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【感想】第9回 べあー杯 振り返り

 こんにちは、配信のメインカメラを担当していたT2-Kです。メインカメラは常にスタンバイしていないと不意のリアクションが取れないので一瞬たりとも気が抜けないです(t+pazoliteさんのVEGAを追ったときは必死極まりなかったです)。
 早速ですが関東を代表するIIDX非公式大会としてすっかり定着した第9回 べあー杯の試合の感想について語っていきます。長文になってしまいますが、お付き合いいただければと思います。

第9回べあー杯 出場者紹介

第9回 べあー杯 について(べあーさんのnote)


第9回べあー杯 チーム戦

beatmania IIDX 大会 第9回 べあー杯 チーム戦 in 神奈川レジャーランド厚木店

 今回はBPLS4の開催を見据えてドラフトでのチーム戦となりました。強豪ひしめく中選ばれた精鋭で構成されたチームはどれも強烈なものばかりで、文字通りどこが勝つか全く読めないものになったと思いました。

Aブロック

第1試合
キムタク博覧会 vs そり立つ壁

 第9回 べあー杯の開幕戦は強烈な破壊力と隙の無い守備力を持つキムタク博覧会と、ユニークな武器を数多く持つそり立つ壁の対決となりました。大会経験者ばかりが揃う強豪同士の対決、いきなりアクセル全開でぶつかり合います。

1st match -CHORD-
TAKWAN vs I6VV

選曲
TAKWAN:草原の王女 -軌跡を辿って-
I6VV:MAX LOVE
試合結果:DRAW

 初戦からいきなりプロ選手同士の対決となりました。BPLでは実現しなかった対戦カードで、両者ともメインフィールドではないものの抜群に仕上がった姿を見せてくれること間違いなしと思いました。
 TAKWAN選手は得意の終始ズレまくった独特のリズムの鍵盤を叩かせる草原の王女 -軌跡を辿って-を選択。TAKWAN選手はMIRROR、I6VV選手はR-RANと分かれましたが、開幕から同色の折り返しをきっちり捌いたTAKWAN選手が着実にスコアを伸ばしていきリード。終盤でI6VV選手が一気に迫ったものの、前半のリードを活かし切り4点差で逃げ切りに成功となりました。それにしてもこの判定を掴むまでの速さ、プロってすごいです。
 I6VV選手は8分の横に広い同時押しに中盤の裏拍スクラッチ複合が難しいMAX LOVEを選んできました。ここは両者ともMIRRORとなり、立ち上がりもほぼ僅差。ただそれ以降は同期ズレの影響でわかりづらかったですが、大きな失点をせず着実に走り切ったI6VV選手が9点差で勝利となり、1st matchは引き分けとなりました。いきなりハイレベルな戦いとなった第9回べあー杯、今回もスーパープレーが連発しそうです。

2nd match -NOTES-
FLADY vs MORBOL

選曲
FLADY:Summerblue
MORBOL:Central Station
試合結果:DRAW

 2nd matchはズレ系譜面を得意とする選手同士の対決です。が、FLADY選手は高密度MORBOL選手はスクラッチとメインフィールドは全く異なる両者、どういった戦い方を見せるのでしょうか。
 FLADY選手はやはり得意の細かい24分ズレやチャージノーツがひっきりなしに絡むSummerblueを選んできました。いきなりズレまくりの譜面ですが、なんとFLADY選手は開幕からほとんど失点せずありえないスコア力を発揮。ズレ譜面が得意なMORBOL選手を全く寄せず、2400点の壁すら軽々とぶち抜いて勝利となりました。MAX-37なのに自己ベスト-18点なのは何かの見間違いだと思いたいです。
 MORBOL選手は持ち前のスクラッチ力を活かせる終盤の不規則スクラッチが強烈なCentral Stationを選択。前半の鍵盤パートこそFLADY選手が先行する形になり、10点ほどのリードを確保しましたが、スクラッチ地帯に入った瞬間MORBOL選手が怒涛の追い上げを見せ、MAX-33を叩き出して勝利、2nd matchお互い強烈な尖り力を見せ引き分けとなりました。

3rd match -SCRATCH-
HAKU0 vs S.MOCK

選曲
HAKU0:Overload Frontier
S.MOCK:Swarm Of Scarabs
試合結果:DRAW

 前日の新幹線からすでに因縁がある東海対決です。お互いの得意・苦手は勝手知ったる者同士、癖のあるジャンルでもバチバチに火花を散らして戦っていくことが予想されました。
 HAKU0選手が選んだのは裏拍に絡むスクラッチがどこまでもしつこいOverload Frontier。両者正規譜面を選択しましたが、物量がそれなりにあるこの譜面、鍵盤力で優位に立つHAKU0選手が序盤から確実にスコアを重ねていき、差を詰めさせることなく勝利となりました。あまり手ごたえがなかったのか結果に安心するHAKU0選手、それでもかなり安定感のある好プレーだったと思います。
 S.MOCK選手は8分のスクラッチ絡み同時押しを丁寧に取り続ける力が問われるSwarm Of Scarabsを選んできました。HAKU0選手はR-RANですが、S.MOCK選手は当然正規を選択しました。R-RANの配置が少々厳しめですが、それを加味しても前半からS.MOCK選手の精度が凄まじく、自己ベスト-11点で勝利となりました。一方のHAKU0選手も自己ベスト-14点であり、お互いの実力がほぼフルに出していた戦いになったと思いました。

Final match -CHORD-  
MR2N vs SASARA

選曲
MR2N:Victory Of Ravers
SASARA:Xyndrome
試合結果:SASARA WIN!!

 べあー杯は初出場ながら多くの大会経験を有するMR2N選手がついに登場となりましたが、相手はなんと全方向に隙の無いオールラウンダーSASARA選手。いきなりの強敵相手にMR2N選手がどこまで食らいつけるか注目です。
 そんなMR2N選手の選択はスクラッチがガンガン絡む乱打譜面のSummerblueVictory Of Raversとなりました。MR2N選手は正規、SASARA選手はRANDOMとなりましたが、SASARA選手の精度が序盤からとんでもないことになっており、序盤から大量リード。中盤で差は縮まりましたが、最後まで崩れることなく走り切りMAX-26を出したSASARA選手の勝利となりました。解説でも触れられている通りFAST/SLOWが13/13という絶好調っぷりには驚かされます。
 SASARA選手はトリル・スクラッチ絡みと失点ポイントが多いXyndromeを選択。MR2N選手はR-RAN、SASARA選手はMIRRORを選択。ただR-RANはトリルがスクラッチ側に寄る少々厳しい配置に。その一方でSASARA選手はほとんど失点せずバチバチに光らせていき、MAX-24で勝利となりました。自己ベスト+19点という本番力の高さ、もうめちゃくちゃです。

 第1試合はFinal matchのSASARA選手の2タテが炸裂し、5-11でそり立つ壁の勝利となりました。ただキムタク博覧会も決して悪い内容ではなかったので、次の試合に繋げられるものだと思いました。

第2試合
そり立つ壁 vs 相手の弱点

 初戦を勝利で飾ったそり立つ壁、続いては多種多様なクセモノ譜面を得意とする相手の弱点との対戦となりました。とはいえトリッキー譜面はそり立つ壁も得意とするところ、トンデモ譜面が乱れ飛ぶ戦いになりそうです。

1st match -NOTES-
S.MOCK vs U76NER

選曲
S.MOCK:Break Stasis
U76NER:Central Station
試合結果:U76NER WIN!!

 初戦で安定感を見せたS.MOCK選手ですが、ここで当たるのは相手が嫌がる多種多様な武器を持つU76NER選手。強烈な相手にS.MOCK選手がどこまで抗えるのかが注目でした。
 S.MOCK選手は細かい16分乱打をずっと叩き続けるBreak Stasisを選択。S.MOCK選手は正規、U76NER選手はR-RANとなりましたが、序盤の立ち上がりでU76NER選手が好スタートを切ると、厳しい配置にも拘らずしっかりリードを保ち切り、9点差で勝利となりました。勝利時のガッツポーズも含め、大きな強さを感じさせました。
 U76NER選手は得意のスクラッチ譜面であるCentral Stationを選択。S.MOCK選手は正規ですがU76NER選手はRANDOMを選択。ただそれでも序盤の鍵盤からU76NER選手は大きくリード、終盤のスクラッチはS.MOCK選手が少し迫りましたが、2402点を出したU76NER選手の勝利となりました。S.MOCK選手としては強敵相手に苦しい一戦、U76NER選手としてはアピール含めしっかりと実力を出せた試合になったかと思います。

2nd match -CHORD-
SASARA vs NO4XTK

選曲
SASARA:Make A Difference
NO4XTK:Hold My Hand
試合結果:DRAW

 初戦で猛烈な強さを見せたSASARA選手、勢いに乗り2戦目となりましたが相手は大会常連の超オールラウンダーNO4XTK選手。「1巡重複指名」の両者はともに実力伯仲、激しい戦いとなりそうです。
 SASARA選手が選んだのは激しいズレに複雑な形の二重トリルが強烈なMake A Difference。両者かなり高い精度で進めていますが、サビの鍵盤密度が上がるところで一気にSASARA選手がぶち抜いていき、MAX-59で勝利となりました。配置はそんなに当たっていないように見えましたが…お構いなしなんですね…
 強敵相手にすごく戦うのが嫌そうなNO4XTK選手はSASARA選手の弱点を募集しても見つからなかったため、16分の乱打・トリル・スクラッチ絡みを如何に丁寧に取るかが求められるHold My Handで精度勝負を仕掛けました。SASARA選手はRANDOM、NO4XTK選手はMIRRORを選択しましたが、流石はこの2人、譜面傾向が変わっても全く判定を崩さないハイレベルな戦いとなりました。ほとんど横一線の戦いは、終盤の16分乱打で少しNO4XTK選手が抜け出すことに成功。一時は横並びになったものの3点差で逃げ切りに成功しました。見ているこっちも心臓が痛くなる大勝負の結果は引き分け、キワモノジャンルの戦いに移ります。

3rd match -SOF-LAN-
I6VV vs GAHOU

選曲
I6VV:four pieces of heaven
GAHOU:SABER WING
試合結果:DRAW

 Lv11のSOF-LANという癖の強いジャンル、登場したのはオールラウンダーI6VV選手研究力の鬼GAHOU選手となりました。ジャンルがジャンルゆえに本番一発でのパフォーマンスが問われるところですが果たして…
 I6VV選手はズレまみれの高密度乱打譜面であるfour pieces of heavenを選択。I6VV選手はRANDOMですが、GAHOU選手はMIRRORを選択。とはいえ高い鍵盤力を有するI6VVの火力はすさまじく、前半から大幅リード。スコア難譜面ながらMAX-を叩き出して勝利となりました。
 とはいえこの敗戦は計算通りのGAHOU選手、選曲はやはりDDRから疑似停止・激しいソフランへの研究量が物を言うSABER WINGとなりました。先ほどと同じくI6VV選手はRANDOM、GAHOU選手はMIRRORとなりましたが、こちらも前半からI6VV選手が大幅リード。しかし低速明けでI6VV選手のSUDDENが外れてしまい、GAHOU選手が逆転に成功。8点差という僅差ながら、1%の可能性を通し切った大きな勝利となりました。この引き分けにより、相手の弱点はそり立つ壁に対し2タテ必須の条件を突き付けてFinal matchを迎えることとなりました。

Final match -SCRATCH-  
MORBOL vs PICO

選曲
MORBOL:花冠 feat.Aikapin
PICO:SAMURAI-Scramble
試合結果:MORBOL WIN!!

 Aブロック第2試合の締めくくりは第7回べあー杯でも当たった因縁の対決となりました。ジャンルも当時と全く同じLv11 SCRATCH、前回は引き分けに終わった対戦でしたが今回は決着がつくのでしょうか。
 MORBOL選手はスクラッチだけでなく3段階のソフランへの対応も厄介な花冠 feat.Aikapinを選択。両者とも正規を選択、両者ともスクラッチはほとんど失点しませんでしたが、鍵盤精度でMORBOL選手が上回り、MAX-を出して勝利となりました。ラストで点差がグッと縮まったのが怖かったのか、MORBOL選手は思わず心臓を抑えていましたね。
 PICO選手は終始降ってくるスクラッチに付いてくる片手処理の鍵盤がいやらしいSAMURAI-Scrambleを選択。MORBOL選手はR-RAN、PICO選手は正規を選択しましたが、勝負はほとんど横一線の恐ろしい展開になりました。最後は終盤のトリルで少しだけリードを作ったMORBOL選手が12点差をつけて2タテに成功。因縁の対決を制することとなりました。

 第2試合は10-6でそり立つ壁の勝利、これにより早くも決勝トーナメント進出を決めてきました。相手の弱点は僅差で勝利を逃す格好となり、非常に悔しい結果になったかと思います。

第3試合
相手の弱点 vs キムタク博覧会

 3戦目はなんとしても勝利を取りたいチーム同士の対決です。決勝トーナメントのためには両者とも絶対に負けられない戦いゆえ、これまで以上に激しい戦いになること間違いなしでしょう。

1st match -SCRATCH-
PICO vs MR2N

選曲
PICO:Do Back Burn
MR2N:250bpm
試合結果:DRAW

 初戦で2タテを喰らってしまった選手同士の対決となりました。低難易度のスクラッチはPICO選手が得意とする領域ですが、器用さ抜群のMR2N選手も強烈な武器を携えてきています。
 PICO選手が持ってきた武器はBSS・MSS複合への理解度が問われるDo Back Burnでした。PICO選手はMIRROR、MR2N選手は正規と真っ向勝負、ですが序盤からPICO選手の精度が凄まじく、全く落とすことなくやり切りMAX-20で勝利となりました。PICO選手の経験に裏付けられた鋼のメンタルがあまりにも怖いと感じる試合です。
 MR2N選手はBPM250でしつこく軸押しが絡む250bpmを選択。MR2N選手はS-RANでガチ押し勝負を仕掛けましたが、ここでPICO選手はMIRRORを選択してきました。凄まじく押しにくいはずの譜面を軽々とやってしまうPICO選手には驚きですが、MR2N選手のガチ押し精度が上回る展開となり、結果はMAX-26で勝利となりました。お互い初戦の結果を吹き飛ばす大活躍で、1st matchは引き分けとなりました。

2nd match -SOF-LAN-
GAHOU vs TAKWAN

選曲
GAHOU:op.31 叙情
TAKWAN:Surf on the Light
試合結果:TAKWAN WIN!!

 先ほどはI6VV選手相手に一太刀浴びせたGAHOU選手ですが、続いての相手もBPLS3プロのTAKWAN選手と厳しいものになりました。GAHOU選手は連続でワンチャンスをものにすることができるでしょうか。
 GAHOU選手の選択は激しすぎるソフランへの対応力問われるop.31 叙情となりました。かなり大きな賭けに出たGAHOU選手ですが、相手はソフランを得意とするTAKWAN選手序盤から完璧な対応力を見せて大幅リード。終盤で差がグッと縮まったものの見事カウンターを決めて勝利となりました。GAHOU選手は自己ベスト-4点と全力のパフォーマンスを見せたうえでの敗北とあり、かなり悔しかったと思います。
 TAKWAN選手は細かいズレが絡む鍵盤と最後の減速が非常に厄介なSurf on the Lightを選択。両者R-RANとなりましたが、やはりプロ選手であるTAKWAN選手の精度が凄まじく、細かいズレをほとんど落とすことなく取り、MAX-34で勝利となりました。GAHOU選手が自己ベストを半端なく伸ばしていますが、ここはTAKWAN選手が2タテで意地を見せる結果となりました。

3rd match -NOTES-
U76NER vs HAKU0

選曲
U76NER:Modular Technology
HAKU0:Tail Lights
試合結果:DRAW

 2タテを受けた相手の弱点は流れを取り戻すべく先ほどの2タテでアクセル全開のU76NER選手が登場。Lv11 NOTESとあまりイメージの無い分野で鍵盤力に自信を持つHAKU0選手と戦います。このフィールドにおいてはHAKU0選手に分がありそうですが、プロのプライドを見せつけることはできるのでしょうか。
 U76NER選手は細かい鍵盤に中盤のスクラッチ地帯が厄介なModular Technologyを選択。プレーサイドは違いますがお互いMIRRORでの対決、同期ズレはあるものの序盤からU76NER選手が着実にリードを重ね、スクラッチ地帯で一気に突き放すことに成功。ズレが多い譜面ながら自己ベスト-14点で勝利となりました。HAKU0選手も決して苦手ではないと思いますが、自信をもって自選で投げてくるU76NER選手の強さがうわまりましたね。
 HAKU0選手は2回来る24分トリルが勝負の分かれ目となるTail Lightsを選択。お祈りをしたU76NER選手はまさかの正規を選択となりましたが、案の定片側に寄る厳しい配置に。トリルもかなり押し辛い配置になってしまい、U76NER選手リード…と思いきや2回目の24分トリルでHAKU0選手が逆転に成功。最後はわずか2点差を制しきったHAKU0選手の勝利となり、会場は割れんばかりの歓声に包まれました。

Final match -PEAK-  
NO4XTK vs FLADY

選曲
NO4XTK:Harmony and Lovely
FLADY:Spica
試合結果:DRAW

 チームの運命を決める最終戦は1巡指名選手同士の対決となりました。ガチ押しを筆頭に様々なジャンルで強みを持つNO4XTK選手ガチ押し・ズレ系高密度譜面を得意とするFLADY選手が当たるのはLv11 PEAK。文字通りお互いのプライドを賭けた真っ向勝負が見られそうです。
 NO4XTK選手は中盤のトリルを筆頭にBPM135で16分をひたすら叩かせるHarmony and Lovelyを選択。NO4XTK選手は驚異の自己ベストMAX-1を保持しており、当然S-RANでガチ押ししいに行きます。一方のFLADY選手はMIRRORでトリルを押しに行く選択を取りましたが、ガチ押し力が凄まじいNO4XTK選手は3-5連打もお構いなしに押し切りMAX-14で勝利となりました。流石のフィジカル力に、解説のNAGACH選手も思わずNO4XTK選手の名前を呼び間違えて(?)しまいました。
 FLADY選手が選んだのは細かい24分混じりのフレーズに中盤の縦連地帯が非常に難しいSpica。NO4XTK選手はR-RANを選択しましたが、RANDOMを選んだFLADY選手はズレを無視するかの如くバチバチに光らせていき、2257点を叩き出して勝利となりました。超大台寸前の高火力に解説席も言葉を失ってしまいました。

 結果は6-10でキムタク博覧会の勝利、準決勝進出となりました。凄まじい高火力の嵐の中でリーダーTAKWAN選手が価値ある2タテを通しことが決定打となりました。一方の相手の弱点は惜しくも届かない展開が多く、非常に悔しい形での予選敗退になってしまったと感じました。

Bブロック

第1試合
SKMZ♡LOVE vs セイドマシマシクセスクナメ

 BブロックからはLv12が解放され、さらに熱い戦いとなります。パワー・テクニックともにバランスの良いSKMZ♡LOVEと、精度系の真っ向勝負に強みを持つセイドマシマシクセスクナメ。どちらも大会経験にも秀でており、本当に勝敗が読めません。

1st match -CHARGE-
LOOT vs RAITO.

選曲
LOOT:ATOMIC AGE
RAITO.:Sunny Day Vibes
試合結果:DRAW

 Bブロックもいきなりプロ対決となりました。BPLではなぜかSOF-LANで対決した両者、今回は固定オプションへの対応力がものをいうCHARGEお互いの強みをフルに生かせるフィールドで当たることとなりました。
 LOOT選手の選択は曲が進むにつれ段々と猛烈なズレ譜面が襲いかかるATOMIC AGEとなりました。当然両者とも正規譜面を選択、前半からほぼ横一線となりましたが、終盤のズレまくり配置でLOOT選手が一気に点差を離して勝利となりました。自選に選ぶだけあり、LOOT選手の終盤の理解度の高さはすごかったです。
 RAITO.選手はいかにも得意そうな均等な配置の16分を叩き続けるSunny Day Vibesを選択。こちらもやはり正規譜面同士の対決、ほとんど5点以内の差でしたが、やはり綺麗な譜面の精度はRAITO.選手が一枚上手となり、3点差で勝利となりました。RAITO.選手は終盤で少しミスがありましたが、わずかな差をしっかり守り切ることに成功し引き分けに持ち込みました。

2nd match -PEAK-
TEMIKO vs HERMIT

選曲
TEMIKO:クルクル☆ラブ~Opioid Peptide MIX~
HERMIT:Best of Me
試合結果:DRAW

 高密度譜面が得意な選手同士がLv10で戦うこととなりました。本来のフィールドではない領域ではありますが、TEMIKO選手、HERMIT選手とも大会経験十分。さらにジャンルがPEAKとくれば思う存分暴れられるでしょう。
 TEMIKO選手の選択は鍵盤譜面で真っ向勝負、前半に超密度のトリル混じり乱打が襲いかかるクルクル☆ラブ~Opioid Peptide MIX~。TEMIKO選手はMIRROR、HERMIT選手はRANDOMとなりましたが、前半の難所でTEMIKO選手が15点ほどリードに成功。その後HERMIT選手も追い上げを見せてきましたが、最後でTEMIKO選手は逃げ切りに成功。HERMIT選手はトリルの配置に恵まれなかったのがかなり痛手でした。
 HERMIT選手は得意の高密度系ではなく、ズレ・ハネ・スクラッチ絡みなど譜面への高い理解度が問われるBest of Meを選んできました。先ほど同様TEMIKO選手はMIRROR、HERMIT選手はRANDOMとなりましたが、序盤はほぼ横並びとなりました。しかし後半のズレが入るところからジワジワとHERMIT選手が押しはじめ、MAX-32で勝利となりました。TEMIKO選手も自己ベストタイといいパフォーマンスでしたが、自選のHERMIT選手の理解度には惜しくも及ばずとなりました。

3rd match -CHARGE-
STYU-- vs INARI

選曲
STYU--:S!ck (Nhato Remix)
INARI:Acid Pumper
試合結果:STYU-- WIN!!

 3rd matchは第8回べあー杯ではチームメイトとして戦った選手同士の対決です。昨日の仲間は今日の敵、手の内を知り尽くしているゆえにどのような選曲で勝負を仕掛けるのか非常に楽しみでした。
 STYU--選手が選んだのはBPM174の16分乱打を主体に8分縦連やスクラッチ絡みなどがいやらしいS!ck (Nhato Remix)でした。同じプレーサイドですがSTYU--選手は正規、INARI選手はMIRRORと分かれましたが、序盤からSTYU--選手の判定がガッチリ合っており、リードを確実に守り切って勝利となりました。INARI選手は自己ベスト+1点のMAX-32だったものの、STYU--選手はMAX-16と圧巻のスコア。これは強すぎる…
 INARI選手は終始しつこいほど絡むHCNが厄介なAcid Pumperを選択。STYU--選手はR-RAN、INARI選手はRANDOMとオプション差が出ましたが、配置は両者とも悪くなく前半はINARI選手が少しリードとなりました。その後もINARI選手が10点近くリードし続けていましたが、チャージノーツが増えてから徐々にSTYU--選手が追いつき始め、3点差で捲り上げて逆転勝利。最後の最後までわからなかった熱い勝負でしたが、ここはSTYU--選手がINARI選手を2タテで下す結果となりました。

Final match -NOTES-  
SEKI vs 45NYAN

選曲
SEKI:二人ノ廃城幽踊宴
45NYAN:EVANESCENT
試合結果:DRAW

 大将戦はあらゆるジャンルをこなせるオールラウンダー同士の対決となりました。長年ライバル同士と語る両者は互いに得意・苦手は透けているでしょう。ただ45NYAN選手はチームのために2タテ必須と厳しい状況、意地でも負けられない戦いとなります。
 そんな中SEKI選手が放った必殺の武器は、猛烈なズレにソフランという厄介なおまけがついた二人ノ廃城幽踊宴。いきなり重たい譜面を炸裂させましたが、SEKI選手が細かすぎる譜面をしっかり押していき、一発スコアが出にくい曲ながらAAAを出して勝利となりました。SEKI選手のスコアは45NYAN選手の自己ベストと同じであり、うまく刺し切ることに成功したと言えそうです。
 45NYAN選手の選択は変拍子に微ソフランと楽曲の高い理解度が必要なEVANESCENT。SEKI選手はRANDOM、45NYAN選手は正規を選択しましたが、序盤は接戦に。しかし低速明けから徐々に45NYAN選手が引き離していき、自己ベスト-3点で勝利となりました。SEKI選手も自己ベスト-1点と完璧に近いプレーでしたが、ほぼ自己ベスト差通りの結果になってしまいました。

 第1試合は10-6でSKMZ♡LOVEの勝利となりました。どの選手も自己ベストから大きくブレない安定感を見せましたが、やはり3rd matchでSTYU--選手が接戦を制しきったことが非常に大きなものになりました。

第2試合
セイドマシマシクセスクナメ vs やる気!!元気!!IBUKI*!!

 思わぬ敗北を喫したセイドマシマシクセスクナメが次に当たるのは尖った武器を持つ精鋭揃いのやる気!!元気!!IBUKI*!!となりました。セイドマシマシクセスクナメのバランス力が勝つか、それともやる気!!元気!!IBUKI*!!が勢いに乗り切って潰せるかが見どころでした。

1st match -PEAK-
45NYAN vs IBUKI*

選曲
45NYAN:Miracle 5ympho X
IBUKI*:MUSIC TO YOUR HEAD
試合結果:DRAW

 1st matchはバランス感覚に優れた45NYAN選手と、低難易度においては全選手屈指の強さを誇るIBUKI*選手の対決となりました。指定はLv8-10とまさにIBUKI*選手のメインフィールドですが、どういった戦い方をするのでしょうか。
 地の利があるIBUKI*選手相手に45NYAN選手が選んだのはBPM210で同時押し・16分乱打を叩かせるMiracle 5ympho X。お互い固定オプションで正面衝突となりましたが、ブレイクまでほぼ同点16分乱打でも点差がつかない極限の戦いとなりましたが、終盤のトリルで差をつけた45NYAN選手が2602点で勝利となりました。IBUKI*選手は自己ベスト+3点とかなり良いプレーでしたが、惜しくも10点届かずとなりました。
 IBUKI*選手は持ち前のガチ押しスキルを活かせる繰り返し3連打が降りかかるMUSIC TO YOUR HEADを選択。お互いS-RANで正面衝突となりましたが、やはりガチ押しスキルに自信があるIBUKI*選手のスコアの伸び方がとんでもなく、MAX-15のほぼパーフェクトプレーで勝利となりました。IBUKI*選手はここでも自己ベスト+1点を出していますが、チームリーダの加護でしょうか(対する45NYAN選手もさらりと初フルコンを達成していました)。

2nd match -CHARGE-
INARI vs PHN!X

選曲
INARI:Infinity Mirror
PHN!X:Golden Palms
試合結果:INARI WIN!!

 1st matchは職人技が光る戦いとなりましたが、2nd matchもまた技巧派が登場となりました。ただCHARGEを得意とするINARI選手に立ちはだかるのはアメリカ最強の実力者PHN!X選手。このあまりにも高い壁をINARI選手は越えられるでしょうか。
 そんなINARI選手の選択は微妙に跳ねたリズムと24分階段から入るチャージノーツが厄介なInfinity Mirror。INARI選手はR-RAN、PHN!X選手はMIRROR、お互い高い精度で進んでいきましたが、最後まで崩れることなく走り切ったINARI選手がMAX-16で勝利となりました。好プレーを見せたPHN!X選手でしたが、開幕で少しだけついた差を最後まで守り切ったINARI選手が強さを見せることとなりました。
 PHN!X選手の選択は意外にも終始ズレまくり・ハネまくりのGolden Palmsとなりました。お互い固定オプションでの対決、こちらも両者高い精度で進んでいきましたが、一進一退の攻防が続き、最後はまさかの同点決着GREAT数も一緒ゆえ、GOODが1つでもGREATであれば…という結果はPHN!X選手にとってはかなり悔しいものだったと思います。

3rd match -PEAK-
RAITO. vs NAGACH

選曲
RAITO.:S!ck
NAGACH:diagram
試合結果:DRAW

 3rd matchは本日3度目のプロ対決となりました。BPLで当たることはなかったものの、お互いべあー杯常連選手からプロ入り、そして中難易度譜面を得意としているなど共通点ばかり。この場は白黒つけるにはぴったりすぎる場でした。
 RAITO.選手はサンプリングボイス合わせのスクラッチ複合が厄介なS!ckを選択。RAITO.選手はMIRROR、NAGACH選手はRANDOMとなりましたが、自選のRAITO.選手の安定感が全くブレず、しっかりリードを確保。NAGACH選手もかなり高い精度でフルコンボを達成しましたが、RAITO.選手が13点差で勝利となりました。肩書通りの正確性には本当に驚かされます。
 NAGACH選手はもはや名刺代わりの終始ズレハネが降り続けるdiagramを選んできました。RAITO.選手は正規を選びましたが、RANDOMがかなり好配置となったNAGACH選手はどんどんスコアを伸ばしていき、自己ベスト-5点となるMAX-48を出して勝利となりました。この出来に思わず叫ぶNAGACH選手、この譜面で何故安定して高いスコアを出せてしまうのでしょうか。

Final match -CHARGE-  
HERMIT vs ASLY

選曲
HERMIT:共鳴遊戯の華
ASLY:真 地獄超特急 -HELL or HELL-
試合結果:HERMIT WIN!!

 いよいよFinal match、2タテが必須のやる気!!元気!!IBUKI*!!からはLv12をメインフィールドとするASLY選手が登板となりましたが、相手は強敵HERMIT選手。高物量譜面が並ぶCHARGEですが、お互い何を切ってくるのでしょうか。
 HERMIT選手はBPM190の高密度鍵盤を休みなく叩かせる共鳴遊戯の華を選択。HERMIT選手らしい重物量譜面ですが、RANDOMはあまりうれしくない形になりました。点差が広がっては詰まる展開が続く中、後半の乱打で少しずつ点差をつけたHERMIT選手が3800点をしっかり超えて勝利となりました。ASLY選手も苦しい譜面で自己ベスト-12点とかなり好プレーであり、非常に惜しい戦いだったと感じました。
 ASLY選手はHERMIT選手を刺すため、脱法CHARGE曲である16分スクラッチに大量の鍵盤がくっつく真 地獄超特急 -HELL or HELL-を選んできました。両者固定オプションで真っ向勝負、お互い手首でスクラッチを取るパワープレーを見せましたが点差は広がらず。しかし中盤のチャージノーツ地帯でHERMIT選手が大きくリードを作ると、終盤のスクラッチも耐えきってカウンターを決めてきました。あまりに意外活劇的な勝利で思わずフリーズしてしまうHERMIT選手、チームメイトが駆け寄ってきても事態が把握できていないようでした。

 第2試合は13-5でセイドマシマシクセスクナメの勝利となりました。やる気!!元気!!IBUKI*!!は全体的に悪くないパフォーマンスだったと思いますが、セイドマシマシクセスクナメの火力が上回る結果となりました。

第3試合
やる気!!元気!!IBUKI*!! vs SKMZ♡LOVE

 痛い敗戦をしてしまったやる気!!元気!!IBUKI*!!ですが、この試合でどうにか取り返したいところ。しかし相手はすでに1勝取っており、かつ全方位に隙のないSKMZ♡LOVEと難しい相手に。決勝トーナメント進出のために大きな勝ちを取りたいところですが...

1st match -SOF-LAN-
NAGACH vs SEKI

選曲
NAGACH:fun
SEKI:GRADIUS-FULL SPEED-
試合結果:NAGACH WIN!!

 Lv8-10 SOF-LANという悩ましいジャンル、やる気!!元気!!IBUKI*!!からはリーダーNAGACH選手が登場しました。対するSKMZ♡LOVEはオールラウンダーSEKI選手が登場。両者ともSOF-LANのイメージはあまりないですが、どのような戦い方をするのでしょうかそして喜ぶ解説席のU76NER選手
 NAGACH選手はハネたリズムにトリル、微妙なところで変わるソフランが厄介なfunを選択。NAGACH選手はRANDOM、SEKI選手は正規を選択、開幕こそ横並びでしたが、リズムが複雑になる低速前から徐々にNAGACH選手が点数を伸ばしていき、事故を起こすことなくMAX-54で勝利となりました。SEKI選手はBADハマりやギアチェンミスが苦しかったですが、そこを考慮してもNAGACH選手の安定感が高すぎました。
 強敵との戦いに心から嫌そうな表情をするSEKI選手、ここは本厚木のテーマパートごとに変わるBPMへの対応が難しいGRADIUS-FULL SPEED-を選んできました。両者RANDOMでの対決ですが、開幕の乱打は少しだけSEKI選手がリード。しかしすぐに横並びになると、速度変化のタイミングでNAGACH選手が少しずつ差をつけていき、自己ベスト+7点となる2105点で勝利となりました。このあまりの強さ、SEKI選手も致し方無しといった感じでした。

2nd match -SCRATCH-
ASLY vs LOOT

選曲
ASLY:rottel-da-sun
LOOT:Buffalo
試合結果:LOOT WIN!!

 第2試合で悔しい2タテを喰らってしまったASLY選手ですが、そこに立ちはだかるのはプロ選手屈指の難敵LOOT選手。BPLシーズン中は低難易度スクラッチで強さを遺憾なく発揮しており強敵中の強敵ですが、ASLY選手は意地を見せられるでしょうか。
 ASLY選手が選んだのは8分同時押し・軸押しにスクラッチが絡むrottel-da-sun。ASLY選手は正規、LOOT選手はMIRRORと同条件対決ですが、LOOT選手が序盤からほとんど完璧に取っていき、トリルや軸・スクラッチでほとんど崩れず。結果はなんと自己ベスト-4、MAX-10でカウンター、あまりにも高すぎました。
 LOOT選手は意外にもBPLでは投げていなかったズレ混じりの8分同時押し+スクラッチ複合曲であるBuffaloを選んできました。先ほどとオプションが逆になりましたが、まずは開幕の縦連でASLY選手が大幅リード。しかしすぐにLOOT選手が追いつくと、終盤のスクラッチ複合で一気にまくり上げて勝利となりました。ASLY選手が自己ベスト-3点と安定感を見せた一方でLOOT選手は自己ベストからかなり離れており、心臓にやさしくない一戦だったと感じられました。

3rd match -CHORD-
IBUKI* vs STYU--

 選曲
IBUKI*:Marie Antoinette
STYU--:Discloze
試合結果:STYU-- WIN!!

 追い込まれたやる気!!元気!!IBUKI*!!からは虚無担当チーム名を背負うIBUKI*選手が登場。しかし相手は精度勝負に強いハイパーオールラウンダーSTYU--選手とかなり厳しい試合になりました。IBUKI*選手はやる気と元気でチームにポイントを持ち帰ることができるでしょうか。
 そんなIBUKI*の選択は細かいズレと終盤の加速に降る縦連が厄介なMarie Antoinette。前半のズレはIBUKI*選手がリード行きましたが、加速前でSTYU--選手が追いつくとほぼ横並びに。最後の縦連までどちらが勝つかわからない展開でしたが、4点差でSTYU--選手が大きなカウンターを決めました。ここでポイントを取られてしまったIBUKI*選手、個人的にもチームにとっても苦しいものになってしまいました。
 STYU--選手は得意曲が並ぶジャンルながら、意外にも細かいズレ配置に中盤の減速への対応が難しいDisclozeを選んできました。両者RANDOMを選択となりましたが、自選のSTYU--選手は前半から確実に光らせていき、低速地帯でもしっかりガード。IBUKI*選手は大胆なギアチェンで食らいつきましたが、結果は自己ベスト+8点、MAX-51で勝利となりました。ランダム一発でこの高火力、流石の実力です。

Final match -SOF-LAN-  
PHN!X vs TEMIKO

選曲
PHN!X:Y&Co. is dead or alive
TEMIKO:ピアノ協奏曲第1番"蠍火"
試合結果:TEMIKO WIN!!

 SKMZ♡LOVEからはダメ押しとばかりに高難易度を得意とする若き彗星TEMIKO選手が登場となりました。ここでやる気!!元気!!IBUKI*!!のアンカーを任されたPHN!X選手は、苦しい展開が続いたチームに1勝でも持ち帰ることができるでしょうか。
 そんなPHN!X選手の選曲は中盤のド派手な超加速が勝負の分かれ目となるY&Co. is dead or aliveとなりました。PHN!X選手は正規、TEMIKO選手はRANDOMとなりましたが、TEMIKO選手が前半で大幅な貯金を確保して中盤のソフランに備えることに成功しました。しかしトリルが右端に寄る最悪の配置でこの貯金もむなしく消え去りPHN!X選手が約20点のリード。しかしスクラッチ複合でTEMIKO選手が再びま繰り返すとそのまま10点差を制して逆転に成功しました。曲の速度変化を表すかのような大きな点差増減グラフがこの戦いの激しさを物語っています。
 TEMIKO選手は細かく揺れるBPMと縦連打が精度を狂わせるピアノ協奏曲第1番"蠍火"を選択。開幕の縦連は僅差となりましたが、その後の微縦連ラッシュで30点近くTEMIKO選手がリードすると、その後ますます点差を伸ばして猛スパート自己ベスト-11点の猛烈な火力で勝利となりました。TEMIKO選手、Lv12をメインフィールドとしているだけあり確かな強さを見せつけました。

 第3試合は2-14でSKMZ♡LOVEが勝利となりました。信じられないほど高い安定感と破壊力の数々、下馬評以上の活躍だったと思います。そしてこの結果やる気!!元気!!IBUKI*!!は予選敗退となっていました。やる気!!元気!!IBUKI*!!は決して悪くないパフォーマンスではなかったため、今大会のレベルの高さを改めて感じることとなりました。

準決勝

第1試合
そり立つ壁 vs セイドマシマシクセスクナメ

 準決勝第1試合は予選を圧倒的な強さで勝ち進んだそり立つ壁と、確かな本番力で着実にポイントを稼いだセイドマシマシクセスクナメの対決となりました。ここからはジャンルフリーとなりますが、どんな戦いが繰り広げられていくのでしょうか。

1st match
S.MOCK vs 45NYAN

選曲
S.MOCK:FEEL IT
45NYAN:LOVELY STORM
試合結果:S.MOCK WIN!!

 1st matchは器用さ抜群のプレーヤー対決。お互い様々な種類の武器を持っているため、ジャンルがフリーになった以上、どこから攻めてくるか全く読めないと思いました。
 S.MOCK選手が選択したのはなんと長いトリルを捌く集中力が求められるFEEL IT。S.MOCK選手は正規、45NYAN選手はMIRRORと同じ1Pサイドながらプレーオプションが分かれました。S.MOCK選手は練習中にとんでもないスコアを出したことを踏まえて選曲したようですが、開幕のトリルをほぼノーミス、その後もトリルが来るたびに点差を広げてMAX-33でパーフェクト圧巻の勝利となりました。ここまで調子が悪いという自己評価をしていたS.MOCK選手ですが、これは大きく自信がついたのではないでしょうか。
 45NYAN選手は同色の繰り返し乱打が目立つLOVELY STORMを選び鍵盤勝負に。S.MOCK選手は正規、45NYAN選手はR-RANとなりましたが、前半は45NYAN選手が少しリードの展開となりました。しかし中盤でS.MOCK選手が追い抜くと、24分スライドで一気に10点ほどリードに成功。ラストまで気が抜けない譜面ながら、9点差でカウンターを決めていきました。ガッツポーズも決まったS.MOCK選手、見事2タテを決めて先制点を奪っていきました。

2nd match
MORBOL vs INARI

選曲
MORBOL:罪過の聖堂
INARI:being torn the sky
試合結果:DRAW

 大きな2タテを飾ったそり立つ壁は、テクニカル譜面のエキスパートMORBOL選手を投入。対するセイドマシマシクセスクナメは精度力マシマシのINARI選手で対抗です。得意傾向が大きく異なる2人の対決はいかに...
 MORBOL選手は激しすぎるソフランの研究量が問われる罪過の聖堂を選択。INARI選手は発表時にただ笑うしかないといったリアクションでしたが、勝負はやはりMORBOL選手の完璧な対策が炸裂する展開となりました。終わってみればMORBOL選手は当然の如く2000点をぶち抜いて勝利でしたが、リアクションを見るにこれでも下振れたかのような雰囲気なのが恐ろしいです。
 INARI選手は全体を通して細かいズレの精度が問われるbeing torn the skyで単発勝負を仕掛けました。譜面傾向が大きく変わり判定を合わせるのが難しそうですが、INARI選手は正規を選択すると細かいフレーズをほとんどノーミスで処理しきり、MAX-6を叩き出して勝利となりました。罪過の聖堂を終えてから正規譜面で自己ベストタイの結果に、解説陣もただ驚くしかなかったようでした。

3rd match
I6VV vs RAITO.

選曲
I6VV:POL
AMAИIA
RAITO.:DEEP ROAR
試合結果:I6VV WIN!!

 職人技が光った2nd matchを終え、今度はプロ選手同士の対決となりました。こちらもBPL本編では当たることがなかった対決ですが、Lv11は両者ともかなり強いフィールド。意地を見せるのはどちらのプロでしょうか。
 I6VV選手は持ち前の火力を存分に活かせる高密度の鍵盤とスクラッチ複合が絶え間なく降るPOLꓘAMAИIAを選択。I6VV選手はR-RAN、RAITO.選手はMIRRORを選択となりましたが、R-RANはバスが4に来たことでキツめの配置となってしまいました。しかしそこは高い鍵盤力を持つI6VV選手、取りづらい配置も気にせず光らせていき、MAX-71で快勝となりました。曲を終えてチームに次の曲の相談をする心の余裕っぷりも含め、相当エンジン全開だったことがわかります。
 RAITO.選手は均等な配置の16分譜面を叩き続けるDEEP ROARを選びました。両者正規譜面を選択し正面衝突となりましたが、抜きつ抜かれつの大激戦に。最後の最後までどちらが勝つか全く読めない接戦の結果は、ラストのトリルを取り切ったI6VV選手の勝利となりました。両者NO PLAYという中でI6VV選手が安定感を見せたことにより2タテに成功、Final matchへと進みます。

Final match
SASARA vs HERMIT

選曲
SASARA:RAGE feat.H14 of LEONAIR
HERMIT:ぞうしょく!?マイデンティティ
試合結果:SASARA WIN!!

 そり立つ壁が猛攻を仕掛け続ける展開、エースSASARA選手でダメ押しを仕掛けます。対するセイドマシマシクセスクナメは高密度鍵盤の申し子HERMIT選手で対抗。準決勝第1試合最後の戦いが幕を開けます。
 SASARA選手は当然得意のスクラッチから24分混じりのスクラッチに容赦なく鍵盤が絡みつくRAGE feat.H14 of LEONAIRを選択。無慈悲なほど皿マシマシな選曲、開幕からSASARA選手が大きくリードしてからはどこまでも止まらず。24分スクラッチや密度の高いスクラッチ複合も容赦なく取りまくり、終わってみれば自己ベスト+6点となる3526点で勝利となりました。平然のように大台を踏み越えてくるSASARA選手、どうすればいいんだ…
HERMIT選手は運指の差で勝負をかけるべく、繰り返しの鍵盤にしつこく裏拍のスクラッチが飛んでくるぞうしょく!?マイデンティティを選びました。SASARA選手NO PLAY読みもあって選んだ選曲で、HERMIT選手は正規を選択しましたが、SASARA選手は全く崩れず。繰り返し乱打やスクラッチ複合を楽々と取りまくり見事なカウンターを決めて勝利初見とは思えない圧巻のプレーを見せて2タテとなりました。

 第1試合は18-2でそり立つ壁の勝利となりました。セイドマシマシクセスクナメは安定感を見せて好スコアを出し続けたはずですが、終わってみれば無慈悲なほどのワンサイドゲーム。そり立つ壁の破壊力が猛烈な牙を剥いた試合となりました。

第2試合
キムタク博覧会 vs SKMZ♡LOVE

 第2試合は緻密な戦略を確実に通して勝ち上がってきたキムタク博覧会と、安定感と爆発力を兼ね備えたSKMZ♡LOVEの対決となりました。強さの性質が異なる2チームですが、より強さを見せるのは一体どちらでしょうか。

1st match
MR2N vs SEKI

選曲
MR2N:mind the gap
SEKI:SCORE
試合結果:MR2N WIN!!

 1st matchは守備範囲の広さが尋常でない選手の対決です。どのジャンルから選曲するか全く読めないこの2人、何が飛んできても驚かないです。
 MR2N選手はリズム難・ズレ・タイミングの読みづらいソフランとスコアが出ない要素が詰まったmind the gapを選択。MR2N選手はMIRROR、SEKI選手は正規と同条件の対決、序盤はわずかにSEKI選手リードの展開が続きましたが、ギアチェンのタイミングで少しずつMR2N選手が押していき逆転に成功。最後は11点差をつけて勝利となりました。SEKI選手の対策も非常に良かったのですが、やはり自選のMR2N選手のほうが有利に働いた結果となりました。
 SEKI選手はガチ押しスキルを活かして32分混じりの繰り返しフレーズを叩かせるSCOREを選んできました。両者S-RANとなりましたが、MR2N選手はすでに250bpmでガチ押しの勢いをつけており、序盤からしっかり精度を取ることに成功。自己ベストを大きく伸ばし、MAX-34でカウンターを決めていきました。SEKI選手は判定がFASTに寄ってしまったのもあり、苦しい結果となってしまいました。

2nd match
FLADY vs LOOT

選曲
FLADY:madrugada
LOOT:めでてえ
試合結果:LOOT WIN!!

 厳しい選手を当てられることが多いFLADY選手、今回当たるのはSKMZ♡LOVEのリーダーLOOT選手とまたも難しい相手になりました。全選手屈指の安定感を持つLOOT選手相手に、FLADY選手の爆発力はどこまで光るのでしょうか。
 FLADY選手は本日のゲストDJであるPING PONGさんの名曲である、跳ねたフレーズとズレ混じりの鍵盤が難しいmadrugadaを選んできました。FLADY選手はRANDOM、LOOT選手はMIRRORとなりましたが、FLADY選手のズレ処理能力が凄まじく、前半から大幅リード。ただLOOT選手だってタダでは終わらず、中盤のズレ地帯で徐々に追いつき始めるとラストのフレーズで3点捲り上げることに成功まさかのカウンターにSKMZ♡LOVEは狂喜乱舞となりました。
 LOOT選手は得意の高速曲から、BPM240で8分をしっかり光らせるスキルが求められるめでてえを選択。FLADY選手はRANDOM、LOOT選手は正規となりましたが、両者ともほとんどお完璧に進めていく中終始わずかなリードを守り続けたLOOT選手が6点差で逃げ切りました。FLADY選手はNO PLAYながら大健闘だったものの、ここはプロの意地を見せたLOOT選手が2タテとなりました。

3rd match
TAKWAN vs STYU--

選曲
TAKWAN:B4U(BEMANI FOR YOU MIX)
STYU--:Night sky
試合結果:TAKWAN WIN!!

 キムタク博覧会からはリーダーTAKWAN選手が登場となりました。正面からくるか搦手でくるか読めない相手ですが、SKMZ♡LOVEはその両方に対応可能なエースSTYU--選手を投入して勝負に挑みます。
 そんなTAKWAN選手が選んできたのは演奏時間が長い中で高めの物量を捌き続けるB4U(BEMANI FOR YOU MIX)。TAKWAN選手は正規、STYU--選手はRANDOMを選択しましたが、正規を選択したTAKWAN選手の精度が規格外となっており、MAX-25で初フルコンする大勝となりました。自己ベスト-4という安定感も含め理解不能なリザルトでした。というかSTYU--選手のMAX-49も相当高いはずなんですけど…
 一方のSTYU--選手はBPM192で整った形の乱打を叩き続けるNight skyを選択。互いに正規系となりましたが、STYU--選手が開幕の軸でSLOWに寄ってしまったのが痛手となりTAKWAN選手がリードを得ると、最後まで精度を保ち続け5点差で逃げ切りに成功キムタク博覧会に大きな2タテをもたらし、Final matchに入ります。

Final match
HAKU0 vs TEMIKO

選曲
HAKU0:Don't believe the hype
TEMIKO:2 Beasts Unchained
試合結果:DRAW

 1本でも通せば勝利のキムタク博覧会、ここは高密度からスクラッチまで広くこなせるHAKU0選手が登場です。一方2タテ必須のSKMZ♡LOVEは破壊力抜群のTEMIKO選手に全てを託します。どちらも実力は十分、チームの進退を賭けた熱い戦いが始まります。
 HAKU0選手はここで勝負を確実に決めるべく、スクラッチから高速の8分同時押しに容赦なく16分スクラッチが飛んでくるDon't believe the hypeを選択してきました。HAKU0選手はMIRROR、TEMIKO選手は正規と分かれましたが、自選のHAKU0選手が優位に立ちつつもTEMIKO選手がしっかりついてくる気が抜けない展開となりました。ただラストのスクラッチでHAKU-選手が着実にリードを守り切り、自己ベスト-10点で勝利となりました。TEMIKO選手もかなり終盤まで食らいついていましたが、非常に惜しくも届かず…それにしてもなぜ手首皿であんなに早いスクラッチを回せるのでしょうか。
 TEMIKO選手はなんと16分スクラッチに絡む螺旋状の鍵盤が非常に取りにくい2 Beasts Unchainedを選んできました。奇しくもスクラッチ対決となったこの試合、開幕からTEMIKO選手が大幅リードを奪うと、その後の難所もしっかりと取り切り勝利となりました。意外な武器で最後に意地を見せたTEMIKO選手、とてもかっこよかったです。

 第2試合は13-7でキムタク博覧会の勝利となりました。1st matchから3rd matchまで2タテが続く白熱の戦いでしたが、先に2タテを奪い試合の流れに先に乗れたキムタク博覧会が勝負を決めてくる結果となりました。

決勝  
そり立つ壁 vs キムタク博覧会

 決勝に駒を進めたのはなんと開幕戦と同じそり立つ壁とキムタク博覧会となりました。Lv11までが対象範囲だったブロック戦ではそり立つ壁が勝利していますが、今度は8試合の長丁場でLv12も開放されています。十分に整った舞台でお互いのチームの誇りを賭けた最終戦が始まります。

1st match
S.MOCK vs MR2N

選曲
S.MOCK:NO LIMIT-オレ達に限界は無い-
MR2N:MUSIC TO YOUR HEAD
試合結果:DRAW

 決勝の初戦は多種多様な武器を駆使し、ここまで1勝1分1敗で進んできた選手同士の対決となりました。少しだけテクニカル寄りのS.MOCK選手と少しだけガチ押し寄りのMR2N選手、ここで2タテを果たして一歩抜け出せるのはどちらでしょうか。
 S.MOCK選手はしつこいほど降ってくるスクラッチ複合の集中力が問われるNO LIMIT-オレ達に限界は無い-を選択。S.MOCK選手は正規、MR2N選手はR-RANを選択しましたが、R-RANは少しキツめの配置に。試合は中盤の二重トリルでS.MOCK選手が大幅リードすると、スクラッチ地帯・縦連も着実に取ってMAX-48で勝利となりました。S.MOCK選手は途中でハマってしまいヒヤッとしたかもしれませんが、やはり正規譜面を選んだことが大きく出る結果となりました。
 MR2N選手はこれまでの試合でガチ押しに手ごたえがあったためか、本日2回目のMUSIC TO YOUR HEADを選びました。MR2N選手がS-RANを選ぶ一方、S.MOCK選手はRANDOMで勝負をかけましたが肝心の配置は正規譜面となってしまい撃沈。出張を駆使し健闘したもののMR2N選手は序盤から快調にぶっ飛ばしていき、自己ベスト-3点、MAX-18で勝利となり、初戦はお互いの技が光り引き分けとなりました。

2nd match
MORBOL vs TAKWAN

選曲
MORBOL:Feedback
TAKWAN:The Sky of Sadness
試合結果:DRAW

 2nd matchはトリッキー対決スクラッチを筆頭に相手の嫌がる曲を得意とするMORBOL選手の相手はリーダーTAKWAN選手ですが、プロ相手でも尖った武器は通じてしまうのでしょうか。
 MORBOL選手が選んだのは妙にズレた鍵盤に微妙な間隔のスクラッチが絡むFeedback。プレーサイドは異なりますが両者MIRRORを選択となりましたが、序盤のズレ配置をTAKWAN選手が落としてしまったことでいきなりMORBOL選手が大幅リード。その後はTAKWAN選手が少しずつ詰めていったものの、序盤のリードが決定打となり8点差でMORBOL選手が逃げ切りに成功。TAKWAN選手は道中の内容が良かったゆえに、開幕のミスが非常に悔やまれたかと思います。
 そんなTAKWAN選手は猫叉Master特有のリズム難に微ズレがいやらしいThe Sky of Sadnessを選択。お互いズレ譜面を得意としていますが、RANDOMの配置はかなり苦しい配置に。そんな中でもTAKWAN選手が24分の二重配置で点差をつけていき、二重乱打も確実に取って自己ベスト+3点、MAX-17を出して勝利となりました。まさにプロの圧巻のプレーでしたが、MORBOL選手も自選を通したことで2nd matchも引き分けとなりました。

3rd match
I6VV vs MR2N

選曲
I6VV:garden
MR2N:Votania Beat
試合結果:I6VV WIN!!

 ここまで2試合引き分けが続きましたが、そり立つ壁からは満を持してリーダーI6VV選手が登場となりました。ここにきてMR2N選手はそり立つ壁のリーダーとエースを当てられる厳しい戦いですが、ポイントを持ち帰られるでしょうか。
 I6VV選手は3拍子でハネたリズムに合わせてズレ鍵盤が降ってくるgardenを選択。理解度が問われる譜面ゆえ序盤からI6VV選手の精度が光る展開となり、リードを取ったまましっかりキープ。道中全く崩れずMAX-23で勝利となりました。I6VV選手は曲終了時に「あぶねえ」と言ったようですが、傍から見ると全くそんな様子の無い鮮やかなプレーでした。
 MR2N選手が繰り出した武器は裏拍スクラッチや交互・軸押しが取りにくいVotania Beatでした。互いにR-RANを選択しましたが、I6VV選手の道中の精度が凄まじく、難所も全く崩さず最後まで精度を保ってMAX-19で勝利となりました。MR2N選手もかなり健闘しましたが、I6VV選手のあまりの破壊力による2タテでそり立つ壁にいい流れをもたらすことに成功しました。

4th match
SASARA vs FLADY

選曲
SASARA:Routing
FLADY:D
試合結果:SASARA WIN!!

 価値ある2タテで勢いに乗ったそり立つ壁、ここでエースSASARA選手が登場となりました。一方のキムタク博覧会もまた切り札のFLADY選手を投入し悪い流れを断ち切りに行きます。
 SASARA選手の選択はよくわからないリズムのスクラッチとあまりにも細かい鍵盤でとにかくスコアがでないRoutingとなりました。FLADY選手も細かいズレを得意としており序盤こそ大きな差はつきませんでしたが、スクラッチ地帯に入ってSASARA選手が大幅リードに成功。なぜか変則スクラッチをバチバチに光らせるSASARA選手は自己ベスト-2点となる2551点を出して勝利となりました。解説もドン引く高スコアを軽々と出してしまうSASARA選手、どうなってんの…?
 FLADY選手は得意の高密度鍵盤ではなくソフラン対策と終盤の軸押しが厄介なDを選んできました。お互い正規系を選択となりましたが、序盤からわずかにSASARA選手が先行する展開のままソフラン・トリルと進み、ラストの軸でさらに加点してMAX-58でカウンターとなりました。あまりのSASARA選手のスコア、ソフランのたびにFLADY選手がグラフを確認して信じられないものを見たかのようなリアクションを取るのも無理ないと思いました。

5th match
S.MOCK vs HAKU0

選曲
S.MOCK:Vulkan
HAKU0:POL
AMAИIA
試合結果:DRAW

 ここにきて再び東海対決となりました。手の内を知り尽くした…どころか本日2回目の対戦カードと来れば、お互いの調子すらも見えているでしょう。ブロック戦では引き分けでしたが、今回は如何に。
 S.MOCK選手は高速の乱打にたまに来るトリルが厄介なVulkanを選んできました。S.MOCK選手は正規、HAKU0選手はMIRRORを選択しましたが、お互い快調に飛ばしほぼ横並びに。中盤で少しHAKU0選手が前に出ていきましたが、終盤の16分乱打でS.MOCK選手が追いつくと5点差で勝利となりました。緊張感あふれる戦いの中勝ち切ったS.MOCK選手のメンタルももちろん、HAKU0選手が自己ベスト-2点でフルコンボという安定性もかなり光っていました。
 HAKU0選手は得意の高密度鍵盤譜面であるPOLAMAИIAを選択。S.MOCK選手は正規、HAKU0選手はRANDOMと分かれましたが、鍵盤の密度が高くなるタイミングでHAKU0選手が着実に差を突き放していき、時折苦しい配置も降り一時は差が縮まったものの18点差をつけて勝利となりました。ここで引き分けに持ち込んだことによりそり立つ壁は優位、キムタク博覧会は良い流れでパスを渡すことに成功し次の戦いに映ります。

6th match
MORBOL vs FLADY

選曲
MORBOL:Wonder Bullfighter
FLADY:50th Memorial Songs -The BEMANI History-
試合結果:DRAW

 配点が3ptと大きい6th match、最高の流れで迎えたそり立つ壁からはMORBOL選手が登場しました。対するキムタク博覧会もFLADY選手とブロック戦と同じ組み合わせに。ということは選曲ももちろん…?
 MORBOL選手は変拍子に感覚の掴みづらいスクラッチが飛んでくるWonder Bullfighterを選択。当然の如くスクラッチできたMORBOL選手、MIRRORを選び盤石の態勢を見せる一方FLADY選手はS-RANを選びましたが、序盤の難しいリズムのスクラッチをしっかり光らせるMORBOL選手がどんどん差を広げていき勝利となりました。見事なまでの職人技に解説陣も感心しきりです。
 FLADY選手は24分の細かいフレーズやトリルや微縦連が来る50th Memorial Songs -The BEMANI History-を選択。お互いRANDOMを選択…したはずですが譜面はまさかの正規となる珍事が発生。そんな中でも24分のフレーズをはじめ各所しっかり光らせたFLADY選手が大きくリードし勝利となりました。FLADY選手、勝って喜びたいところですがこの配置だとあんまり嬉しくなさそうです…

7th match
I6VV vs HAKU0

選曲
I6VV:LOCUS OF THE TRAVEL
HAKU0:灼熱Beach Side Bunny
試合結果:I6VV WIN!!

 いよいよLv12が解放された7th match、ここは何でもできる高火力オールラウンダー対決となりました。I6VV選手という高い壁相手になんとしても2タテを取りたいHAKU0選手はどう戦うでしょうか。
 ここにきてI6VV選手は24分混じりのスクラッチやチャージノートが取りづらいLOCUS OF THE TRAVELを選択。譜面はトリルが片側に寄るあまり嬉しくない配置となり、序盤は拮抗となりましたが中盤の24分スクラッチでHAKU0選手がリード…したかと思いきやすぐI6VV選手が追いつくデッドヒート。最後は6点差を逃げ切ったI6VV選手の勝利となりました。HAKU0選手が自己ベスト-29点の一方でI6VV選手は自己ベストから大きく離れており、かなりドキドキする試合展開だったのではないでしょうか。
 HAKU0選手はこれまでのスクラッチの機運に乗るべく、IIDXスクラッチ曲代表の灼熱Beach Side Bunnyを選んできました。試合は1回目のトリル地帯が片側に寄る微妙な配置の中、I6VV選手が着実に取り切るとその後もどんどんスコアを伸ばしていきあわやAAAで勝利となりました。キツイ配置でもチームを背負うI6VV選手の実力が炸裂して2タテを達成し、いよいよべあー杯最後の戦いへと移ります。

Final match
SASARA vs TAKWAN

選曲
SASARA:灼熱 Pt.2 Long Train Running
TAKWAN:ピアノ独奏無言歌 "灰燼"
試合結果:DRAW

 長かったべあー杯もついに最終戦、そり立つ壁からはエースSASARA選手、キムタク博覧会からはリーダーTAKWAN選手が登場。新旧トリッキープレーヤー同士の激しい戦いとなりました。
 SASARA選手は当然最後の切り札である休憩なしで凄まじい量のスクラッチが降る灼熱 Pt.2 Long Train Runningを選びました。SASARA選手はRANDOM、TAKWAN選手はR-RANとなりましたが、自身の代名詞でもあるこの譜面、SASARA選手の精度が尋常でなく序盤から恐ろしいほど点差がついていく展開となり、気付けば自己ベスト+10点、大台ラインである3400をぶち抜いて勝利となりました。これには会場も歓声に次ぐ歓声、恐ろしいものを見た気分になりました。
 TAKWAN選手はお馴染みのアレ…と見せかけて激しいズレとソフラン、そして加速しながら降るトリルとスコアを出させる気のないピアノ独奏無言歌 "灰燼"を選びました。SASARA選手はRANDOM、TAKWAN選手はMIRRORとなりましたが、やはりTAKWAN選手が序盤から快調にスコアを伸ばしていく展開となりました。ただSASARA選手も着実に食らいつき点差が思うほど開かないと思いましたが加速トリルでTAKWAN選手が再度リードを獲得。両者AAAを軽く超えていく中、TAKWAN選手が3700を踏み越えて勝利となりました。お互いの武器を投げあったFinal matchは非常に熱い戦いの末引き分けとなりました。

 試合結果は22-10となり、第9回べあー杯の優勝チームはそり立つ壁となりました。キムタク博覧会はそれぞれの強みをフルに活かしたプレーで戦ってきましたが、そり立つ壁の破壊力はあまりにも凄まじいものでした。振り返ってみればそり立つ壁は決勝で一度も2タテされていない鉄壁の防御、チーム名が体を表す結果と言えたのではないでしょうか。
  そり立つ壁の皆さん、優勝おめでとうございます!キムタク博覧会の皆さん、そして参加された選手の皆さん、面白過ぎる試合をありがとうございました!

最後に

 本当に毎回言っていることですが、べあー杯はレベルが高くなりすぎており、BPLを思い出させるような数々のドラマが生まれると感じています。また勝ちを取るためのスコア水準が高くなりすぎており大台スコアのぶつけ合いが見られたのも非常に面白かったです。自分も1人のプレーヤーとして熱くなってしまう場面が多く、カメラを忘れて騒いでしまいました(反省します…)。最高の試合の数々を本当にありがとうございました!

 長くなりましたが、以上で第9回 べあー杯の感想は終わります。ここまで読んでいただきありがとうございました。

がんばります