もねぇ、やることねぇ、意味なく家中ぐーるぐる。
あらこんな日々いやだー、おらこんな日々いやだー
暇だし、掃除するだー。
の、Everyday、Everynightです。
ということで何か有益なことができないかなと思いまして、一応よしもとの芸人なので、
NSC(New star creation)という養成所の1年間について書こうかなと思います。
これ見てこの暗い世の中でも一人でも芸人になりたい!と志してくれることを祈って。(もしなる人はネイチャーバーガーを見て芸人になりました!と言ってね☆)
あとまじ長いから暇な時に読んでね。
まず入学式。
僕らのときもそうだったけど、基本的には新宿にある『ルミネtheよしもと』という500人キャパぐらいの劇場で行われます。
劇場は7Fにあるため、エレベーターは激混みします。なのでエスカレーターで行くのがオススメ。
よっしゃ笑わせるぞ、俺が一番おもしれぇ、あいつまじつまんなそう、そんな感じのザワザワが聞こえてくる会場内で、かなり異質な空間です。
バトル漫画のトーナメント前の感じで陰キャだった僕はめちゃくちゃワクワクしてました。
まじ第一話って感じ。
そこでは説明会というよりは激励のお言葉をいただく時間で、吉本興業の社長さんであったり、前年度のNSC主席の先輩だったり、様々な方が壇上でお話ししてくださいます。
ただ入学者は全員自分が面白いと思ってるからまじ笑わないです。
キモすぎあの空間。キモいやつばっかだった。笑ったとしても、なんか口元ニチャアってした嘲る感じの笑い方。キメェ。
まぁ僕も尖ってたから同じだったけど。
入学式が終わって、そのまま神保町駅にあるNSCに向かいます。
その道中さっき入学式でいたやつじゃね?的な人間見つけまくるからかなりピリついてる。
就活の時に企業に面接行く道中の、スーツ姿の若者みたときの、あいつも同じ会社受けんじゃね?のあの感じ。
NSCに着いたらそこでようやく説明会があります。
ここでマナーを教わります。
先輩には会ったら絶対挨拶するとか、アクセサリーはつけてこないとか、名前の書いてあるネックストラップを絶対つけるとか、まぁ色々あるけどこの一年は絶対守らないといけないルールです。
これ守れないとむっちゃ怒られます。
まぁ芸人なるような人間だから、ほぼ社会不適合者の集まりなんで、ルールないと100%統率取れないだろうし、すごく大事なこと。
この日は提出する書類などを渡されて終わりです。
まじこれから始まるんだ、俺のサクセスストーリーが、、、とクッソワクワクして帰ります。
ちなみに、ちょい痛い、頭アッパー系のやつはすでにTwitterで友達作ってライングループ作って馴れ合いみたいなの始めたりします。
高校入学するのと同じ感覚で、入学前から友達作っておこうとするやつですね。
こうやって友達作るのもありですけど、基本的には、変なやつしかそのグループには集まらないんで焦って入る必要もないかもですね。
そして次の日から「相方探しの会」という会が開かれます。
やり方は様々ですが、だいたいボケ希望と、ツッコミ希望の人に分かれてお見合いみたいなことします。
先輩がMCに来てくださって、そこで大喜利やったり、モノボケやったり、それを見て気になった人がいたらそのあとの自由時間の間で連絡先を交換する。みたいな感じです。
「さっきの大喜利めっちゃ面白かったです!」
「ちょっとずっと声かけたかったんですけど、なんかいろんな人に話しかけられてたから声掛けづらくて、、、」
とかがまじで響き渡ってて、ほぼでっかいコンパ。
これが何日間かに渡って行われて、コンビやトリオがみんなできるまで続きます。
ちなみに僕らネイチャーバーガーはこの入学式の次の日の相方探しの会で組んでからずっと今まで続いてます。
他の同期は全員解散して組み直してるから僕らはかなりレアケースなんで、コンビは気楽に組んでみて大丈夫。
コンビやトリオが出来たら、今後は一年間いろいろな授業を一緒に受けます。
当時と今の授業がどれぐらい変わってるかわからないですれど、絶対あるであろう授業を少し紹介しますね。
「ネタ見せ」
クッソ大事。ここでどんだけ面白いかを周りに見せつけれるかで、養成所内の居心地が決まる。
講師が何人かいらっしゃって、それぞれ違う角度の言葉をいただけるから全部出たほうがいい。
とにかくここでウケないようじゃ、外の世界きたら間違いなくウケない。これは肝に銘じて。
あとゲボ2000回吐きそうになるぐらい緊張するよ。まじで。同期全員の前でネタやるから。クッソ膝震える。入学式のニチャア笑いしてた奴らの前でやるからまじキツい。
でもだんだん面白いと認知されると笑ってくれるようになる。ただ身内笑いに近いから勘違いには要注意。
「演技」
クッソ大事その2。
とにかくエチュード(即興劇)やらされまくる。面白即興劇。
この授業はまじお笑いストリートファイト。自分がどんだけ人生で周り笑わせてきたかが試される。
フルテンション系がとにかくウケる。
でもただ奇声上げてればいいわけではなくて、周りと一緒に一つのお芝居を作り上げる空気の読み方がクッソ大事。
自分さえウケれば良いと思ってるやつは死ぬほどスベる。やばい奴みたいな扱い受ける。
大抵ほんとにやばいやつが多い。
この授業で、自分がどういうキャラクターや、見せ方をすれば周りが笑ってくれるかが分かる。
僕の今の舞台上での振る舞いとかはこの講師の方のおかげで見つかったもの。まじ感謝卍
あとこの授業の成績優秀者は、卒業公演に出れる。これは後述させていただく。
あとはラッキィ池田さんのラッキィダンスの授業、発声や、大喜利の授業など、様々な授業があるけれど、とにかく全部出たほうがいい。後ほど話せる話になるかもしれないから。
ネタ見せをある程度回数重ねると、NSC主催のライブが開催され、エントリー制で出ることになる。
今も多分「RUSH」って名前でやってるかな。当時はそうだった。
最初は身内を呼んでのライブになるけれど、これが半端なく緊張する。
舞台袖で待機してる時、
「あぁまじでお笑いなんかやるんじゃなかった」
って後悔するぐらい吐きそうになる。
あと練習不足だと2兆%ネタ飛ばす。
緊張しすぎて、頭真っ白になる。
お客さんが見てるぅーーうわぁああああああああ!!!!!ってなる。
だからまじ勝手に口が動いちゃうってぐらい練習した方がいい。
ネタ飛ばしたときの空気やばいなんてもんじゃないから。
夏頃になるとNSCの合宿が始まる。
これは希望制で、行きたい人だけいく感じで、大阪の同期との合同の合宿となっている。
ここで大阪の同期とは初対面になる。
まじ急に緊張感やばい。合宿所ついたときにエグい空気でてる。
入学式のときの空気再来。
どんなもんだ、みたいな顔してお互い見てる。
この合宿は2泊3日のお笑い合宿で、ほんとに寝れないけど、まじで楽しい。わりと終わる頃には大阪の同期と何人か仲良くなってる。
合宿の終わりにはずっと同行してくださってた先輩方が相談して合宿のMVPを決めるんだけど、優勝したら合宿費用が全額免除になる。
いまはどうかしらないけれど。
だから僕は自分の等身大のでっかい人形作って常に2泊3日そいつと一緒にいるっていうので、目立ってMVPを狙いに行った。
これね。
結果2泊3日すべり続けて、ただ人形持ってないと落ち着かない頭おかしいやつみたいな印象だけ与えて帰った。
だから僕はまじ合宿楽しくなかった。
ずっと涙目だった。
そして一年間の後半になると、各授業で、選抜授業というものが始まる。
これは各講師の方に認められた数組だけが、通常授業とは別に行われる特別授業のことで、これに入りまくると、単純に授業数がこれまでの倍になる。
だからアルバイトする時間がかなり削られる。クソキツイ。
けど選抜授業に入りまくると、残りの一年間養成所内で死ぬほど幅きかせれる。
要はあなたはエリートです、と目に見えた太鼓判が押されるわけ。
マジクソ気持ちいい。
中でも先述した演技の授業の選抜に入ると、卒業公演に向けて、稽古する時間が増えるので、2.3月はハイパー忙しい。
アルバイトして、ネタ見せ行って、ライブ出て、稽古して、って言うのが続くからなんか売れた気分になれる。
選抜が出揃うと、今度は事務所の人がそこからさらに選抜して10数組で、大阪のNSCとの対抗戦が始まる。
僕は対抗戦の選抜に入ったので、みんなでバスで大阪へ向かった。
まじワクワクした。
久しぶりの大阪の同期と、今度はネタで戦う。
会場は大阪の漫才劇場で、ずっと立ってみたかったみんなの憧れの舞台。
大阪の同期と久しぶりー!顔を合わせて盛り上がったりする。
僕は合宿でやばいやつの印象しか与えてないから全然盛り上がらなかったよ☆
これが大阪での会場と、東京での会場で二回行われる。
これが東西対抗戦ってやつ。盛り上がりまくる。
他にも人力舎さんとかワタナベとかとの対抗戦もあって、よその事務所さんとのつながりもわりとあるから素晴らしい。
とまぁ、一年間の流れとしては
コンビ組む→授業でる→合宿いく→ライブでる→選抜入る→対抗戦でる→卒業公演でる
これが基本的な流れです。
そして、その卒業公演前に控えてる最大級のイベント。
「NSC大ライブ」
これ。これこれこれ。
その年の主席を決める最強の大一番ライブ。
今の主席の決め方はわからないけれど、基本は、全員ネタをやって上位数組で決勝戦やるって感じ。
いまは決勝戦はトーナメントなのかな。
今までやったこともないようなデッカい会場で、まじ震える。
ここで優勝するために一年間やってきたと言っても過言ではない気合いの入れ方を全員する。
この時期どこが優勝候補で、あいつのあのネタ強いからやばいなぁとかの話でもちきり。
この頃には大抵全員仲良くなってる。
友であり、ライバル。
そいつらとの頂上決戦。
ちなみに僕らは予選で緊張のあまり何喋ってるかわからなすぎてゲキすべり敗退した。
わりと優秀者だったのに、決勝進出者発表の時名前呼ばれなくて舞台上で周りがざわつきはじめたからMCの方が前に出してくださって
「残念だったね、どう気持ちは?」
と聞かれ
自分の顔を指差しながら
「これが負けた人のご尊顔です」
と意味不明な返しして舞台上と会場とMCが全員はてなマークになってたのも覚えてる。
ここで主席になると特典が貰えて、芸歴一年目として最高のスタートが切れる。
終わったらすごく開放感でいっぱいになって、優勝したコンビにおめでとうコール。
すごく素敵な空間。
でもまだ終わりではなく、この後控えている卒業公演がある。
卒業公演は演技選抜でやるお芝居と、
ダンスの授業の選抜によるダンスで構成されている。
お芝居は、それぞれの面白キャラクターを生かした笑えて泣けるお芝居になってることが多い。
そのため、台本以外にどんどん稽古内で台詞を足していく必要がある。
みんなで、これ言ったら面白いとか、こうしたほうがお客さんに伝わりやすいとかをめっちゃめちゃ話し合いながら稽古する。
だから死ぬほど稽古するし、死ぬほど揉めるし、死ぬほど大変。
でも、この時間がかなりプライスレス。今でもめっちゃ覚えてる。
時間かけただけあって、本番はまじで本気でやるし、みんな舞台上汗だく。あんだけやったから絶対ウケたいし、誰一人テキトーな人いなかった。
卒業公演の最後は歌とダンスで締めくくるんだけど、もう正直こんとき軽く泣いてる。
学校の卒業式ぐらいグッとくる。
一年間いろんなことあったなぁって思い出しながら全力で歌って、最後のありがとうございましたー!はまじで「ありがとうございました」って思って言ってる。
そんぐらい感動に包まれる。
まじ良い。
楽屋戻るとみんな「一年間ありがと!」って言って抱き合ってる。
入学式の時ニチャアってキモい笑いしてたやつらもみんな汗かいてキラキラしてる。
尖ってるやつなんか一人もいない。
後輩のやつもスタッフで一回見に行って楽屋も行ったけど、僕の時と全く同じ感動の仕方してたから間違いない。
そしてそのあと打ち上げ行って朝まで飲んで熱い話とかしてカラオケして泣いてってコース。
そこでNSCの一年間は終わります。
凝縮したらこれぐらいだけど、まじいろんなこと起こるし、毎日激動だけど、ほんと学生終わった人間がもう一回青春が送れる最高の一年なんで、ぜひ来ちゃいましょう。
ただ卒業したあとが本当の地獄始まるけれどね。プロの世界まじやばすぎ。ラスボス級しかいない。
と、まぁ長くなりましたが読んでいただきありがとうございます!
お笑いの世界の第一歩になれば幸いでゲス。
まじ暗い世の中だけど、お笑いは最高のコンテンツだから、絶やさないようにしていきたいですね!
これからも盛り上げていくぞー!!たますぃーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
よろしければサポートしていただけたら嬉しいです!明日を生きる糧になります!!是非たますぃー!!!!!