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INPUT⇋OUTPUT


全国の読者の皆様お久しぶりです。エッフェル塔です。しばらく書きたくなかったという訳ではなく、書きたいことがあってもなんとなく言葉にできないという時期が続いていた。じゃあ今これを書いているのは何か心的な変化があったのかと聞かれると別にそんなことはない。じめじめして寝付けないからである。


この春からテクノポリストーキョーで暮らし始めることになった。家族や友人たちと涙の別れを済ませ、オキニの服たちとエッフェル塔セレクトの書籍を携えて、7畳半の自分の領土にやってきた。生活がガラッと変わり、眩暈がするような日々が最初は続いていた。電車の乗り換え方がクソ難しすぎるというところや、人混みが至るところでできており、自分の目的地まで到達できないというような、地元では経験できなかったような東京の洗礼を受けた。


同時に1人暮らしを始めた。引っ越ししてから数日は足りないものをキャン★ドゥに買い足しに行くという日々を繰り返していた。恥ずかしいことに、野菜の相場など分からず、近所のOKストアーが最安値という情報を頼りに一番安い商品ばかりを選んで購入する。料理のレパートリーも徐々に減っていくのを感じる。最近はめっぽう日曜日にカレーライスを仕込んで一週間で消費するというサイクルが染みついてきた。まあ、カレー好きだからいいんですけど。


悪いことばかりでもない。近所のCD屋にオザケンの『LIFE』が400円で売られていたのでCDプレーヤーを買う前に買った。渋谷クワトロでbetcover!!と田島貴男のライブを観に行って生のバーチャルセックスと生の接吻を聴いた。そのことを会社の先輩に話したら渋谷系アーティストのCDを沢山くれた。奇々怪々の大ファンにとってはビッグニュースのDos MonosとMONO NO AWAREの新譜が出た。私が愛してやまない漫画、ルックバックとひゃくえむの映画化が決定した。早稲田松竹で『レザボアドッグ』と『ストップメイキングセンス』の2本立てを観れた。無料で行ける個展にたくさん足を運んだ。近所のスーパーの古本CDコーナーみたいなところで、チャールズ・ミンガスの『直立猿人』を掘り出した。オザケンの武道館ライブの抽選に当選した。

定価の4倍ぐらいで転売されてる…



2か月程経過して、だいぶ東京に順応してきたと思う。しかし、それと同時に東京への憧れも薄れてきてしまって少し悲しい。地元にいた頃は、TOKYOという街に以上な羨望の眼差しを向けていた。住む人々はきっとみんなナウナウでプラスチックにオシャレでキメキメであり、YMOの『増殖』みたくテクノでサイバーだと思っていた。

実際は、ナウナウな人や街もあればダサダサな人や街もある。初めて下北沢に行ったときと同じ感覚を覚えた。数年ぶりに友人と新宿で飲んだ際、「渋谷ってなんもねえよな」と言っていた。私はそこまで東京かぶれになってはいない。


けれども2か月過ごしただけで酸いも甘いも経験したような気になって、執筆欲(いつまで続くか分からない)が溢れている私もかぶれてきているのかもしれない。それほど東京はエネルギーがある場所であるとは思う。これからも自由に好きなものをインプットして、この場でカスみたいな文でアウトプットしていく所存でぇございまぁす。

渋谷に行くのはまだまだ怖い。


追記
今回の文はいくつか岡崎京子の『トーキョーガールズブラボー』から引用しています。名著なので皆さん読みましょう。

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