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アレ観た報告#36 【凶悪】

どうも、本物のシャブと拳銃が使用されているヤ〇ザ映画です。

それは冗談でして肝数値高男です。
昨年末、このようなネットニュースが出ておりました。

電気グルーヴが昨年11月から12月までの1ヶ月間行われた ZEPP ツアー「アンと匂いの樹」の最終公演である12月1日の Zepp Haneda でのトークがネットニュースになってしまっておりました。メンバーのピエール瀧さんが出演していた映画「凶悪」の話になり「シャブを打ち込むシーンがあるんだけれども、あれは本物を使っています、しかも何度も NG を出しちゃって・・・」と相方の石野卓球さんがネタで言って会場は大ウケだったんですけれども、ピエール瀧さんは2019年に麻薬取締法違反で逮捕されている過去があり、ちょいと笑えないんじゃないかという、ファンからしたら本当にしょうもないニュースです。

ちなみにニュースでは最終日の東京公演での出来事となっておりますけれども、そのひとつ前の11月23日の ZEPP SAPPORO 公演に実は自分も参加していたのですが、その時にもまったく同じ内容のジョークを言っておりました。俺が観た感じだと超満員の会場は爆ウケ!俺も一緒になってゲラゲラ笑ってしまいました。それにしても、電気グルーヴのお2人、サポートメンバーの方も含めて本当にカッコよかったなぁ。最高のライブでした。

映画「凶悪」のことを冗談混じりで話すジョークに、一応は俺も笑ってはみたんですけれども、実はこの「凶悪」、10年ほど前に話題にはなっておりましたので映画の存在は知っているんですけれども、なんせ勉強不足の俺はそれを観ることなく30過ぎの残念なおじさんになってしまいました。映画もロクに観ていないのにこのジョークに笑ってはいけないんじゃないかと思って、今回「凶悪」をちゃんと観てみることにしました。今回はそれの報告でございます。

  • タイトル:「凶悪」

  • 公開日:2013年9月21日

  • 上映時間:128分

  • 試聴方法:Hulu

今作は「Hulu」で視聴をしましたが、「Netflix」「FOD」「U-NEXT」など、様々なサブスク動画サービスで視聴できます。ちょうど自分が視聴しようと思った昨年12月の段階では「Amazon プライム・ビデオ」でも配信をしていましたが「あと10分で配信終了」って表記されておりました。あんな表示はじめて見たのでビックリしました。あれって再生している最中に配信終了時間になったら再生も止まっちゃうのかな?よくわかんないですけれども、プライム・ビデオではもう観れなくなるんだってことで Hulu で再生しました。

ざっくりあらすじなんですけれども、1999年〜2000年のいわゆる世紀末の時代に実際に茨城県で発生した「上申書殺人事件」という狂った事件で逮捕され、死刑が確定した男が新潮社の編集部に手紙が届き、編集部の方が取材をしにいくと、警察すらも知らない余罪の話から、実は首謀者の男がまだ逮捕されていない状態でいるという、本当なのか嘘なのかよくわからない話をされ、編集部の中でも反対をされている中、取材を受けた記者の方がその後何度も死刑囚の男の元へ面会を重ね、首謀者の男を特定。証拠も何もかも押さえて首謀者の男も逮捕となり、世の中が大きく動くまでの実話を元に制作された映画となっております。

上映時間はなんと2時間越えのかなりのボリューム!いやぁ・・・キツかった。というのは、つまらない内容が2時間も続いてキツかったということではなく、残酷なシーンばかりで観ているのがキツかった。というのも、他の映画であれば「これはフィクションの話だから」で逃げ場がありますけれども、今作の場合、実話なので逃げ道なし。
25年近く前に、こんなにも悪い人間がいて、それらによってこんなにも酷い殺され方をした人がいるのは事実。犯人は逮捕されたとはいえ、被害者の方は帰ってこないし、今もまだこの事件で遺族の方は苦しんでいるはずだし、そんなことを考えたらなんとも言えない気持ちになります。でも、これは「なんとも言えない気持ち」になるのが正解な映画なのかもしれません。
サブスク動画サービスで観た映画は視聴後、忘れないうちにすぐに感想文を執筆して「アレ観た報告」として note に感想文を公開するのですが、「凶悪」については視聴したのが昨年12月上旬だったのですが執筆にめちゃくちゃ時間かかってしまいました。

いろんな意味で「映画」にするには大変な内容の作品ですが、その中でも日本を代表する素晴らしきアクターの皆さんの演技が光っています。事件を公にする記者の男性を演じたのは山田孝之さん。死刑囚の告発を雑誌で公開することを職場に猛反対されたら「そうですよねぇ・・・ヤバいことに巻き込まれてもアレですし〜」と、カンタンに引き下がってしまう腰抜け野郎の俺には考えられないくらいの正義感でいっぱいの男の役です。その正義が暴走しはじめてくる感じの動きから表情までもしっかり演技されていて、山田孝之さんってやっぱりすごい人だなと改めて思いました。

死刑囚の男に告発された首謀者の男を演じるのはリリー・フランキーさん。リリーさんは肩書きがありすぎて俺自身も彼がなんの職業なのかよくわからないのでもうコレは「リリー・フランキー」という名前の職業でいいんじゃないかって思ったりもしているんですけれども、そんなリリーさん、どの活動も中途半端じゃないのがすごい。あんだけの量の肩書きを完璧にこなすなんてのは天才じゃないと出来ません。俺なんか、たったひとつの本業ですらまともにできない無能人間なので本当に羨ましい。
今作ではアクターとして大活躍しておりますが、俳優業一本で極めた方なんじゃないかってくらい、演技のレベルが高すぎ。
ちょいネタバレになるんですけれども、人を拷問したりアレ(自主規制)するシーンではニタニタ笑いながら「自分もやりたい」と、まるで子供のようにはしゃぐ描写があるんですけれども、あの時の演技がとにかく自然体で、それにより人間的ヤバさがあふれんばかり出ていて本当にゾクッとしました。あの感じは、リリーさんにしかできないのではないでしょうか。

そして、今作のもう1人の主人公とも言える死刑囚の男。こちらを演じているのがピエール瀧さん。瀧さんはいろんな映画、ドラマで役を演じられているのを観ていますが、みなさんもご存知の通り、彼の演技もとても素晴らしいです。
なんと言っても電気グルーヴでの瀧さんとのギャップに目まぐるしさを感じます。いろんな楽曲では奇声を発しまくり、早口での曲も、割としっかり歌い上げるタイプの曲もボーカルとして大活躍し、ライブでは会場を沸かすパフォーマーとしてでも大活躍。
個人的には30年以上前に放送されていた「電気グルーブのオールナイトニッポン」なんかでは深夜の時間帯に大暴れ。あとは著書なんかでは「屁で空中ウクライナ」や「ピエール瀧の23区23時」なんかですごく面白いことをしちゃうコンテンツホルダー的な一面もあったり、いろんな角度・手法で面白いことを我々ファンに届けてくれるピエール瀧さんが、どうも俺の中で「凶悪」で死刑囚の極悪男を演じるってのは結びつかない。
しかもただ極悪ではなく、その中でも実は人の心を持っている一面があったり・・・。たくさん人を殺しているし、悪い奴では間違いないんだけれども、でもそれだけじゃ表しきれない、なんとも言えない感じもしっかり演じられていて、瀧さんの演技は本当にすごいと思います。
しかも11月に「電気グルーヴ」のライブ現場で、ふざけ倒している瀧さんを観た後だったので余計にそのギャップにやられました。

映画の視聴が終わった後も、いろんなことを考えてモヤモヤしてしまう「凶悪」R-18 指定映画ということもあり、閲覧は注意な作品ではございますが、気になった方は是非ともご自身の契約されている動画サービスなんかで視聴し、モヤモヤを経て何を感じるのか、ご自身で確認してみるといいかもしれません。

https://www.netflix.com/search?q=%E5%87%B6%E6%82%AA&jbv=80082000


というところまで書いて文字数が3471文字になりましたので今日はこの辺でオヒラキにしたいと思います。ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。明日も元気いっぱいにテキストを更新しますのでその時また会いましょう!!! ・・・俺が逮捕されていなければ。

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