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愛用品紹介#1 愛すべきアリス編


(3個目のブログで私物紹介は早えよと思った方は暖かい目で見守っていただきたい)

だんだん夏が近づいてきた。読者諸君は如何お過ごしだろうか。とは言ったものの、朝晩で寒暖差が激しいため着る服に困る日々を送っていることだろう。

セレクトショップには冬物のセール品が物寂しく並びつつも、夏のトレンドをふんだんに取り入れた店員の方々が商品をずいずいとオススメしてくる。

そんな中で夏といえば、白T、ショーツ、ポロシャツ等が所せましと並ぶ中で、サンダルの存在は欠かせない。

ビーチサンダルのみならず、近年では十分にファッションアイテムの一部として市民権を得ている。

Tevaやkeenのようなシンプルでありながら、町でも山でも海でも使えるような洗練された製品も魅力的である。

最近は疲労回復を目的として設計されたリカバリーサンダル等が様々なブランドから出ている。「シティボーイ」の必須アイテムとしてOOFOSやHOKA ONEONEのアイテムが飛ぶように売れているらしい。

サンダルの履きこなしについては、私が敬愛してやまない金子恵治氏が語り尽くしている。


個人的にはgoyemonというブランドから出ている、雪駄とスニーカーを融合させた「雲駄」や、フランスの革靴ブランドParabootから出ているグルカサンダルPacificが気になっている。

goyemonの「雲駄」
入手困難で実物をあまり見たことがない



ここまで話してきてなんだが、私はしばらくサンダルを買うつもりはない。なぜなら2年前に至高のサンダルを買ってしまったからだ。

それがJutta NeumannのAliceである。

Jutta Neumann  “Alice”


ブランドの説明から入ろう。
ニューヨークにアトリエを構えるドイツ生まれの女性デザイナー、ユッタ・ニューマンによるレザーサンダルとレザーアクセサリーを制作するブランド。


1980年代にパリからニューヨークに移り住み、レザーサンダルの巨匠、バーバラ・シャウムのもとで6年間修業した後、1994年に独立し自身のブランドをスタート。

ブランド設立当時からそのクオリティやデザインが、ニューヨークのファッション関係者の間で話題となり、1997年のNY COLLECTIONでANNA SUIのショーでサンダルが起用されたことが話題に。

サンダルやアクセサリー類は、ユッタ・ニューマンと彼女の息子、そして数人の職人達によって、現在もすべてニューヨークの工房で手作りされている。


先程、至高のサンダルと述べたが、ブランドのアイテムは「レザーサンダル界のロールスロイス」と呼ばれている。余談だが、スニーカー界のロールスロイスはニューバランスの1300だと言われている。

ラルフ・ローレンが「雲の上を歩いているよう」と絶賛引用: https://otokomaeken.com/masterpiece/106809



もちろん名前だけが独り歩きしているわけではなく、それ相応の実力はある。

まず特徴の一つとして挙げられるのは、値段である。

商品のモデルや時期によって値段は多少変動しているが、私が購入したAliceというサンダルは、なんと5万7千円。

高すぎる。サンダルに6万近く払えるわけねえだろバカタレと思われる方もいるだろう。実際、親からこの文言を言われた。友人からも言われた。私も買う前は思った。

落ち着いて聞いてほしい。
使われているレザーは、西部開拓時代にサンフランシスコの伝統的な革製法で作られた高級革で、堅牢で厚みがあるラティーゴレザーが使用されている。

だから何だと言われてしまったら仕方ないが、こいつがとんでもない耐久性をもっている。多分皆様が想像している5倍の厚みがあるため、3年目に入ってもうんともすんとも言わないのである。

なんならオイルがしみ込んだレザーが風合いを増していき、味が出る。所謂「経年変化」だ。


ただ、そこまで分厚いレザーだと履きやすさが最悪だと思われるだろう。

このサンダルがロールスロイスと呼ばれる所以の2つ目が履き心地である。


アーチ(土踏まず)の部分が盛り上がっているのが分かるだろうか。このデザインおかげで絶妙なフィッティングを可能にし、サンダル特有の疲労感を感じさせない作りになっている。簡単に言うと履けば履くほど足に馴染んでいく訳だ。

ソールにはビルケンソールが採用されており、適度なクッション性がある上、ソール交換が可能であるため長年愛用することができる。とあるユーザーは10年以上履き続けているそうで、一生このサンダルを履くという猛者もいる。

そう考えると、数シーズンで買い替えるより、このブランドのサンダルを一足買う方が安くコストパフォーマンスも断然こちらの方が良いのではないか。


さて、色々魅力を語ってきたが、実際私が履いてきた感想を述べたい。

Jutta Neumannで一番王道のモデル、Aliceを大学2年の6月に購入した。極太のアッパーストラップと親指を包み込むサムホールが特徴の、ブランドのアイコンアイテムといって差し支えないだろう。

サイズはD8で、普段ナイキやアディダス、コンバースは27cmを履いている。参考までに。

まず履き始めたが、まあ率直に言うととてつもなく痛い。

いくら履きやすいレザーサンダルとはいえ、革は革である。

素足でそんなものに触れたらどうなるかは想像に容易いだろう。サムホールもアッパーストラップも最初は固いため、履き始め当初は血だらけになった。サイズ感が合ってないとクレームを入れたくなったが、「履き続けると革が柔らかくなります」と記載があったので、痛い思いをしながら履き続けた。

履き慣らすまでが修行というレビューの真意を知ることになった。私は長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかった。

犬の散歩、近場のコンビニの買い物では徹底的に履くことを心掛けた。

するとどうだろう。履き始めて2か月程で、足に痛みを感じなくなってきた。それどころか、足と接する部分に自分の足跡のようなものが浮き上がり、そこにフィットするようになってきた。


もうすぐ3年目の夏を迎えるこの時期から履き始めているが、カチカチだったレザーとも仲直りが終わり、ものすごく柔らかくなっている。

3年目のAlice
ブラックを購入したが、少し赤みがかってきている

ソールがだいぶすり減ってきているので張替を検討しているが、それ以外で大きく損傷している箇所はない。頑丈。

手入れについては1シーズンに一回、布で乾拭きをした後、(お菓子じゃない)シュークリームを塗布してひたすら磨いている。

詳しい方法はファッションYouTuberのハズム氏の解説動画を見てくれれば大丈夫だ。


これまでに様々なサンダルに足を通してきたが、これを超える履き心地のサンダルには未だに出会えていない。

また、デニム、チノパン、ショーツ、シャツ、ポロシャツ、Tシャツ、どのコーデにもAliceがうまく溶け込んで上品な雰囲気を漂わせる。

6万円で本物のロールスロイスは買えないが、極上の履き心地と至高の夏が目の前にある。

結論:えー、正直、買いです。

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