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アイスクリームにうってつけの日


まえがき

東京事変の男性陣が歌う、『アイスクリームの歌』を聴いたことはあるだろうか。浮雲、刄田さん、伊澤さん、亀田師匠が椎名林檎にイヤイヤ歌わされているような脱力感が良い。しれっと2番のサビで浮雲がいい声で歌ったり、自分のパートを忘れる亀田師匠の姿は一見の価値あり。


本文

今年もナツいアツがやってきた。まだ梅雨が開けていないのに酷暑が確定しているような予感がする。サザンが「暑すぎる」という理由で夏フェスを卒業するという事態になっている。『真夏の果実』を聴けない夏は果たして夏と言えるのか?まあ、私は夏フェスに行ったこともなけりゃ、サザンのライブにも行ったこともない。


暑い日に食べたくなるモノといったらアイスクリーム。5、6月はアイスクリームに関する話題が多かったように思う。


まず一つはBaskin Robins(31アイスクリーム)で、頭の悪そうなキャンペーンをやっていたことだ。そういうバカは嫌いじゃない。トリプルポップにアイスクリームを最大10個まで増やすことができるという。しかも一個100円で。魅力的な響きではあったが、胃腸が弱いということと、年々縮小しつつある胃袋のキャパシティに耐えられないと思い、今回は見送らせていただいた。

サーティーワン・アイスクリームと言うと、村上春樹の『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』の中で、主人公が図書館で働く女の子のためにアイスクリームを買いに行く場面がとても印象的だった。そのときのフレーバーは、「コーンのベースのタブル、下がピスタチオで上がコーヒーラム」だった。現在は両方とも販売していないそうである。残念。



もう一つのオレ的アイスクリーム速報は、ナウでヤングでイケてるボーイズアンドガールはみんな読んでいる、『BRUTUS』でアイスクリームの特集が組まれたことである。

BRUTUSは最近なかなかオツな特集を組んでくれる。短歌・詩・俳句・歌詞の特集やジャズについての特集といったように私の琴線に触れるような話題が多い。装丁も気に入っている。これは本当に個人的な嗜好でしかないが、『P●PYE』よりBRUTUS派である。



そんな魅惑的な特集の中で、幡ヶ谷のkasikiというお店が取り上げられていた。何やら旬のフルーツにハーブやスパイスを組み合わせたアイスを、日毎に変わるワインで楽しむことができるというのだ。なかなかにオツじゃあないかと感じた、最近暑くなってきたことだし、ちょっくら行ってみるかと思ったが、明治のスーパーカップが好物で、ワインは赤玉しか飲まない私が、繊細なアイスクリームとおしゃれなナチュラルワインを嗜むことができるのか?まあ、ものは試しだということで、行ってみることに。



雨がしとしとと降り、ジメジメした昼下がりに、幡ヶ谷駅に着いた。新宿からすぐだというのに、都会の喧騒から外れ、情緒あふれる街だ。(個人的な感想)。駅から、7分ほど歩いた場所にそのお店はある。でっかいスプーンと可愛らしいロゴが目印だ。




入ってメニューを見せてもらったが、最初は何がなんだかさっぱりわからなかった。見たこともないようなアイスのラインナップに思考が止まりかけた。勇気を振り絞っておすすめを聞き、注文した。「お飲み物はどうされますか?」と聞かれた。アイスとワインを楽しむオシャレボーイを目指すため、ここはナチュラルワイン一択。のはずだったが、あの二文字が頭をよぎる。

労働

翌日私は出勤なのであった。働く日の前日にはお酒を飲まないというのが私のモットーである。そんなことじゃあ社会人やっていけないぞと思われるかもしれないが、これが今の自分のコンディションの最大値なので許してほしい。今後変わるかもしれないし。というわけでアイスコーヒーを頼んだ。



座って待っていると運ばれてきたのがコチラ。


頼んだアイスは上が「ルバーブ山椒」、下が「新生姜とスパイス」である。自分で頼んでおいてあれだが、「何だこの偏差値の高そうな食べ物は」というのが率直な感想だった。アイスコーヒーがワイングラスで提供されることなんか生まれてこの方無かった。しかしここで恐れていてはアイスが溶けてしまうので実食。


ルバーブ山椒:食べた瞬間に甘い、酸っぱい、ルバーブって何だ?という感覚が口の中に広がる。食べたことのないものを食べるとジャングルで新種の動物を発見したような嬉しさがある。なんかよくわかんないけど美味しいから次の一口を食べる。というループにハマっていく。


新生姜とスパイス:こっちの味には馴染?があった。ジンジャーエールだ。しかも、クラブとか小さなライブハウスで出てくる辛めのジンジャーエールの味だ。ルバーブ山椒に比べて一口のインパクトが強いため、ガツンと脳を揺さぶるような美味しさがある。


アイスコーヒー:侮っていてすいませんでした。めちゃくちゃフルーティーでハーブやスパイスが使われたアイスとの相性が非常に良い。



大満足だった。次回来た時はワインを飲みたい。アイスクリームを食べるためだけに休日を費やすという未知の経験ができた。店を出ると街がなんだかキラキラしているように見えた。クソ暑いけど。帰りにレコード屋に寄ろうと思ったが、生憎定休日だった。まあ仕方ない。今日はアイスクリームを食べることが目的なのだから。



あとがき
暑すぎるので、まだまだ作成中ですが2024年夏のプレイリストを共有しておきます。渋谷系が多めです。暑さにはお気をつけくださいませ。アイスクリームでも食べて。

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