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「もっと大変な人はいる」は自分専用の麻薬

「もっと大変な人はいる」を誰かに処方する薬剤師(ただの素人)

Twitterの先の世界にも現れた間違った薬剤師(ただの素人)

今朝、Twitterで知的障がい手前の境界領域(IQ70~85程度)の方のつぶやきを見ました。

ある界隈で自分の生きづらさを打ち明けたら「もっと大変な人はいる」「障がいなんて関係ない」と言われて辛かったというものでした。

この「もっと大変な人はいる」という言葉、麻薬のようなものであることをご存じですか?

どこにでも現れる間違った薬剤師(ただの素人)

なっつんも、発達障がいかもしれないと思い、必死に対処したり自己理解しようとしたりしていた10年前に自分の生きづらさや大変さを人に打ち明けた時、同じように「もっと大変な人はいる」という話をされました。

これって理不尽じゃないですか?

私の話を聞いてくれていない気持ちになるし、共感してもらえていないし、寄り添ってくれている気持にもなれないし、応援してくれている気持にもなれないし、手助けをしてくれるわけでもない、、、

言われる立場としてはたまったもんじゃないですよね。

「もっと大変な人はいる」は言葉の麻薬

言葉の麻薬は辛い時の対処方法の1つ

「もっと大変な人はいる」は、ストレスや苦しい状況に置かれたときに、より大変な状況にある人を見たり聞いたり想像して「もっと大変なところで頑張っている人がいるんだから私だって頑張ろう!!」と自分の辛い気持ちを軽くして自分を奮い立たせる言葉の麻薬です。

ストレスや苦境への対処方法としては真っ当な方法の1つです。

1年に1度ある丸一日連続放送する特別番組で頑張る障がい者を見て感動して、明日からまた頑張ろうって思うみたいなやつですね。(ちなみに私はあの番組は嫌いです。笑)

「もっと大変な人はいる」というのは世界を都合よく解釈すれば、少なくともこの日本にいる間はある意味で誰にでも当てはまります。

極端な話をしてしまえば、戦争や内乱、干ばつなどによる食糧難などなど、障がいも性別も年齢も関係なく、本当に生きていくことだけでも困難な状況というのはあるわけです。
(日本国内でも複雑な人間関係や複雑な状況などで生き死にがかかる状況ももちろんあります)

こう考えると「自分より大変な人はいる」という言葉は、誰でも使える便利な言葉の麻薬ですね。

自分に合った薬(対処方法)のすゝめ

正しい「もっと大変な人はいる」の使い方

この便利な言葉の麻薬ですが、使い方にはとても大切なことがあります。

それは「自分で処方して、自分が服用する」ことです。

「もっと大変な人はいる」と誰かが勝手に処方して誰かに言うものではありません(先ほどの間違った薬剤師たちはこれをしていました)。

間違った処方や服薬の仕方をすればかえって副作用でよりネガティブなことになります。

「もっと大変な人はいる」自分が自分に使うための言葉の麻薬なのです。

「もっと大変な人はいる」が効かない人はどうしたらいいのか?

では、「もっと大変な人はいる」という言葉の麻薬が効かない人はどうすればいいのでしょうか?

生きづらい人は、今この瞬間に自分に起きている大変さ、辛さ、悲しさ、怒り、不安、無力感、そして状況を軽くしてより良くなりたいです。

他の人の辛さや大変さは関係ありません。

他の人の大変さと比べても、今の辛い大変な状況がよくなるわけではないのです。

気の持ちようよりも状況を変えることを優先した方が良い場合が多いと思います。

そのため「もっと大変な人はいる」という麻薬はあまり役にも立ちません。

痛みを減らしても、痛みの原因はあり続けるわけですから。

自分で自分に処方してもあまり効果がありませんし、まして誰かに処方されるべきでもありません。

別の薬(対処方法)の方が、効果があります。

ここでは3つの薬(対処方法)をご提案します

生きづらい人にオススメの3つの薬(対処方法)

①「もっと大変な人はいる」とよく言ったり考える人から距離を取りましょう。

他人の言葉の麻薬とその副作用から離れましょう。
「もっと大変な人はいる」麻薬を乱用する人の近くにいても物事は良くなりません。

② 専門の相談場所で相談しましょう。

生きづらい状況を変えるための支援を活用しましょう。
(例:福祉相談・支援施設活用、病院への通院、心理カウンセリングなど)

③ 似たような境遇の人に出会ってみましょう。

当事者だからこそわかる効果的な対処方法や解決のヒントが見つかることがあります。
当事者性をお互い持つからこその体験や共有や共感が心の癒しに繋がることがあります。
(例:当事者会、セルフヘルプグループ、オンラインサロン、ピアサポート、当事者が書いた本、当事者が自分の経験を語る動画など)

大切なのは「自分に合った薬(対処方法)に自分で処方すること」

自分により合った薬(対処方法)を探して、自分に合った処方をしてあげてくださいね。それが一番効果があります。

自分を一番大切にできるのは自分自身です。

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