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My Favorite 5 Songs


この数日間でびっくりするぐらい涼しくなった。日中照り付ける太陽はまだまだギラギラとしているが、早朝や夕暮れの風が秋を感じさせる。犬の散歩もだいぶ快適になってくる。


話は変わるが、最近とある5曲をリピートして聴いている。日々古今東西のアルバムを堪能しているが、この5曲だけは確実に一週間で20回以上聞いている。ジャンルもリズムも全く違うのになぜか耳から離れない。なんか言葉にしなきゃいけないと思ったので書く。

Dos Monos「Theater D (encore)」(2023)

最近巷で認知度を上昇させている(と思われる)ヒップホップトリオ、Dos Monos。ハマったのは浪人期だったはず。振り返ると浪人期は音楽めちゃくちゃ聴いていた。


彼らの曲は、パンクな見た目とは裏腹に、リリックは詩のようで論理的になっている。言葉は難しいが文系と理系の両方の良さを感じる。それでいてヒップホップの文脈を忘れさせないようなサウンドが心地よい。


このTheater Dという曲は「劇場D」という楽曲のリメイク(どちらかというとリプロダクト)である。元の劇場Dは1stアルバム『Dos City』(2019)の一曲目を飾った曲であり、彼らにとって思い入れの強い楽曲であるそうだ。

「もっと王権神授説的なものではない、個々人のための〈社会契約=ロック〉を音楽として表現したくなった。そもそも僕と飯塚(TaiTan)と没は中高時代にロックバンドをやっていたのだが、改めて「ロックがやりたい」と素朴に思った。放蕩息子のロック帰還である。第二期から、Dos Monosはヒップホップクルーを経て、ロックバンドになる(戻る)。」

荘子itのコメント


オレ、バカだから詳しくはわかんねえけど、Dos Monosの大きな転換点の象徴にふさわしい曲だと言える。あんまり他の曲では聴かない、ディストーションがかかったギターのサウンドと流れるようなフロウは聴いていて最高。


好きなリリックは「流れる様 like 美空ひばり」だ。なんとなく耳に残る。「言葉遊び」としてのカラクリにある種のロジックを感じるところも好きだ。

Betcover!!「異星人」(2023)

今年の3月頃にBetcover!!のライブに行った。圧巻だった。柳瀬二郎の凄さを言葉で言い表すことができない。一緒に行った友達も「ワァ…」としか言えず、カスのちいかわのような感想しか言えなかった。


そんなBetcover!!の最新アルバム「卵」の一曲目であるこの曲は、どこか歌謡曲を思い出させるサウンドと浮遊感漂う歌詞がベストマッチしている。昼寝を終えた後、犬の散歩に出かけるときによく聴くが、感覚としてはサウナ入った後の「整った」状態に似ている。


心がぼんやりとしてくる。


「過ぎた日を悔いる朝 無茶苦茶な船は 冷たい海を飲みほすの」


なんて良い歌詞でしょう。

大貫妙子「くすりをたくさん」(1977)

最近LPが流行っているらしい。あるニュースではCDの売り上げをついに上回ったそうだ。私はというと、レコードどころかレコードプレーヤーの針すら持っていない。


ただし、最初に買おうと決めているアルバムがある。それが大貫妙子の「SUNSHOWER」(1977)である。初めてこのアルバムを聴いたときの感動は今でも忘れられない。自分がこれまであまり触れてこなかった音楽のジャンルでもあり、その鮮烈さで立ち眩みを起こしそうになった。イヤホンをしてニヤニヤしながら聞くのもそれはそれでよいかもしれないが、やはりこれはLPで聴きたい。


「SUNSHOWER」の中には言わずと知れた「都会」という名曲が収録されており、田舎暮らしの私でも、見たことのない幻想の都会に思いを馳せてしまう。


ただ最近聴いている曲で「くすりをたくさん」を選んだのはちょいと訳がある。とあるクラブ?パーティー?に行った際に、なんとこの曲をサンプリングしていたDJがいた。まさか大貫妙子をDJで聴くとは思っておらず、その日からあの跳ねるようなリズムと歌詞が頭から離れず、つい口ずさんでしまう。


歌詞は医療制度への批判に見えるけど、実際はどうなんだろうか。

Lamp「明日になれば僕は」(2004)

2年ぐらい前からLampというバンドの曲を聴くようになった。きっかけはYouTubeのアルゴリズムで突然出てきたからだ。それもそのはず、近年Lampは世界中で爆発的な人気を博しており、Spotifyの月間リスナー数が坂本龍一やNujabesを抑えているらしい。実際聴いてみると、フォークソングというかボサノバというか優しいサウンドがどうにも心地よい。


そんな勢いに乗っているLampが今年新アルバムを出すということで、私も再度色々な曲を貪っている。その中でやはり自分が一番好きな曲は「明日になれば僕は」ということに気づいた。


ポップな曲調とは裏腹にAメロとBメロは夏を回顧する悲しげな歌詞が並ぶ。サビではこれから来る冬へのわびしさが綴られている。しかし、そこには悲しさや寂しさだけでなく、肯定的な雰囲気も感じる。一種の諦めかもしれない。

時期も今聞くのが最適である。全人類聴きなさい。

上原ひろみ、馬場智章、石若駿「N.E.W.」(2023)

今年の3月に映画「BLUE GIANT」を観た。この映画を観た日は就活の面接があった。しかし上手く喋ることができず、気分が相当落ち込んでいた。気晴らしにこの映画を観たのだが、圧巻だった。映画館から家までどのように帰ったか覚えていない。


覚えているのは、余韻をずっと味わっていたいと思い、電車の中でサントラをずっと聴いていたということだ。


ネタバレになるのであまり言いたくはないが、劇中のターニングポイントとなるところで「N.E.W」という曲が出てくる。この曲の完成度に文句はつけられない。というかそもそも、楽曲担当が上原ひろみ、馬場智章、石若駿という錚々たるメンバーのため、あらを探すのすらおこがましい。作中の曲で一番好きだという人も少なくないのではなかろうか。


最近になってまた聴く機会があった、それはYouTubeのショート動画であった。大抵のショート動画では流行りの曲が擦られており、うんざりする程同じ曲を聴く羽目になる。最悪だったのは、飲食系の動画に「ちゅ。多様性」が流れたときである。道徳習ってないのか。


ただとある料理動画で小刻みな動きと楽曲をマッチさせてテンポよく動画が流れていた。そこで聞いた曲こそが、「N.E.W」であった。まさかこんなところで出会えるとは。


それからはまた狂ったように聴いている。いつ聴いてもいい曲だ。



以上、最近聴いている5曲でした。今年は映画だけではなく、音楽も豊作なのでまた気になるものがあったら書くかも。

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