ポーカーの魅力とは

■前置き

先日こんなツイートをした。

画像1

この後、彼女(ここからはAさんと呼ぶことにしよう)とポーカーをした。ルールと少しの豆知識(レンジ表、プロップワンヒット30%、2倍 4倍の法則、EQ分布、ドンクはしないなど)を説明。Aさんは数学科卒のため少し難しい話もした。

なんとなくわかった?
うんわかった!
いざ勝負!

2bet pot  自分オリジナル
AK3 rrのフロップである。Aさんはなんとここで衝撃な行動を取る。




pot size donk betである。
98%くらいの確率でAxなんだろうと思った。しかしこちらはkkである。ここで甘やかすような人間ではないのでリレイズを返す、するとオールインが来た。相手はAのトップぺアだった。Aさんはワンペアで一番強いからオールインしたと言っていた。
僕はこの瞬間500%サイズの悲しさが込み上げた。しかしこれはAさんに対してではない、自分に対してである。10秒前に話したエクイティ分布を使ってのドンクの説明などなんの意味もないことに加え…

■反省の嵐

ここで大事なのは重要度の高い話をしていないことである。エクイティ分布とかいう訳のわからないものを用いてドンクの説明なんかよりも先にやるべきことがあったのだ。今回は僕のハンドがたまたまKKであったが、AQとA4のワンペアはどちらが強いか。つまり、キッカーを先に説明するべきだ。

Aさんはポーカーを今日初めてプレイする超素人である。そんなAさんがAのワンペアを強いと思ったのは当然である。7枚のうちの5枚を使って役を作ると1度だけ説明を聞いてプレイもせずに誰が同じワンペアの時はどっちが強いんだ?と疑問を思いつくだろうか。そもそも、細かすぎてよく分からん話をされて面白いだろうか。自分が変に知識を持っていることでこの場面ではそれが邪魔をした。しかし悪いのは知識ではなくあくまでその知識を所有する自分である。

自分の知っている情報を相手に丸投げして、ハイ、情報あげたからあとはそっちでまとめて理解してというやり方は教える側が楽をし満足したいだけの5流である。自分はこれをひどく反省した

超素人には「強いときは大きいベットするとたくさんチップが取れて楽しいよ」と言う。ある程度慣れてきたら、「強いときはプロテクションの意味合いと相手のそこそこ強いハンドからバリューを取ったりエクイティを奪ったり、また、弱いハンドでもブラフしたいからある程度のバランスを保ったほうが相手も困って結果的にチップたくさん取れて楽しいよ」などの相手のレベルに合わせて説明分けをするべきだと反省した。

情報はどれだけインプットしてもアウトプットできなければ知識ではない。GTOツールでの勉強もこの通りである。恥ずかしい話、少し前に「MDF」という単語を初めて聞いた。自分の中ではこれは衝撃だった。これのおかげでGTOツールで「なんでこんなハンドがコールやねん」と思っていた事が解決した。これが気づきであり、楽しいと思う瞬間の一つである。「楽しい」と思うことは上達するうえで一番大事なものだと僕は思う。

僕らはAAをリンプするのは期待値が低くトータルで負けて楽しくないから期待値の高いbetを選択する。だが別にリンプするのは本人の意思である。これと同じでドンクするのはその人なりに考えた結果そっちのが楽しそうであると考えたからではないか。EQ分布を使ってドンクの話を聞かされるよりも、Aのワンぺアでドンクした時のAさんの顔のが楽しそうだった気がする。楽しんでいたらそのうち、トータルの期待値を考えてAAはリンプもしないし相手に有利なボードでドンクもしなくなるだろう。そしてここで初めて戦略的なことを教えたらよいのではないか。相手の望んでいない情報まで押し付けるのは指導側のわがままである。

あれ以来Aさんは「ポーカーしよ」とは言ってこない。これは自分の説明力が足りないせいで魅力が十分に伝えれなかったのではないか。大きいスケールにするならば自分のせいでポーカー人口増加の可能性を消してしまったのではないか。これはよく言うアミューズメントで勝手にコーチングしてくるうざいおっさんにも当てはまる。おっさんのせいでポーカーにハマって上手いプレイヤーになる可能性をつぶしているかもしれない。言語化とは非常に難しいスキルであることを実感した。

■本当の「コーチング」とは

コーチングとは「相手自身の気づきによる成長をサポートするもの」

僕は多聞さん、自堕落さん、tkokさんのコーチングを受けたことがある。彼らは決して100zクラスの戦略話などせず、僕のステークスを攻略するうえで僕に足りないスキルの解説や気づきを与えてくれた。僕はとても楽しい時間を過ごせた。まさしくこれがコーチングである。ティーチングではない。(ティーチングとは自分の知識やスキルを教えること)僕がAさんにしたのはティーチングだったのではないか。ただ教えるだけならだれにでもできる。なぜならGTOツールを回してこうしたほうが良いと言うだけであり、5流だ。なぜそうなるのかを相手に考えさせ気づきを与えそれでもわからない時に初めて理由を説明してあげるべきである。

■ポーカーの魅力

ポーカーをする上で必須なものは戦うステークスやその環境(オンラインなのかアミューズメントなのか)によるが全プレイヤーに共通して言えるのはおそらく楽しむことである。少なからず勝ち負けが楽しさに影響をするし負け続けると座学のやる気もなくなる。楽しみ方の種類を増やして相手のレベルに合わせた会話ができるくらいレベルアップし次に素人に魅力を説明する機会でリベンジしたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?