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【感想】第6回 べあー杯 振り返り(チーム戦編)

 こんにちは、運営スタッフとして筐体周辺をうろちょろさせていただいた、ガクエンサイの服を着ている男のT2-Kです。IIDXの大会なのに空気の読めない格好ですみません….
 早速ですがBPLの登竜門的大会としてすっかり定着した第6回 べあー杯の試合の感想について語っていきます。こちらの記事ではチーム戦の振り返りをしていきたいと思います。長文になってしまいますが、お付き合いいただければと思います。

第6回べあー杯 出場者紹介

第6回 べあー杯 について(べあーさんのnote)

【感想】第6回 べあー杯 振り返り(タッグバトル編)

Day1:チーム戦

beatmania IIDX 大会 第6回 べあー杯 チーム戦 in 神奈川レジャーランド厚木店

 今回は第1回以来となるドラフト制によるチーム戦となりました。チームリーダー・ドラフト候補者ともに単発力が高いメンバーが揃っている印象でしたが、出来上がったチームはどこも不思議とバランスがいいものになっていました。振り返ってみると、各チームともドラフト戦略が非常に上手いと改めて感じます。
 そうなってくると優勝予想が本当に難しいなと感じましたが、個人的にはトリッキーなジャンルと高難易度の両方にバランスよく対応できるPICO Lab.が一枚上手かと思っていました。

beatmania IIDX 大会 第6回 べあー杯 ドラフト会議・出場者発表・試合テーマ・組合せ抽選


Aブロック

第1試合
開脚=ゴリラ×コンプレックス÷フェティシズム vs ウルトラ扇風機

 初戦はHERMIT選手率いるチーム開脚 vs RKS-32選手率いるウルトラ扇風機となりました。開幕戦らしくジャンルが落ち着いたものとなっていますが、初戦を飾るのに非常に良い熱戦になったと思います。

先鋒 -NOTES-
GOLUSI vs TIHAYA

選曲
GOLUSI:Heavenly Sun (IIDX VERSION)
TIHAYA:GRADIUS 2012
試合結果:DRAW

 初戦を飾るのは中速乱打を得意とするGOLUSI選手と、中高速譜面の精度力が光るTIHAYA選手の対決となりました。
 GOLUSI選手が選んだのはリズムキープ力が問われるHeavenly Sun (IIDX VERSION)GOLUSI選手の得意分野ともあり、大きく崩れることのない終始安定感のあるプレーでMAX-21のパーフェクトで勝利となりました(TIHAYA選手も自己ベスト+4と非常にいいプレーでした)。
 TIHAYA選手が選んだのは高速乱打・階段・チャージ・スクラッチのスキルがバランスよく必要なGRADIUS 2012。Heavenly Sunと比べてBPMが上がったためか、お互いFASTに寄り気味となっていましたが、いち早く判定を掴んだTIHAYA選手が18点差で勝利となり、開幕戦は引き分けとなりました。

中堅 -CHORD-
REO vs ENMT!!

選曲
REO:Make Me Your Own
ENMT!!:月雪に舞う華のように
試合結果:REO WIN!!

 チーム開脚からはREO選手が登場、対するウルトラ扇風機からはENMT!!選手の出場となりました。ENMT!!選手が得意とする癖譜面はREO選手も相応に得意としているため、どのようなアプローチで勝負を仕掛けるか注目でした。
 REO選手は脱法スクラッチと縦連が目立つMake Me Your Ownを選択しました。ここでREO選手はまさかのS-RANを選択。いくらBPM130とはいえ思い切ったオプション選択ですが、持ち前のガチ押し力で驚異のMAX-36を叩き出して勝利となりました。
 続くENMT!!選手の選曲は細かい24分階段やズレを取るのが難しい月雪に舞う華のように(正規当たりなの知らんかった…)。序盤はENMT!!選手がバチバチに光らせていましたが、中盤の二重階段で点差が一気に縮まるとそこからはシーソーゲームに。抜きつ抜かれつの勝負が続きましたが、最後のズレを光らせたREO選手が前に出て勝利となり、中堅戦はREO選手の2タテとなりました。

副将 -CHARGE-
STRNGI vs ODEN.

選曲
STRNGI:Kailua
ODEN.:S!ck (Nhato Remix)
試合結果:DRAW

 中速に強みを持つSTRNGI選手と、高速に強みを持つODEN.選手の対決となりました。互いに一芸を隠し持っているタイプのプレーヤーのため、どういう選曲をしてくるか予想ができませんでした。
 STRNGI選手が選択したのはチャージに絡む中速トリルが光らせづらいKailuaです。予習必須の譜面ですが、自選のSTRNGI選手は開幕・中盤・終盤のトリルをほぼ完璧に光らせる華麗なプレーを披露し、全く点差を詰めさせない余裕の勝利となりました。
 対するODEN.選手は中高速の乱打を休憩なく叩き続ける集中力が要るS!ck (Nhato Remix)を選択。自選のODEN.選手はMIRRORを選択しており、徹底して安定感を高めてきたことが伺えました。最後まで点差が大きくつく場面がほとんどなかったものの、終盤の乱打地帯でODEN.選手が少しずつ差をつけて勝利となり、副将戦は引き分けとなりました。

大将 -CHORD-
HERMIT vs RKS-32

選曲
HERMIT:NNRT
RKS-32:Boomy and The Boost
試合結果:DRAW

 両チームのエース対決となりました。力のHERMIT選手と技巧派のRKS-32選手と対照的であるため、非常に観ごたえのある試合になると楽しみにしていました。
 HERMIT選手は高速の二重乱打を休みなく叩き続けるNNRTを選択しました。大会1曲目から激しい譜面となりましたが、点差がほとんどつかない接戦に。最後で点差が一気に縮まったものの、2点差でHERMIT選手が逃げ切りに成功しました。
 RKS-32選手が選んだのは後半に来る怒涛のスクラッチラッシュが難しいBoomy and The Boost。RKS-32選手の代名詞的曲ともあり、発表時に会場が盛り上がったのが感じられました。珍しく(?)お互いがMIRROR譜面を選んでおり、前半の鍵盤地帯はHERMIT選手が先行していましたが、終盤のスクラッチで一気にRKS-32選手が捲り上げて勝利となり、大将戦は引き分けで幕を閉じました。

 結果として中堅戦のREO選手の2タテが有効打となり、11-7でチーム開脚の勝利となりました。とはいえどの選手も十分に温まっていることが感じられ、今回のべあー杯もハイレベルな戦いが続くことが確信できました。

第2試合
ウルトラ扇風機 vs Really Lo部

 ジャンルが先鋒戦から副将戦まで3回連続SCRATCHという凄まじい偏りっぷりの試合です(誰のせいでしょうか)。とはいえ両チームともスクラッチを得意としている選手が揃っており、どちらが勝ってもおかしくないアツイ戦いとなりました。

先鋒 -SCRATCH-
TIHAYA vs KT4ER1

選曲
TIHAYA:SPEED DEMON
KT4ER1:bass 2 bass
試合結果:DRAW

 中高速が主戦場のTIHAYA選手と、ガチ押し力に自信のあるKT4ER1選手の対決となりました。両選手ともスクラッチのイメージはなかったので、どんな曲を選ぶのか想像ができなかったです。
 TIHAYA選手が選んだのは細かい階段や縦連に加え、中盤のBSSがとにかくトリッキーなSPEED DEMON。開幕のスクラッチはKT4ER1選手が先行していましたが、乱打とBSSでジワジワとTIHAYA選手が差をつけていき、最後は2点差で逃げ切りを決めました。
 KT4ER1選手が選んだのはReally Loveラップ合わせの中速スクラッチが難しいbass 2 bass。序盤のスクラッチからKT4ER1選手の精度力が光りまくっており、一歩も寄せ付けないまま余裕で勝利となり、先鋒戦は引き分けとなりました。

中堅 -SCRATCH-
RKS-32 vs DIVVV.

選曲
RKS-32:HEARTACHE
DIVVV.:オレはビートマニア!お前は何マニア?
試合結果:RKS-32 WIN!!

 スクラッチを得意とするRKS-32選手にとって絶対的なフィールドであるLv10 SCRATCHというジャンルにおいて、DIVVV.選手がどうやって勝負を仕掛けるかが注目でした。
 RKS-32選手が選択したのは得意の規則スクラッチ力を存分に活かせるHEARTACHE。RKS-32選手はMIRRORで完璧に仕上げてきており、終盤のMSSまでGREAT 9個、最終的にMAX-15と驚異的なスコアを叩き出して勝利となりました(リザルトを見たDIVVV.選手も思わず笑ってしまっていたようです)。
 DIVVV.選手が選んだのは、Really Love細かい24分鍵盤に加え長いスクラッチ地帯が特徴のオレはビートマニア!お前は何マニア?でした。RKS-32選手はR-RAN、DIVVV.選手はRANDOMとオプションが分かれましたが、お互い似たような譜面になったように見えました。ここで魅せたのはRKS-32選手。24分鍵盤もスクラッチも安定して光らせ続け、8点差で勝利となり、中堅戦はRKS-32選手の2タテとなりました。

副将 -SCRATCH-
ODEN. vs KEEL

選曲
ODEN.:Swarm Of Scarabs
KEEL:Bounce Bounce Bounce
試合結果:KEEL WIN!!

 Lv11 SCRATCHはKEEL選手のメインフィールドであり、ODEN.選手はどう攻略するのか悩みどころだったと思います。
 そんな中ODEN.選手が選択したのは実質BPM220の8分同時押し+スクラッチの精度力が問われるSwarm Of Scarabs。両者2P側ながらODEN.選手は正規、KEEL選手はMIRRORと分かれましたが、とにかく点差がつかない超接戦に。最後はわずかなミスの差でKEEL選手が勝利となりました(勝ったかわからなくなるKEEL選手のリアクションが面白かったです)。
 勢いに乗るKEEL選手が選んだのはズレた鍵盤にハネたリズムのスクラッチと、精度を取ることが非常に困難なBounce Bounce Bounce。KEEL選手は正規で仕上げてきており、序盤からとんでもない精度力を発揮してMAX-を一発で叩き出して勝利となりました(ODEN.選手はRANDOMに嫌われたのも厳しかったですが、KEEL選手が強すぎました)。副将戦はKEEL選手の2タテとなったことで、Really Lo部が点差を上回りました。

大将 -NOTES-
ENMT!! vs NAGACH

選曲
ENMT!!:IX
NAGACH:SOLID STATE SQUAD -RISEN RELIC REMIX-
試合結果:DRAW

 重い物量譜面を得意とするENMT!!選手と、技巧派譜面の精度力が高いNAGACH選手と対照的な2人の戦いとなりました。
 ENMT!!選手が選択したのはXスクラッチ複合のトリルに高速二重階段が難しい重物量譜面のIX。両者RANDOMですが、配置はまさかの逆割れでトリルがスクラッチ側に偏るトンデモないものに(大会のランダムはハズレがち)。とはいえ物量譜面の地力と運指の差でENMT!!選手が余裕の勝利となりました。
 NAGACH選手が選択したのは、トリルと階段が休みなく降り注ぐSOLID STATE SQUAD -RISEN RELIC REMIX-NAGACH選手は隠し玉ともいえるこの武器を正規で仕上げてきており、ここでまさかの自己ベストを更新して勝利(本番で自己ベストを叩き出す男NAGACH)して、大将戦は引き分けとなりました。

 大将戦が引き分けとなったことにより、8-10でReally Lo部の勝利となりました。どの選手も見せ場を作っていたウルトラ扇風機がここで敗退となったのは非常に惜しいですが、それだけレベルの高い戦いが行われたということだと思います。

第3試合
Really Lo部 vs 開脚=ゴリラ×コンプレックス÷フェティシズム

 第2試合では悲惨極まりないジャンルが並びましたが、こちらもまた4試合中3試合がSOF-LANというとんでもない偏りになっています(なんで?)。各選手の選曲に個性が見えて面白いのですが、選手としてはこれほどやりづらいジャンルはないと思います。

先鋒 -SOF-LAN-
KT4ER1 vs GOLUSI

選曲
KT4ER1:2hot2eat
GOLUSI:empathy
試合結果:DRAW

 ソフラン譜面を得意とするKT4ER1選手が選んだのは複雑なリズムに加え、隙間のない急加速への対応力が問われる2hot2eat。ソフランを抜きにしても難しい譜面ですが、両者とも序盤からしっかりと光らせてきました。GOLUSI選手は中盤のブレイクで皿チョン、KT4ER1選手はギアチェンなしと対策が分かれましたが、自選のKT4ER1選手がMAX-73で勝利となりました。
 GOLUSI選手が選んだのは中盤の減速地帯の精度と、加速後の偏った配置への攻略が問われるempathy。ランダムは少々ハズレ気味でしたが、お互いギアチェンは完璧に対応しました。序盤からGOLUSI選手がリードしていましたが、その差を徐々に突き放していき、最後はMAX-31と高得点を叩き出して勝利となりました(体全体でリズムを取って対応するGOLUSI選手のプレー、めっちゃカメラ映えしますね)。お互いの武器をぶつけ合った結果、先鋒戦は引き分けとなりました。

中堅 -SOF-LAN-
NAGACH vs HERMIT

選曲
NAGACH:Agnus Dei
HERMIT:Agnus Dei
試合結果:DRAW

 この試合はBPLでも指摘されていた通りそもそも課題曲が4曲しかありません。加えてNAGACH選手、HERMIT選手ともにソフランのイメージが強くないため、ともにソフラン要素の薄いAgnus Deiを選ぶことはある意味想像通りと言えるかもしれません。
 1回目のAgnus DeiではNAGACH選手は正規、HERMIT選手はRANDOMとオプションが分かれましたが、中盤の隣接トリルラッシュでNAGACH選手が前に出ると、点差を保ったままMAX-18、自己ベスト-1を叩き出して勝利となりました(解説陣もびっくり)。
 2回目のAgnus Deiもオプションは同じとなりましたが、HERMIT選手のRANDOMが1回目より当たっておりほとんどGREATが出ないとんでもないことになりました。結果、HERMIT選手はMAX-8を叩き出して勝利となりました(でも自己ベスト-3らしいです???)。
 NAGACH選手はMAX-18で同点、そして2回の合計スコアも同点というちょっとした奇跡もあった中堅戦は引き分けとなりました。

副将 -NOTES-
KEEL vs STRNGI

選曲
KEEL:B4U(BEMANI FOR YOU MIX)
STRNGI:Sun Field
試合結果:DRAW

 親子対決この試合唯一のまともなジャンルであるNOTESは、比較的得意フィールドが近い2人の対決となりました(どちらもジャンル問わず強いですが)。
 KEEL選手はLv11屈指の集中力が問われる物量譜面のB4U(BEMANI FOR YOU MIX)を選択してきました。お互いMIRRORを選択していますが、中盤までほぼ点差がつかない接戦となりました。ですがジワジワとSTRNGI選手が差をつけていき、大台の3500を越して勝利となりました。
 勢いにのるSTRNGI選手が選択したのは得意の中速均等乱打譜面のSun Field。精度曲ともありほとんど差がつく場面はありませんでしたが、少しだけ差をつけていたKEEL選手がわずか3点のリードを守り切って勝利となり、副将戦はクロスカウンターとなりました。

大将 -SOF-LAN-
DIVVV. vs REO

選曲
DIVVV.:桜
REO:冥
試合結果:REO WIN!!

 大将SOF-LANともあり、解説席が異常に熱を帯びていました(ソフランダァァァァァ!!!FAXXカナァ!!?)。曲者譜面や高密度鍵盤が混じる中、お互いが選んだ曲は…
 DIVVV.選手が選択したのは激しいソフランに縦連ラッシュが厳しい桜。ガチ押し力に自信のある両者はもちろんS-RANを選択。ですがやはり開幕の高密度からREO選手が上手かった…ものの中盤の低速地帯で逆転。まさかこの曲で心臓勝負になるとは…と思いましたが、後半のガチ押し地帯でREO選手が捲り上げて勝利となりました。
 REO選手はIIDX界のカリスマ的ボス曲である冥を選択(この曲のテーマは…と読み上げた時点で笑ってしまいました)。令和の大会とは思えない古い曲での対決となりましたが、流石は物量譜面に自信のあるREO選手。RANDOMが外れていなかったこともあってとにかく前半から飛ばしまくり。低速地帯は大胆にスクラッチを全無視してもなお高い精度力でどんどん差をつけていき、3500点を乗せての勝利となりました。

 REO選手の2タテにより、8-12でチーム開脚の勝利、Aブロック1位となりました。Really Lo部はこの試合では負けたものの、Aブロック2位で準決勝進出を決めました。

Bブロック

第1試合
First Experience vs PICO Lab.

 Bブロックでは中堅戦でLv11、副将戦でLv12が選べるようになり、高難易度の比重が高まってきます。両チームともLv12を得意としている選手をしっかりと揃えているので、本番力が出せたほうが勝ちになるだろうと思いました。

先鋒 -CHORD-
OMEGA vs PICO

選曲
OMEGA:50th Memorial Songs -Flagship medley-
PICO:Euphoric Lagoon
試合結果:PICO WIN!!

 単発と癖譜面に特化した選手の対決となりました。ジャンルはCHORDですが…当然キワモノ譜面が選ばれることになりました。
 OMEGA選手は脱法CHORDのソフラン曲である50th Memorial Songs -Flagship medley-を選択してきました。SOF-LAN曲を得意とするOMEGA選手らしい選曲ですが、PICO選手は対策済みなのか正規譜面を選択。当然お互いギアチェンを完璧にこなしていきますが、細かいズレを正規でも光らせたPICO選手が勝利となりました。
 続くPICO選手はズレ鍵盤と高速トリルが光らせにくいEuphoric Lagoonを選択。お互い正規譜面を選択していますがズレまみれで決して光らせやすい譜面ではありません。序盤はほぼ僅差で進んでいきましたが、中盤の高速鍵盤→トリルでリードをとったPICO選手がその差を守り切って勝利となり、先鋒戦はPICO選手の2タテとなりました(でもOMEGA選手は自己ベスト+9点と好プレーでした!)。

中堅 -NOTES-
HAL vs EGPT

選曲
HAL:G2
EGPT:DREAM OF SPACE UFO ABDUCTION
試合結果:DRAW

 HAL選手は持ち前の片手トリル力が存分に活かせるリーサルウェポンのG2を選択。お互い固定(HAL選手はMIRROR、EGPT選手は正規)オプションを選択しましたが、練りに練られた運指から繰り出されるHAL選手の安定感は本当に隙が無く、中盤点差が詰まったものの後半で一気に突き放して勝利となりました。
 ところが後攻のEGPT選手のターンが回ってくると、それまで普通にプレーしていたHAL選手の様子が一変。筐体の前に急に座り込んでしまい、そのまま倒れてしまいました。もちろんプレーの続行は不可能となり、協議の結果両チーム引き分け互いにポイントを取り合う形をとることとなりました。

副将 -CHORD-
#MIYA vs LUGH

選曲
#MIYA:eRAseRmOToRpHAntOM
LUGH:PLASMA SOUL NIGHT feat. Nana Takahashi / 709sec.
試合結果:LUGH WIN!!

 Bブロックは副将戦からLv12が選べるようになっており、早くもいやらしく重い譜面が飛び交う展開となりました。
 #MIYA選手が選択したのはソフランに加えてしつこいほど長いトリルがいやらしいeRAseRmOToRpHAntOMです。鍵盤力に優れた両者はS-RANを選択。序盤の低速地帯はわずかに#MIYA選手が上回っていましたが、徐々にLUGH選手が追い上げてきて捲り上げ、逆転勝利を飾りました
 LUGH選手は得意の物量譜面であるPLASMA SOUL NIGHT feat. Nana Takahashi / 709sec.を選択(発音も字もキレイ)。物量型の選手同士の対決ともあり点差が均衡していましたが、少しずつ先行していたLUGH選手がじわじわと点差を広げていき、あわや4400点の好スコアで勝利となり、副将戦はLUGH選手の2タテとなりました。

大将 -PEAK-
Y#KIRI vs HITA*

選曲
Y#KIRI:THE PEERLESS UNDER HEAVEN
HITA*:oratio
試合結果:HITA* WIN!!

 Y#KIRI選手は高密度の鍵盤とスクラッチの複合を正確に捌くのが非常に難しいTHE PEERLESS UNDER HEAVENを選んできました。スクラッチを苦手とするHITA*選手を追い詰める意図が見えましたが、ランダムがかなり厳しい配置でスクラッチが取りづらい配置になったことで点差が大きくつかず、結果最後のスクラッチ複合で優位に立ったHITA*選手が7点差を制して勝利となりました。
 続くHITA*選手は長い軸がらみの中速乱打を捌く集中力が必要なoratioを選択。得意の中速乱打を切ってきたHITA*選手が圧巻の精度を発揮していき、最初に作ったリードをどんどん広げる展開に。最終的には自己ベスト-1の安定感抜群スコアを叩き出して勝利、大将戦はHITA*選手の2タテとなりました。

 結果、驚異的な本番力を発揮し続けたPICO Labが2-16で勝利となりました。メンバー全員がムチャクチャな強さを発揮したこともあり、かなり勢いづいていることが伺えました。一方のFirst Experienceはリーダーのダウンも相まって厳しい展開となりましたが、決して悪い結果ではなかったので次の試合でもまだ猛威を振るえるだろうと思いました。

第2試合
PICO Lab. vs Melody Life 復活キボンヌ

 第1試合でとんでもない強さを発揮したPICO Lab.を迎え撃つのはPAYA選手率いるMelody Life 復活キボンヌ。お互い単発系と癖譜面に強みがあるため、キワモノを投げ合ってぶつかり合う戦いを予想していました。

先鋒 -CHARGE-
HITA* vs INARI

選曲
HITA*:OUTER PLANETS
INARI:ラストセンチュリーメランコリック
試合結果:HITA* WIN!!

 キワモノ譜面に強いHITA*選手ですが、今回は意外にも(?)おとなしい選曲をしてきました。選んだのは得意の中速譜面であるOUTER PLANETS。HITA*選手はR-RAN、INARI選手はRANDOMを選択したものの、お互い譜面はあまり当たっていないものになりました。ですが自選のHITA*選手が序盤につけたリードを保ったまま快勝。全く点差を詰めさせない見事なプレーでした。
 続くINARI選手はスクラッチ複合に難易度不相応なチャージ絡みを捌く必要があるラストセンチュリーメランコリックを選択。序盤はHITA*選手が先行していましたが、序盤のスクラッチ地帯でINARI選手が逆転。そのままラストのチャージノート地帯に入ったかと思いきや、ここでまさかのHITA*選手が2点差で逆転に成功。自己ベスト+5点を叩き出して2タテとなりました。

中堅 -PEAK-
EGPT vs RAITO.

選曲
EGPT:Broadbanded
RAITO.:Beast mode
試合結果:DRAW

 べあー杯お馴染みの両名の対決です(NORIさんが解説で触れていますが、やっぱりこのお2人、マスクをつけていると見た目が似ているんですよね…)。一発スコアの安定性に自信を持つ両者ですが、得意フィールドが異なっているのでどういう対決になるかとても楽しみでした。
 EGPT選手は得意の低速ガチ押し曲のBroadbandedを選択。当然ともにS-RANでガチ押し対決となりましたが、やはり自選のEGPT選手がMAX-31で勝利となりました。
 RAITO.選手はチャージノーツと高速階段が降り注ぐBeast modeを選択。やはりRAITO.選手は正規を選択し、精度が取りにくそうな純正階段・同色階段を綺麗に捌ききって、自己ベスト-3点で勝利となりました(EGPT選手も自己ベストを更新しています)。一発勝負に強い両者の対決は引き分けとなりました。

副将 -PEAK-
LUGH vs PAYA

選曲
LUGH:Mare Nectaris
PAYA:Colorful Cookie
試合結果:DRAW

 高密度鍵盤お化けのLUGH選手を迎え撃つのは、同じく鍵盤力に自信を持つエースPAYA選手です。得意フィールドは類似しているものの、意外な隠し玉を持つPAYA選手の攻め方が気になりました。
 LUGH選手は十八番のMare Nectarisを繰り出してきました(イガイダナー)。ですが今回の譜面は3バスでかなりハズレ譜面となりました。それでもLUGH選手はしっかりと取っていき、あわや3700点と非常に高い水準のスコアを叩き出して勝利となりました。なんであの配置でそこまでスコア出せるんですかね…不思議だ。
 PAYA選手は軸に繰り返し配置、交互押しと癖の付きやすいことでお馴染みのColorful Cookieを選択しました(本当に意外でした)。PAYA選手は正規で磨き上げてきており、難所をしっかりと光らせてMAX-61で勝利となり、副将戦は引き分けとなりました。

大将 -SCRATCH-
PICO vs G*GURA

選曲
PICO:焱影
G*GURA:Don't believe the hype
試合結果:PICO WIN!!

 両チームともスクラッチを得意とする選手が登場となりました。両選手ともに単発力が高い選手ですが、スクラッチ譜面となると重い譜面でも軽々と捌いてしまうという不思議なスキルを持っています(羨ましい…)。
 PICO選手はゲストDJのRoughsketchさんをリスペクトしてか、ガチ押し鍵盤に絡む不規則スクラッチが難しい焱影を選択。二重階段や二重トリルを意識してか、PICO選手はR-RAN、G*GURA選手は正規を選択してきました。試合は序盤G*GURA選手が先行したものの、中盤の24分スクラッチでPICO選手が捲り上げ、そのまま逃げ切りに成功しました。
 G*GURA選手は高速スクラッチに絡む鍵盤処理が忙しいDon't believe the hypeを選択。両者MIRRORを選択して真っ向勝負となりましたが、序盤から判定を掴んだPICO選手が先行する形に。そして中盤でPICO選手がまさかの左手で右側にあるスクラッチを取る謎プレーを披露(まさかのHAND-TRIPです)しつつ、リードを詰められることなく2タテとなりました。

 試合の結果、驚異的な本番力を見せつけたPICO lab.が13-5で勝利となり、準決勝進出が確定しました。とはいえ固定オプションで安定感の高いプレーをみせたMelody Life復活キボンヌもかなり強く、運命の第3試合が楽しみになりました。

第3試合
Melody Life 復活キボンヌ vs First Experience

 この試合はお互いのチームにとって準決勝進出を賭けた大事な戦いとなっており、意地でも負けられないものでした特にFirst ExperienceはHAL選手が欠場となったため、かなり気合が入っているように思えました。

先鋒 -PEAK-
G*GURA vs OMEGA

選曲
G*GURA:avant-guerre
OMEGA:罪と罰
試合結果:DRAW

 先鋒PEAKの課題曲はキワモノ揃いとなっており、選ばれた譜面ももちろんあまり進んでやりたくないようなものとなりました。
 G*GURA選手は不規則リズムに突如発生するソフランへの対応が厄介なavant-guerreを選んできました。階段が主体の譜面ながらG*GURA選手が正規を選んでいることに相当の自信を感じました。お互いに細かいズレを丁寧に処理し続けてきましたが、終盤の低速地帯のわずかな隙でG*GURA選手が皿チョン、そして加速後のわずかな隙で皿チョンに成功し、1920点を叩き出して余裕の勝利となりました。あまりにも鮮やかなプレーにOMEGA選手が思わず拍手してしまったのが印象に残りましたね(しれっとフルコンを決めているのも相当うまいですが)。
 OMEGA選手は中盤の長い長い二重交互押しが非常に取りづらい罪と罰を選択。ここでもG*GURA選手がS-RANというびっくりオプションを選んでいますが、一方のOMEGA選手は正規…すなわち中盤の交互押しは研究済みであることがここで伺えました。そしてOMEGA選手は長い交互押しを素早く運指を組み替えてほぼ完璧に処理し、MAX-36を叩き出して勝利となりました。
 お互い一芸披露と言わんばかりにびっくりプレーが飛び交った先鋒戦は引き分けで終わりました。

中堅 -CHARGE-
INARI vs Y#KIRI

選曲
INARI:Energy Drive
Y#KIRI:Scandal
試合結果:INARI WIN!!

 単発系に自信を持つINARI選手と、物量型のY#KIRI選手の戦いとあり、選曲の傾向がかなり分かれたものになりました。
 INARI選手はしつこい繰り返し譜面で光らせ続けるのがしんどいEnergy Driveを選択。同じサイドながらINARI選手は正規、Y#KIRI選手はMIRRORとオプションが分かれましたが、序盤はほとんど点差がつかない接戦に。勝負は後半のCN地帯で細かい精度で差をつけたINARI選手が勝利となりました。
 Y#KIRI選手が選択したのは変拍子にトリル・ズレ階段、ソフランと精度が取りづらい要素の詰め合わせ譜面であるScandal。お互いMIRRORで対策は万全。勝負は後半の高速階段でY#KIRI選手が詰め寄ったものの、トリルでつけた差を最後まで守り切ったINARI選手が逃げ切りに成功し2タテを達成しました。

副将 -SOF-LAN-
PAYA vs #MIYA

選曲
PAYA:Y&Co. is dead or alive
#MIYA:ICARUS
試合結果:PAYA WIN!!

 レベル12でソフランは2度目の組み合わせとなりました。お互い物量系に自信を持つ選手であるゆえに、比較的素直な選曲をしてくると思ったのですが…
 PAYA選手はべあー杯名物のY&Co. is dead or aliveを繰り出してきました。序盤はRANDOMを選んだ#MIYA選手が少し先行する形となりましたが、スクラッチ絡みでPAYA選手が逆転に成功。しかしこの曲の要となるのは中盤のソフラン地帯、何が起こるかわかりません。とはいえ自選のPAYA選手は対策バッチリで、素早くSUDを外して対応。#MIYA選手もギアチェンで対応していましたが、リードを保ったままPAYA選手の勝利となりました。
 #MIYA選手が選択したのは片手トリルにソフラン地帯の精度力が問われるICARUSを選択(レジェンダリアではなくて安心)。同じ1PサイドながらPAYA選手は正規、#MIYA選手はMIRRORとなりましたが、前半からPAYA選手の精度がかなり高く、ソフランもほとんどダメージを受けることなく勝利となりました(#MIYA選手のソフランの対応も上手で、見ごたえたっぷりのかなりハイレベルな戦いでした)。

 大将戦はHAL選手の欠場により無効試合となり、結果14-3でMelody Life復活キボンヌの勝利となり、準決勝進出が確定しました。First Experienceも非常に強力なチームでしたが、大会経験で勝る他2チームのパフォーマンスが非常に優れていたのが強かったです。

準決勝

第1試合
開脚=ゴリラ×コンプレックス÷フェティシズム vs Melody Life 復活キボンヌ

 ここからジャンルがフリーとなり、自選の大切さはもちろん、他選を如何に食いきれるかの重要性が増してきました。
 組み合わせを見ると両チームとも得意フィールドが近い選手が揃うこととなったため、本番力をより発揮できたほうが勝ちといわんばかりの対決となりました。

先鋒
GOLUSI vs G*GURA

選曲
GOLUSI:Hyper Drive feat. ぷにぷに電機
G*GURA:Somebody Like You
試合結果:G*GURA WIN!!

 ジャンルフリーの先鋒戦、いきなりお互いの必殺の武器を投げあう展開となりました。大会なので当然ですが、容赦がなさすぎます。
 GOLUSI選手は名曲Hyper Drive feat. ぷにぷに電機を選択してきました。低~中速BPMのガチ押しに自信のあるGOLUSI選手らしい選曲ですが、中盤のズレ配置でG*GURA選手が前に出て、自己ベスト-2点を出して勝利となりました。
 G*GURA選手は不規則なリズムの高速スクラッチを正確に捌くのが難しいSomebody Like Youを繰り出しました。スクラッチを得意とするG*GURA選手はMIRRORで仕上げてきており、高速スクラッチ・縦連・ズレすべてを綺麗に取って勝利となり、先鋒戦はG*GURA選手の2タテとなりました。

中堅
STRNGI vs INARI

選曲
STRNGI:Umbral
INARI:toy boxer
試合結果:STRNGI WIN!!

 中堅戦は両者ともに比較的正統派譜面のぶつけ合いとなりました。プレーヤーにも視聴者にもある意味箸休めになったかもしれません(むしろ精度勝負になるからハラハラする試合だったかもしれないですが)。
 STRNGI選手は得意の低速ガチ押しトリルにチャージノーツが絡む譜面のUmbralを選択。MIRRORを選択したSTRNGI選手が危なげなくトリルを処理するのに対し、INARI選手のRANDOMはかなり厳しい配置に。ただそれを加味しても自己ベスト-3、MAX-24を出したSTRNGI選手の勝利となりました。
 INARI選手は高速8分譜面を2分間集中して捌くスキルが問われるtoy boxerを選びました。先ほどとは逆にINARI選手が正規、STRNGI選手がRANDOMとなりましたが、序盤から安定して光らせ続けたSTRNGI選手がMAX-17を叩き出してしまい2タテとなりました。INARI選手もかなり良いプレーだったのですが、あまりSTRNGI選手が好調過ぎました。

副将
REO vs RAITO.

選曲
REO:Beastie Starter
RAITO.:Never Fade Away
試合結果:RAITO. WIN!!

 両者とも高速譜面を得意としていますが、正統派譜面を好むRAITO.選手と対照的にREO選手は尖った武器を持っているタイプのプレーヤーなので、どういう攻め方をするか楽しみにしていました、が…
 REO選手はセルフストラテジー一発勝負でやりたくない軸・トリルまみれのギャンブル譜面であるBeastie Starterを繰り出しました。プレーサイドは異なるものの両者正規を選択し、非常にヒヤヒヤする戦いとなりました。序盤はREO選手が先行していましたが、初めのトリル地帯でRAITO.選手が逆転。後半はREO選手がわずかに捲り上げたものの、最後のトリルでRAITO.選手が再び逆転に成功。二転三転する忙しい戦いは、自己ベスト-8点を出したRAITO.選手の勝利となりました。
 とんでもない曲を投げたREO選手とは逆に、RAITO.選手は自分のフィールドである高速階段を光らせるスキルが問われるNever Fade Awayを選択。当然RAITO.選手は正規を選択し、RANDOMで偏った配置を引いたREO選手が苦しんでいるのと反対に終始安定して光らせました。そして差を全く詰められることなく3000overを出して勝利となり、副将戦はRAITO.選手の2タテとなりました。

大将
HERMIT vs PAYA

選曲
HERMIT:DIAVOLO
PAYA:聖人の塔
試合結果:PAYA WIN!!

 チーム開脚にとって意地でも負けられない状況、HERMIT選手は自身の代名詞とも言えるDIAVOLOをぶん投げてきました。物量譜面を得意とする両者は度胸坂地帯までほとんど差がつくことがありませんでしたが、階段が崩れずに残った坂配置をしっかりと拾ってAAAを叩き出したPAYA選手がカウンターに成功。あの配置で何故高スコアが出せるのでしょうか。
 PAYA選手が選んだのは速度変化のタイミングでくるトリルの対応が悩ましい聖人の塔。序盤を皿チョンで対応したHERMIT選手とは対照的に、PAYA選手は低速地帯を遅いまま対応。低速のまま突っ込んでいるとは思えないほど高い精度を保ち続け、自己ベスト-4となる3056点を叩き出してフルコンボというムチャクチャなリザルトを出して2タテ達成となりました。

 どの選手も高いパフォーマンスを発揮した試合でしたが、驚異の本番力で4-14と大差をつけてMelody Life 復活キボンヌが勝利となり、決勝進出を決めました。接戦続きではあったものの、実力者揃いのチーム開脚相手に次鋒戦以外すべてで2タテという勝負強さは凄まじいものでした。

第2試合
Realy Lo部 vs PICO Lab.

 物量系よりもテクニカル譜面に自信を持つチームの対決となりました。得意分野が異なる選手同士の対決が続くため、「引き分けが多くなるのでは?」と思いながら対戦を見ていましたが…

先鋒
KT4ER1 vs HITA*

選曲
KT4ER1:HEARTACHE
HITA*:Bahram Attack-猫叉Master Remix-
試合結果:KT4ER1 WIN!!

 KT4ER1選手が選んだのは1回戦でも選ばれたHEARTACHE。KT4ER1選手はスクラッチのイメージが薄いため、かなり意外な選曲となりました。同じ1Pサイドながら正規・MIRRORと分かれていますが、自選のKT4ER1選手は鍵盤・スクラッチともに非常に高い精度で、自己ベスト-9点と安定感を見せて勝利となりました(HITA*選手も自己ベストを更新しており、かなり良いパフォーマンスでした)。
 HITA*選手は得意の中速精度曲であるBahram Attack-猫叉Master Remix-を選択。解説陣が一言も話せない極限の精度勝負となりましたが、少しずつ差をつけたKT4ER1選手がMAX-19で勝利となり、先鋒戦はKT4ER1選手の2タテとなりました。

中堅
DIVVV. vs PICO

選曲
DIVVV.:Scripted Connection⇒ N mix
PICO:灼熱Beach Side Bunny (Masayoshi Iimori Remix)
試合結果:PICO WIN!!

 ともに低難易度帯にかなりの強みを持つ選手同士の対決となりました。解説でも触れられていますが、DIVVV.選手はボルテのアドバイザー、PICO選手はプロプレーヤーのため、ボルテでの対決も見てみたいなと思いました。
 DIVVV.選手が選んだのは中速乱打に混ざる微縦連が非常にいやらしいScripted Connection⇒ N mix。しかしここで大会の悪魔が牙を剥きました。DIVVV.選手が練習中にソフラン曲をプレーしていた影響でハイスピードがとんでもないことになってしまい、まさかの大失点。PICO選手は安定のプレーで勝利となりましたが、かなり手痛いダメージとなってしまいました(今回の譜面は凄まじいハズレだったので、真っ向勝負していた場合結果がどうなったのか本当にわからなかったです)。
 PICO選手は得意のスクラッチスキルをフルに活かせる灼熱Beach Side Bunny (Masayoshi Iimori Remix)を繰り出しました。お互い難所の処理は上手いですが、やはり自選のPICO選手の仕上がり方が凄まじく、MAX-48を出して2タテ達成となりました。

副将
NAGACH vs EGPT

選曲
NAGACH:Modular Technology
EGPT:Usual Days-remix
試合結果:NAGACH WIN!!

 両者とも単発系に自信があるものの、得意ジャンルが異なっているためかなり面白い対戦カードとなりました。
 NAGACH選手は得意のズレ系譜面であるModular Technologyを選びました。序盤のズレ鍵盤からNAGACH選手はアクセル全開となっており、いきなりリードを稼ぐとReally Loveみたいな中盤の不規則スクラッチもしっかり取ってどんどん差を離していき、MAX-86を出して勝利となりました(NAGACH選手の仕上がり具合に、思わずEGPT選手のイヤホンキャップが吹っ飛んでいます)。
 EGPT選手はお馴染みのガチ押し譜面であるUsual Days-remixを選択。お互いS-RANで真っ向勝負となりましたが、なぜかやたら偏った配置になりました。序盤はEGPT選手が先行する形になりましたが、中盤でNAGACH選手が捲り上げるとそのまま逃げ切り、自己ベスト-5点の凄まじい安定感を見せて勝利となりました。勝負強さに定評のある両者の対決は、波に乗るNAGACH選手の2タテとなりました。

大将
KEEL vs LUGH

選曲
KEEL:Snake Stick
LUGH:HAERETICUS
試合結果:DRAW

 大将戦はオールラウンダーKEEL選手と物量お化けのLUGH選手となりました。Really Lo部が有利な状態で隙の少ないKEEL選手相手に、LUGH選手がどこまで食らいつけるか注目でした。
 KEEL選手は不規則スクラッチにズレ鍵盤が難しいSnake Stickを繰り出しました。RANDOMが皿側に偏ったうえ、できる人はとことんできるタイプの譜面であるためか序盤からKEEL選手が大幅リードを稼ぎ切り、全く差を詰めることを許さぬまま勝利となりました。
 LUGH選手は得意の高速ズレ譜面であるHAERETICUSを選択。物量譜面はお互い得意としているフィールドではありますが、自選のLUGH選手が少しずつ差をつけていき、3033点と大台スコアを大幅に超えて勝利となりました。

 大将戦はお互いの自選をぶつけ合って引き分けとなりましたが、チームの結果としてはとんでもない本番強さを見せたReally Lo部が11-7で勝利となり、決勝進出となりました。PICO Lab.もあと一歩のところまで迫っており非常に接戦でしたが、終始勢いづいていたReally Lo部の強さが凄かったです。

決勝
Melody Life 復活キボンヌ vs Really Lo部

 いよいよ決勝戦。両チームとも単発から高難易度まで各所に特化したメンバーが揃っており、この日のパフォーマンスの乗り方もかなり良かったため、どちらが勝つか本当に全くわからないものとなりました。

先鋒
G*GURA vs KT4ER1

選曲
G*GURA:DXY!
KT4ER1:Voltage (feat. Hidemaru)
試合結果:DRAW

 G*GURA選手は繰り返しと長い縦連が恐ろしいDXY!を選択。オプションはともにS-RANとなりましたが、自選のG*GURA選手はガチ押しに自信を持っていた通り密度が濃くなるにつれて大きく点差をつけ、そのまま勝利となりました(さらっとKT4ER1選手はCB1を出しているのも異常なのですが…)。
 KT4ER1選手は代名詞ともいえる連続停止譜面のVoltage (feat. Hidemaru)を選択。KT4ER1選手は第4回べあー杯でも選んでおり、この必殺の武器で全くブレることのない安定性抜群のプレーで勝利を飾ることに成功し、先鋒戦は引き分けとなりました。

次鋒
INARI vs DIVVV.

選曲
INARI:S-Bahn
DIVVV.:凛として咲く花の如く
試合結果:DIVVV. WIN!!

 ここにきて両者とも心臓に悪い選曲をしてきました(そして最後のReally Loveチャンスが終わってしまいました)。
 INARI選手はダークでミニマルなフレーズを繰り返すS-Bahnを選択。ノリノリNORIさん解説席が再び無言になる極限の勝負。客席も張りつめた空気と化していた戦いの結果は、DIVVV.選手が少しずつ差をつけていき勝利となりました。
 DIVVV.選手はこちらも中速乱打の精度を保つ力が問われる凛として咲く花の如くを選択。ほとんど点差がつかない超接戦が続きましたが、最後の最後でDIVVV.選手が逆転に成功。お互いに自己ベスト-1点のハイレベルな戦いとなりましたが、結果DIVVV.選手が勝利して2タテとなりました。

五将
G*GURA vs NAGACH

選曲
G*GURA:SPACE FIGHT
NAGACH:Routing
試合結果:NAGACH WIN!!

 先鋒戦同様、G*GURA選手は2分間ガチ押しで押し切り続ける必要のあるSPACE FIGHTを選んできました。大会とは思えない緩い空気が流れる曲ながら、勝負はわずかにNAGACH選手が先行する展開に。何度も点差が詰まったものの、NAGACH選手はリードを譲ることなく守り切り、4点差で勝利となりました。
 NAGACH選手はお馴染みの得意のズレハネ鍵盤と変則スクラッチが織り交ざったRoutingを選択。G*GURA選手も不規則スクラッチがかなりうまかったものの、NAGACH選手の芸術ともいえる圧倒的なズレ鍵盤の処理はとんでもないもので、大台の2500点を軽く越して勝利となり、五将戦はNAGACH選手の2タテとなりました

中堅
RAITO. vs DIVVV.

選曲
RAITO.:New Decade IIDX Edition
DIVVV.:Temple of Anubis
試合結果:RAITO. WIN!!

RAITO.選手は強みとなる高速譜面のNew Decade IIDX Editionを選択。やはり正規で極めてきたRAITO.選手の安定感はすさまじく、前半はDIVVV.選手とほとんど点差がない接戦でしたが、徐々に差を広げていき3000点を超えて勝利となりました(DIVVV.選手も厳しい配置ながら自己ベスト-5点と大健闘でした)。
DIVVV.選手は本来のフィールドとは少し趣向を変えて、鍵盤精度と中盤のスクラッチ地帯の集中力が問われるTemple of Anubisを選択。RAITO.選手はここでもMIRRORを選んでいる一方、DIVVV.選手はRANDOMがあまり当たっていなくてもブレなく捌き続けてきました。DIVVV.選手リードのまま終盤まで進んできましたが、最後の最後でRAITO.選手が1点捲り上げて勝利となりました(思わず崩れ去るDIVVV.選手…)。同期ズレが生んだ悲劇ともいえる衝撃の名勝負の結果は、RAITO.選手の2タテとなりました。

三将
PAYA vs KEEL

選曲
PAYA:Broken
KEEL:Level One
試合結果:KEEL WIN!!

 お互いのチームリーダーがLv12で対決となりました。両者とも苦手ジャンルが少ないオールラウンダーゆえに、勝負の展開がどうなるか本当に楽しみでした。
PAYA選手は本来のフィールドとは異なる、中速乱打の集中力が必要なBrokenを出してきました。ここにきて心臓勝負を仕掛ける度胸にびっくりですし、譜面は大きく偏るハズレ、そして当然差がつかない接戦に。とはいえ細かい精度の差でKEEL選手が勝利を掴みとりました。
勢いがついたKEEL選手は強みとなるスクラッチに重い鍵盤が絡むLevel Oneを選択。PAYA選手もスクラッチは苦手としてはいないですが、やはりKEEL選手のスクラッチ力は圧巻のものであり、スクラッチが来るたびに大きく差がつく展開に。スコア難譜面でありながら一発でMAX-を出してKEEL選手の2タテとなりました。

副将
RAITO. vs NAGACH

選曲
RAITO.:Visterhv
NAGACH:Aftermath
試合結果:DRAW

 いよいよMelody Life復活キボンヌは負けられない戦いとなりましたが、ここで登場するのは両者べあー杯常連選手。勝負強さは広く知られており、本来のフィールドではないものの壮絶な戦いになることは間違いなかったです。
 RAITO.選手は得意の横に広い高速乱打譜面のVisterhvを選択。RAITO.選手、NAGACH選手ともにスタートダッシュは完璧でしたが、やはり自選のRAITO.選手が少しずつ突き放していき、MAX-58で勝利となりました(でもNAGACH選手は自己ベストを7点更新しています。コワイ)。
 NAGACH選手は変則リズムの階段にチャージノーツの絡みが難しいAftermathを選んできました。両者正規を選択しており、RAITO.選手も得意とするフィールドの譜面での真っ向勝負ながらNAGACH選手はリードを一切譲らず。自己ベストを1点伸ばして勝利となり、副将戦は引き分けとなりました。
 

大将
PAYA vs KEEL

選曲
PAYA:冥
KEEL:真 地獄超特急 -HELL or HELL-
試合結果:DRAW

 Really Lo部優勢の中迎えた決勝戦。Melody Life復活キボンヌは2タテしないといけない厳しい状況ながら、まだ優勝の可能性が残っているためまさに最終決戦となりました。もちろん両チームのチームリーダーが登場し、選りすぐりの武器を投げつけてきました。
 PAYA選手は本日2回目となる最終決戦にふさわしいボス曲の冥を選択。比較的当たり気味の譜面が飛んでくる中、中盤の加速地帯でPAYA選手が大幅リードお互いAAAを一発で叩き出すハイレベルな戦いは、リードを守りきったPAYA選手の勝利となりました。
 Melody Life復活キボンヌがわずかな望みを繋いだ中、KEEL選手は脱法スクラッチが大量の鍵盤とともに降り注ぐ真 地獄超特急 -HELL or HELL-を選択。スクラッチを得意とするKEEL選手必殺の武器にPAYA選手は必死に食らいつくものの、スクラッチが来るたびにKEEL選手が差を広げていき勝利となりました。

 どの選手も強みを発揮して接戦に次ぐ接戦となりましたが、結果10-16でReally Lo部の優勝となりました!Melody Life復活キボンヌをはじめどのチームも非常に強く、ハイレベルな戦いが続いていましたが、最後の最後でどの選手も勝負強さを発揮したReally Lo部は本当に凄かったです。おめでとうございます!

最後に

 大会当日はバタバタしつつも横目でチラチラと勝負を見ていましたが、大会の熱気が非常に伝わってくるものだったと思います。選手の皆様、観客としてお越しいただいた皆様、スタッフの皆様、本当にありがとうございます。べあー杯に感化されてIIDXがやりたくなった人も多かったのではないでしょうか。
 第6回べあー杯はチーム戦だけではありませんDAY2のタッグバトルもすさまじい戦いの連続となりました。こちらも楽しんでいただけたら幸いです。

 長くなりましたが、以上第6回 べあー杯DAY1 チーム戦の感想は終わります。ここまで読んでいただきありがとうございました。

Day1のハイライトはこちら!

beatmania IIDX 大会 第6回 べあー杯 Day1 チーム戦 ハイライト


がんばります