金玉虫

私がこの『おもちゃ』を手に入れたのは学校で飼っていた馬の世話をしている時だった。
高学年になると当番制で放課後に馬小屋の掃除や餌やりをするのだが、その日は同じクラスの男子がサボって来なかったので私1人でやっていた。
その時、ある光景が目に入った。
普段は尻尾に隠れていて見えづらいが馬には大きな2つの金玉があり、女である私にとっては見慣れないもので興味があった。
しかし、今日その金玉を見ると1つしか確認出来ず心無しかもう片方の金玉も小さく見えた。
「前に見た時はちゃんとあったのに‥。」
馬が暴れない様にそっと玉袋の上から金玉を触ってみた。
「えっ!1個無くなってる!」
前は確かにずっしりとあったはずの金玉が1つ無くなっていたのだ。
もう1個の金玉も確認してみた。
「うーん、何かある感じはするけどスライムみたい‥」
金玉というくらいなので弾力のあるボールをイメージしていたが、馬のそれは少し力を入れて揉むとプリンの様に形が崩れてスライムを揉んでるみたいな感触になり最後には玉袋が唯の水風船の様になった。
馬も痛がっている様子はなく落ち着いていた。
どうして先月までは2個あった大きな金玉が急に無くなってしまったのだろう‥。
不思議に眺めていると馬のちんちんの先っぽから何かが出てきた。
「えっ‥何これ‥。」
出てきたのは、芋虫の様な生き物で指先に乗るくらいの大きさだった。
私はその生き物を見た瞬間、これが金玉が無くなった原因なのだと幼いながらも直感した。
その芋虫の数も多く、最終的には10匹くらい出てきた。
私は何を思ったのか、その芋虫を理科室から取ってきたフラスコに移して集めた。
その芋虫は元気がよくフラスコ内を動いていた。
まるで次の金玉を求めているかの様に‥。
私は掃除を簡単に終わらせるとそのフラスコを持って家に帰った。

家に着き、机の上でそのフラスコを眺めつつ色々なモノを与えて餌付けをしてみた。
葉っぱや果物、昨日の残り物をあげてみたが食べる様子はなかった。
「やっぱり金玉じゃないとダメなのかな?」
でも私には金玉はないしどうしようかなぁと考えているとお父さんが仕事から帰ってきた。
「あっ!金玉あるじゃん!ご飯が近くにあって良かったね。」
フラスコ内の芋虫に向かって言うと、意図が伝わったのか分からないが嬉しそうに動いていた様に見えた。
「でもこんな芋虫、パパに見られたら気持ち悪がって捨てられちゃいそうだからバレない様にこっそり食べさせてあげるね。」
その夜、ビールを飲んでソファで横になって寝ているパパを見て私は部屋に芋虫の入ったフラスコを取りに行った。
ママはお風呂に入っているので今しかないと思った。
起きない様に部屋着のズボンを下げるとパパのちんちんと無駄に大きい金玉があった。
フラスコを傾けて玉袋の上に芋虫を乗せた。
「お腹空いてたよね?いっぱい食べてね。」
しかし芋虫は玉袋の上を動き回るだけで金玉を食べている様子はない。
そこで私はこの芋虫が馬のちんちんから出てきていたのを思い出した。
「ここから入るのかな?」
芋虫をパパのちんちんの先っぽに持っていくと芋虫は巣に潜る様にちんちんの中に入っていった。
スルスルと入っていくのが面白くて10匹全部を入れてしまった。
「みんなが食べる分あるかなぁ。大事に食べるんだよ。」
玉袋を撫でながら中に入った芋虫に伝えズボンを戻してその日は終わった。

それから数日して、また同じ様な状況になった事でパパの金玉がどうなったのかを確認することにした。
ズボンをずらすとちんちんは前と変わらずあったが、以前はずっしりとした金玉が2つあったはずの玉袋が見るからに凹んでいた。
玉袋の上から揉んでみると馬の玉袋を揉んだ時と同じで金玉は無くなっており弾力は無く液体の様なもので満たされていた。
「パパの金玉食べられちゃったんだ。」
パパも痛がる様子はない。
暫く揉んでいるとちんちんの先から芋虫が出てきた。
私はそれをフラスコに戻した時、ある事に気がついた。
「数が増えてる?」
パパのちんちんに入れた時は全部で10匹だった数が数えてみると15匹になっていた。
「金玉を食べると仲間が増えるんだね!」
「それならもっと金玉が必要だよね。」
もうパパの金玉は用済みになってしまったので次の金玉が必要だ。
これだけの芋虫が満足するだけの金玉を準備してあげないといけない。
私は考えた結果、ある事に気がついた。
「パパよりは小さいかもしれないけど沢山あるじゃん‥。」

来週から、修学旅行が始まる‥。

続くかも••?

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