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【感想】第5回 べあー杯 振り返り(チーム戦編)

 こんにちは、運営スタッフとして筐体周辺をうろちょろさせていただいた、レジャーランドの服を着ている男のT2-Kです。
 早速ですが2022年で最も熱いIIDX大会の第5回 べあー杯、いかがだったでしょうか。2日間とも驚きのドラマの連続で、現地の空気はこれ以上ないほどヒートアップしておりました。
 こちらの記事ではチーム戦各試合の振り返りをしていきたいと思います。長文になってしまいますが、お付き合いいただければと思います。

第5回べあー杯 出場者紹介

第5回 べあー杯 について(べあーさんのnote)

【感想】第5回 べあー杯 振り返り(個人戦編)

Day1:チーム戦

beatmania IIDX 大会 第5回 べあー杯 チーム戦 in 神奈川レジャーランド厚木店

 各チームともとんでもないメンバーが揃っており、どこが優勝しても不思議ではなかったと思います。ただ、元々強力なメンバーが揃っており、欠場となった*TA93N選手に代わりまさかのNCHO72選手参戦となったチームふぁんびが優勝候補かなと思っていました。

Aブロック

第1試合
JET軍団 限界社会人支部 vs 本厚木スタイル

ダークホース集団のJET軍団と、プロ2人を擁する強力なチームである本厚木スタイルが対決となりました。開幕から接戦続きとなり、この大会のハイレベルさを痛感できました。

先鋒 -PEAK-
M-JET. vs PPJT

選曲
M-JET.:BRIGHTNESS DARKNESS
PPJT:avant-guerre
試合結果:DRAW

 M-JET.選手はPPJT選手の弱点である中速ガチ押し力が必要なBRIGHTNESS DARKNESSを選択しました。PPJT選手はMIRROR、M-JET.選手はRANDOMと異なるオプションで選び、決して当たりとは言えない譜面をしっかりと拾い、max-27の好スコアでM-JET.選手が勝利となりました(この時のM-JET.選手のリアクションは必見)。
 続くPPJT選手は微ソフランがいやらしいavant-guerreを選択しました(失礼な選曲)。譜面が非同期ながら同じような階段譜面ではあったものの、PPJT選手が約40点の大差をつけて勝利、先鋒戦は引き分けとなりました。

中堅 -PEAK-
P-JET. vs I6VV

選曲
P-JET.:e-motion 2003 -romantic extra-
I6VV:VIBRΛ
試合結果:I6VV WIN!!

 P-JET.選手は中速乱打のe-motion 2003 -romantic extra-を選択しました。P-JET.選手はトリルが外れない(らしい)R-RAN、I6VV選手はRANDOMとオプション差がありましたが、4点差の接戦を制したI6VV選手に軍配が上がりました。
 続くI6VV選手の選曲は前半のスクラッチ絡みが要注意なVIBRΛでした。互いにMIRRORを選択して真っ向勝負となりましたが、6点差をつけてI6VV選手の勝利となりました。この試合は2曲とも、BPLバトルモードのスコアグラフ比較がないのが惜しいほどの接戦でしたね。

大将 -NOTES-
K-JET. vs IIDX30

選曲
K-JET.:Hello Happiness
IIDX30:stoic
試合結果:DRAW

 K-JET.選手は得意の高速鍵盤とスクラッチスキルを活かせるHello Happinessを選択しました。K-JET.選手はMIRROR、IIDX30選手はRANDOMとオプションが分かれましたが、自選をしっかりと通したK-JET.選手が13点差で勝利となりました。
 続くIIDX30選手はガチ押し曲(?)のstoicを選択。お互いRANDOMを選んだものの、K-JET.選手は少々厳しい配置に。とはいえIIDX30選手が異常な精度力を発揮し、驚異のmax-37でポイントを取って引き分けとなりました。

 第1試合は4-8で本厚木スタイルの勝利となりました。とはいえ点差を大きく開かせなかったJET軍団の実力の高さもとんでもないものでした。

第2試合
本厚木スタイル vs チームふぁんび

この試合に出場する選手の半数がプロ選手となっており、さらに本番経験豊富な選手が揃っていることから試合はどうなるか全く予想がつきませんでした。が、まさかこんな展開になるとは...どの選手も正面から己の武器をぶつけており、ガチンコ勝負の面白さを楽しめたと思います。

先鋒 -CHARGE-
IIDX30 vs FREAKY

選曲
IIDX30:Arcana
FREAKY:ラストセンチュリーメランコリック
試合結果:FREAKY WIN!!

 非プロ選手同士の対決であるものの、互いの選曲は容赦が全くないなと感じました。
 IIDX30選手は中速トリルが難所となるArcanaを選択しました。IIDX30選手はMIRRORを選択し、FREAKY選手はRANDOMを選択しましたが、FREAKY選手が(比較的)当たりの譜面を引いて勝利となりました。とはいえIIDX30選手は7点差に迫っており、どちらが勝つかわからなかった試合でした(選手のレベルが高いから接戦が多くなりがち)。
 FREAKY選手は課題曲の中でも鍵盤スキルが問われるラストセンチュリーメランコリックを選択しました。ラストのフレーズまでほとんど点差がつかないギリギリの戦いを制し、FREAKY選手が2タテを飾りました。スコア比較グラフ見たらほぼ線みたいになる試合が続き、会場の空気も徐々に熱くなってくるのを感じました。

中堅 -SCRATCH-
PPJT vs STYU--

選曲
PPJT:Catch Me
STYU--:Non Stop Rock
試合結果:STYU-- WIN!!

 PPJT選手はズレハネリズムに高速トリルがいやらしいCatch Meを選択しました(失礼な選曲Pt.2)。お互い正規と同じ条件のもと、わずか6点の差で自己ベストタイを叩き出したSTYU--選手が勝利となりました。
 後攻のSTYU--選手が選んだのは、純粋スクラッチ力よりもスクラッチ複合力が必要なNon Stop Rockを選択しました。こちらもお互いMIRRORで同じ条件でしたが、STYU--選手がmax-20と好スコアでフルコンボし2タテとなりました。非プロ選手の中で最強格と言われるSTYU--選手の強さが光った試合でした。

大将 -CHARGE-
I6VV vs NCHO72

選曲
I6VV:Elisha
NCHO72:Nocturnal 2097
試合結果:NCHO72 WIN!!

 実質BPLとなるこの試合、I6VV選手は繰り返しフレーズの精度が問われるElishaを選択しました。互いにプレーサイドは違うもののMIRRORを選択しほとんど差がつかない中、ラストのフレーズで判定を掴んだNCHO72選手が勝利となりました。
 続いてNCHO72選手は中速物量系の譜面であるNocturnal 2097を選択。こちらもプレーサイドが異なりますが互いに正規譜面を選択、そして終始点差がほとんどつかない中、最後に7点差をつけたNCHO72選手が2タテとなりました。

 この試合ではチームふぁんびが完封となりました。本厚木スタイル相手に全タテを決めるヤバさを前に、言葉が全くでなくなりました。

第3試合
チームふぁんび vs JET軍団 限界社会人支部

 JET軍団は練りに練った戦略で渾身の選曲によりふぁんびを追い詰めたものの、第2試合に続きふぁんびのヤバさが炸裂した一戦でした。大会一発で出すスコアの水準の高さに、思わず鳥肌が立ってしまいました。

先鋒 -NOTES-
STYU-- vs P-JET.

選曲
STYU--:Frisk And Squeak
P-JET.:From Time To Time
試合結果:DRAW

 STYU--選手は得意のスクラッチが多く降ってくる嘘NOTESのFrisk And Squeakを選択しました。互いに対称の固定オプション(STYU--選手はMIRROR、P-JET.選手は正規)で挑み、P-JET.選手は自己ベストを14点伸ばす好プレーをしたものの、STYU--選手は驚異のmax-27を叩き出して勝利を飾りました。
 続くP-JET.選手は得意なズレハネ譜面のFrom Time To Timeを選択しました。こちらも互いに対称の固定オプション(STYU--選手は正規、P-JET.選手はMIRROR)で挑み、互いに自己ベストを叩き出すハイレベルな戦いの中、2550というとんでもないスコアを叩き出したP-JET.選手の勝利となりました。

中堅 -CHORD-
NCHO72 vs K-JET.

選曲
NCHO72:Hypersonik
K-JET.:Breaking the ground
試合結果:NCHO72 WIN!!

 NCHO72選手はBPLでも選曲されたトリルが厳しいHypersonikを選択しました。互いにR-RANを選択しましたが、NCHO72選手はmax-18というぶっ飛んだスコアを出して勝利を飾りました。
 続くK-JET.選手もまたトリルが厳しいBreaking the groundを選択。K-JET.選手は開幕で研究した押し方を披露したものの、3点差の超接戦を制したNCHO72選手が2タテとなりました。

大将 -CHORD-
FREAKY vs M-JET.

選曲
FREAKY:ドッキン☆サマーあばんちゅーる
M-JET.:DAWN -THE NEXT ENDEAVOUR-
試合結果:FREAKY WIN!!

 FREAKY選手は得意分野の物量系ではなく、スクラッチ複合が難しいドッキン☆サマーあばんちゅーるを選択しました。FREAKY選手はR-RAN、M-JET選手はRANDOMとオプションが分かれる中、最後まで点差がほとんどつかない超接戦に。最終的には1点差でFREAKY選手がポイントを勝ち取りました
 M-JET.選手は忍耐力が問われる中速乱打譜面のDAWN -THE NEXT ENDEAVOUR-を選択しました。オプションはFREAKY選手がR-RAN、M-JET.選手がRANDOMとなりましたが、最後まで安定して叩き切ったFREAKY選手が2タテとなりました。

 チームふぁんびは2試合通して失点がわずか1点というとんでもない強さを見せつけました。とはいえ、各選手しっかりと見せ場を作ったJET軍団も敗退するには惜しい強さを見せており、早くもとんでもない大会であることを感じさせました。

Bブロック

第1試合
ガチオシパーティ♡プリキュア vs しろひたりん

自己紹介で強烈なインパクトを残したプリキュアと、現代ビートマニアを担う新世代チームしろひたりんの対決となりました。互いの持ち味が存分に発揮されたいい試合でした。

先鋒 -CHORD-
EGPT vs HITA*

選曲
EGPT:thunder HOUSE NATION Remix
HITA*:beatAffection
試合結果:EGPT WIN!!

 EGPT選手は自身の得意とする低速ガチ押し曲thunder HOUSE NATION Remixを選択しました。ここでEGPT選手はS-RANを選択し、HITA*選手はRANDOMとオプションが分かれましたが、HITA*選手の譜面が右に偏ったところを逃さず勝負強さを発揮したEGPT選手が先制ポイントを決めました。
 続くHITA*選手は横に広い配置が目立つbeatAffectionを選択しました。HITA*選手らしい、対策していないとびっくりする譜面ですね。R-RANを選んだHITA*選手があまり割れない微妙な配置を引いた中、対策済みなのか正規を選択したEGPT選手が自己ベストを11点伸ばす好スコアを叩き出して2タテとなりました。

中堅 -NOTES-
ENMT! vs RIN

選曲
ENMT!:Aegis
RIN:Garuda
試合結果:ENMT! WIN!!

 ENMT!選手はNOTESの中でも異彩を放つCHARGEが目立つ譜面のAegisを選択しました(絵がめっちゃ上手いし可愛い)。ENMT!選手はMIRROR、RIN選手はRANDOMとオプションが分かれましたが、安定感のあるプレーを魅せたENMT!選手がまずポイントをとりました
 RIN選手はイメージとはちょっと異なるテクニカルズレ譜面のGarudaを選択しました(ガチ押しは国民の義務)。両者RANDOMを選びましたが、RIN選手のRANDOMは少々ハズレ気味に。その差を逃さず、max-70のPERFECTを達成したENMT!選手が2タテを達成し、ガチオシパーティ♡プリキュアの勢いを加速させました。

大将 -PEAK-
TENIN vs 46

選曲
TENIN:Broken
46:煉獄のエルフェリア
試合結果:46 WIN!!

開脚対決TENIN選手は中速16分の精度が求められるBrokenを選択しました(ガチ押しで破壊)。両者RANDOMで大きなハズレ個所もない譜面を引いた中、序盤から判定をガッチリと掴んだ46選手がカウンターを決めました(max-37…!?)
 46選手は得意のPEAK力が活かせる煉獄のエルフェリアを選択しました(破壊を上回る破壊)。序盤のガチ押しパートはTENIN選手が大きくリードをしましたが、中盤の高密度乱打で一気に46選手が追い上げてあわや3900のぶっ飛んだスコアを叩き出して勝利、初戦を引き分けに持ち込みました。
 チーム戦における大将戦の重要性と、46選手のオーバーすぎるスペックの高さに改めて驚かされた試合でした。

第2試合
しろひたりん vs チームサウナレインボー

 曲者揃いの試合でも武器を磨き上げて挑んだしろひたりんでしたが、実力未知数のサウナレインボーが恐ろしい勝負強さを発揮してしまいました。もしかして、サウナの力ってすごい?

先鋒 -SCRATCH-
46 vs MODORU

選曲
46:rottel-da-sun
MODORU:Midnight Drive
試合結果:DRAW

 ある意味アピナ対決となったこの試合、まず先攻となる46選手が選んだのはスクラッチ複合力が問われるrottel-da-sun。46選手は正規、MODORU選手はRANDOMを選び、大きな差がつかない接戦が終始続きましたが、最後は自選の意地を見せた46選手が15点差をつけて勝利となりました。
 続くMODORU選手の選曲は低速スクラッチを丁寧に処理するスキルが求められるMidnight Drive。46選手はRANDOM、MODORU選手がRANDOMとオプションが分かれましたが、中盤のスクラッチ地帯からMODORU選手がジワジワと点差をつけ、11点差でそのまま逃げ切って引き分けに持ち込みました。

中堅 -SOF-LAN-
HITA* vs DJGRAM

選曲
HITA*:(This Is Not) The Angels
DJGRAM:D
試合結果:DJGRAM WIN!!

 HITA*選手はガチ押し力と停止部分の対策が重要になる(This Is Not) The Angelsを選択しました(プリキュアの力を借りた選曲)。互いにRANDOMを選択し(両者ハズレ気味って地獄か?)停止への対策をしっかりとしてきた両者ですが、結果はまさかのお互い2644点で同点。他選を止めたDJGRAM選手はホッとした表情を浮かべる中、追い込まれる形となったHITA*選手は不安そうに見えました。
 そして後攻のDJGRAM選手はアピナのテーマ曲ともいえるTHE・SOF-LAN譜面のDを選択しました。HITA*選手はRANDOMで最悪の配置を引いてしまった中、正規で安定感のあるプレーができたDJGRAM選手が2タテとなりました。

大将 -SCRATCH-
RIN vs 1-PIN

選曲
RIN:Plan 8
1-PIN:バッド・スイーツ、バッド・ドリーム
試合結果:1-PIN WIN!!

 RIN選手は強敵1-PIN選手相手に必殺の武器であるPlan 8を惜しむことなく切ってきました。RIN選手はRANDOM、1-PIN選手はMIRRORと分かれましたが、RIN選手の譜面は少々ハズレ気味に。とはいえトリルでは大きな差がつかないハイレベルな戦いの中、ラストのラッシュで一気に突き放した1-PIN選手が勝利となりました。
 続く1-PIN選手の選曲は、BPL決勝で苦い思い出があるはずのバッド・スイーツ、バッド・ドリーム。不意を突いた選曲に思わず会場の空気も少し変になりました。両者正規と正面からぶつかり合う戦いの中、大台の3600付近を叩き出した1-PIN選手が勝利をつかみ取り、2タテを決めてサウナレインボーの勝利となりました。
 ダークホースのサウナレインボーのまさかの活躍により、チーム戦はますます行く末が分からなくなりました。

第3試合
チームサウナレインボー vs ガチオシパーティ♡プリキュア

 第5試合に続きキワモノジャンルが揃った試合でしたが、どの選手も必殺の武器で素晴らしいバトルを繰り広げました。対策が必要なジャンルゆえに、各選手のプレーに個性が光る試合でもありましたね。

先鋒 -SOF-LAN-
MODORU vs TENIN

選曲
MODORU:Agnus Dei
TENIN:GRADIUS -FULL SPEED-
試合結果:TENIN WIN!!

 MODORU選手はSOF-LAN曲の中ではほとんど速度変化のないAgnus Deiを選択しました。両者RANDOMであまり変わらない譜面となりましたが、後半のガチ押しパートで驚異的な精度力を見せたTENIN選手が他選を食う形で勝利となりました。
 後攻のTENIN選手はちょっと意外な純粋ソフラン譜面のGRADIUS -FULL SPEED-を選択しました。対策力がものをいうこの曲ですが、両者RANDOMには嫌われたように見えました。ソフラン対策は両者バッチリと決めてきましたが、自選のプライドを発揮したTENIN選手が勝利し2タテを決めました

中堅 -CHARGE-
1-PIN vs EGPT

選曲
1-PIN:Wolf 1061
EGPT:Sakura Reflection
試合結果:1-PIN WIN!!

 1-PIN選手は得意の高速物量譜面であるWolf 1061を選びました。(意外にも?)両者正規で挑む中、驚異的な精度を発揮した1-PIN選手が25点ものリードをつけて先制しました(EGPT選手も自己ベストを13点伸ばす好プレーなのですが…)。
 EGPT選手の選曲は同時押しを光らせる集中力が要求されるSakura Reflection。両者RANDOMで大きな点差が全くつかない接戦が終始続きましたが、1-PIN選手がmax-5というぶっ飛んだ記録を叩き出して2タテとなりました。プロ怖い。

大将 -SOF-LAN-
DJGRAM vs ENMT!

選曲
DJGRAM:Fascination MAXX
ENMT!:ピアノ協奏曲第1番”蠍火”
試合結果:DRAW

 DJGRAM選手は知る人ぞ知る必殺の武器曲であるFascination MAXXを繰り出してきました。DJGRAM選手はMIRROR、ENMT!選手は正規と対策は十分ですが、DJGRAM選手の対策がやはり一枚上手となり、序盤から独特の運指を見せると終始ENMT!選手を寄せ付けず、2413点という高いスコアを叩き出して勝利しました。
 ENMT!選手は高速の鍵盤を丁寧に捌くスキルが求められるピアノ協奏曲第1番”蠍火”を選択しました。両者RANDOMで譜面も大きく外れてはいませんでしたが、ENMT!選手がDJGRAM選手の苦手をしっかりと刺す形で大きく点差をつけ勝利となりました。
 チームの成績としてはサウナレインボーの勝利となりましたが、プリキュアのメンバーも高いパフォーマンスを発揮したとてもいい試合でした。

準決勝

第1試合
チームふぁんび vs ガチオシパーティ♡プリキュア

 ここからジャンルがフリーとなるため、本格的にお互いの魂のぶつかり合いが始まりました。それにしても、ジャンルフリーの中他選を食える選手は、1段階上の勝負強さを持っていると感じましたね。

先鋒
STYU-- vs EGPT

選曲
STYU--:灼熱Beach Side Bunny (Masayoshi Iimori Remix)
EGPT:KAMIKAZE
試合結果:STYU-- WIN!!

 早速互いの得意分野を正面からぶつけた対決となりました。
 STYU--選手は得意の中速スクラッチ曲である灼熱Beach Side Bunny (Masayoshi Iimori Remix)を選択しました。STYU--選手はMIRROR、EGPT選手は正規と定番のオプション選択となりましたが、STYU--選手がmax-29とかなりのスコアを叩き出して勝利となりました(BPLのどのスコアよりも高いらしいです…???)。
 EGPT選手は低速ガチ押し曲のKAMIKAZEを選択しました。1曲目と同様にSTYU--選手はMIRROR、EGPT選手は正規となりましたが、STYU--選手がmax-11とまたまたとんでもないスコアを叩き出してしまい、2タテを達成しました(もう実質プロです)。

中堅
NCHO72 vs ENMT!

選曲
NCHO72:Macuilxochitl
ENMT!:Beat Juggling Mix
試合結果:NCHO72 WIN!!

 ガチオシパーティ♡プリキュアというチーム名に憤りを感じていた「魂の腕押し」NCHO72選手が選んだのは、中速乱打のMacuilxochitl。オプションは両者RANDOMですが、ガチ押しをわからせに来た必殺の選曲でmax-27という異常スコアを出したNCHO72選手がまずは先制しました。
 続くENMT!選手はべあー杯裏テーマ曲のBeat Juggling Mixを選択しました(Don't StopとOn my wayと…ビージャグ???)。両者R-RANでトリルも当たる良配置での対決ですが、最後の最後で6点差をつけて追い抜いたNCHO72選手がポイントをもぎ取り2タテとなりました。

大将
FREAKY vs TENIN

選曲
FREAKY:Confiserie
TENIN:GO OVER WITH GLARE -ROOTAGE 26-
試合結果:FREAKY WIN!!

 両者ともに重い譜面を得意とする選手の対決となり、準決勝ではありますが、ボス曲対決となってしまいました。
 FREAKY選手は自身の運指(手首皿)で優位をとれるConfiserieを選択しました(この時のTENIN選手の嫌そうな表情は必見)。RANDOMの配置はTENIN選手が少々有利に見えましたが、FREAKY選手は流石の安定感を見せて、3525点と好スコアを出して勝利となりました。
 続くTENIN選手の選曲はガチ押し曲最高峰の重さを誇るGO OVER WITH GLARE -ROOTAGE 26-。両者RANDOMを選択し良い譜面を引き当てましたが、中盤のブレイク時点でほとんど同点に。そんな中3900点を出してしまったFREAKY選手がTENIN選手の選曲を食い荒らし、2タテを達成しました。
 これにてチームふぁんびは全タテで準決勝を突破しました。驚異的な強さを前に、高い本番力を発揮したプリキュアの敗退は非常に惜しいと感じました。

第2試合
チームサウナレインボー vs 本厚木スタイル

この試合は本当にどちらが勝つか最後まで分かりませんでした。いつの時代もどの場面でも、逆転劇はドラマチックだなと感じました。

先鋒
DJGRAM vs IIDX30

選曲
DJGRAM:Neonlights
IIDX30:DXY!
試合結果:IIDX30 WIN!!

 tricoroから楽曲提供をしている(ほかにそんなこと言える人なかなかいないぞ…)DJGRAM選手が選んだのは、ゲストDJであるDJ Norikenさんの曲であるNeonlights。この粋な選曲に会場は一気に湧きあがりました。トリル主体の譜面であるためか、IIDX30選手がRANDOMを選んだ一方でDJGRAM選手はR-RANを選択しました。とはいえ中速乱打はIIDX30選手の得意フィールドであるためか、IIDX30選手が22点差をつけてカウンターを決めました
 勢いに乗るIIDX30選手が選択したのは曲者ガチ押し曲のDXY!。両者S-RANでガチ押し対決となりましたが、ガチ押し力は全選手の中でもトップクラスのIIDX30選手。DJGRAM選手を全く寄せ付けない圧巻のプレーで2タテを決めていきました。

中堅
MODORU vs PPJT

選曲
MODORU:#The_Relentless
PPJT:Ventriloquist
試合結果:PPJT WIN!!

 MODORU選手が選んだのは、またしてもDJ Norikenさんの曲である#The_Relentless。完全に流れを作ったサウナレインボーの選曲に、さらに会場が熱くなりました。プレーサイドの異なる両選手ですが、譜面はともに正規での対決となりました。序盤はあまり差がありませんでしたが、ジワジワと差をつけていったPPJT選手がまずポイントを獲得しました。
 続くPPJT選手は細かいズレが目立つ技巧派譜面のVentriloquistを選択しました。MODORU選手はRANDOMで挑む中、PPJT選手は正規とちょっと意外な選択しました。とはいえ自選で安定感抜群のプレーをみせたPPJT選手が勝利となり、2タテとなりました。

大将
1-PIN vs I6VV

選曲
1-PIN:Illusionary Waterlily
I6VV:DIAVOLO
試合結果:1-PIN WIN!!

 チームサウナレインボーの1-PIN選手は、流れ通りDJ Norikenさんの曲であるIllusionary Waterlilyを選択しました。1-PIN選手はMIRROR、I6VV選手は正規とオプションが分かれましたが、高速皿複合譜面とあり1-PIN選手の強みを無駄なく活かせるのもあって、31点としっかり差をつけた1-PIN選手がポイントを取りました
 後攻のI6VV選手はランダム非同期大会で投げられたくない曲第一位(自分調べ)であるDIAVOLOを選択しました。1-PIN選手に強い念を送ってRANDOMハズレを狙ったI6VV選手でしたが、譜面は両者ハズレ気味に。そんな中でも自己ベスト-26と高いパフォーマンスを発揮した1-PIN選手に軍配が上がり、べあー杯名物サドンデスに突入となりました。

サドンデス
1-PIN vs I6VV

選曲
1-PIN:HAERETICUS
I6VV:バッド・スイーツ、バッド・ドリーム
試合結果:1-PIN WIN!!

 サドンデスともあり、お互いの必殺の武器に注目が集まっていました。そんな中まず先攻の1-PIN選手が選んだのは、ズレジャリ系譜面の代名詞でもあるHAERETICUS。互いに正規で正面からのぶつかり合いとなりましたが、1-PIN選手はI6VV選手を全く寄せ付けない圧倒的なプレーを魅せ、余裕の勝利となりました。
 追い込まれたI6VV選手がここでくりだしたのはバッド・スイーツ、バッド・ドリームBPL決勝戦の副将戦を思い出させる選曲に、おそらくこの日一番会場が盛り上がっていたのではないでしょうか。オプションもあの日と同じく1-PIN選手が正規、I6VV選手がR-RANとなり、まるでプリズムホールにいるかのような錯覚さえ感じました。しかし、試合展開はあの時と異なりブレイク時点でほとんど点差がつかない超接戦に。最後は僅か2点というギリギリの戦いを制し、リベンジを果たした1-PIN選手が勝利をつかみとって、サウナレインボーの決勝進出を決めました(解説の立場を忘れたU76NERさんと、司会の立場を忘れたべあーさんの喜び方がとんでもなかったです)。

決勝
チームふぁんび vs チームサウナレインボー

 決勝戦は期待に恥じない強さを発揮し続けたチームふぁんびと、実力未知数ながら登り詰めたサウナレインボーの対決となりました。チーム戦の最後を飾るに相応しい熱き戦いにずっと心が揺さぶられました。

先鋒
NCHO72 vs MODORU

選曲
NCHO72:Shining World
MODORU:Ska-sh All Neurons!!
試合結果:NCHO72 WIN!!

 決勝までくると、これまで以上に情け容赦のない選曲が飛び交うこととなりました。
 まず、決勝の開幕を飾るNCHO72選手の選曲はShining World理論値を叩き出しているこの曲を繰り出したことに、NCHO72選手の勝ちに対する妥協の無さが見えました。NCHO72選手はS-RAN、MODORU選手はRANDOMを選択しましたが、理論値達成者の精度の高さは人智を超えており、max-4を叩き出して先制を決めました
 続くMODORU選手は細かいトリルや変則リズムが多いテクニカル譜面のSka-sh All Neurons!!を選択しました。NCHO72選手はRANDOM、MODORU選手はR-RANとなりましたが、序盤でジワリとつけた差を守り切ったNCHO72選手がリードを保ち続けて、2タテとなりました。

次鋒
STYU-- vs DJGRAM

選曲
STYU--:Sweet Radar
DJGRAM:FEEL IT
試合結果:STYU-- WIN!!

 STYU--選手が選んだのはDJ Genkiさんの名曲であるSweet Radarを選択しました(思わずお辞儀してしまうDJGRAM選手)。両者RANDOMでの勝負となりましたが、序盤で判定を完全につかみ切ったSTYU--選手は後半で全く黄ばまない完璧なプレーを魅せ、max-5を叩き出して勝利となりました。
 DJGRAM選手が選んだのは長いトリルが難しいFEEL IT。大会で選ばないでほしい曲を選べる度胸、すごい。オプションはSTYU--選手が正規、DJGRAM選手がMIRRORと順当に分かれましたが、トリルは両者ほとんどこぼさないハイレベルな戦いに。その中でも終始安定したパフォーマンスを発揮し続けたSTYU--選手がmax-25を叩き出して2タテを飾りました。

中堅
FREAKY vs 1-PIN

選曲
FREAKY:532nm
1-PIN:IDC feat.REVERBEE (Mo'Cuts Ver)
試合結果:1-PIN WIN!!

鍵盤に自信を持つFREAKY選手が選んだ楽曲は532nm。両者R-RANではあるものの、互いに難所が残る微妙な譜面に。大きく点差がつかない接戦の中、最後のフレーズを押し切った1-PIN選手がまず先制点を取りました
 続く1-PIN選手は、FREAKY選手の弱点を突くズレハネスクラッチ複合曲のIDC feat.REVERBEE (Mo'Cuts Ver)を選びました。FREAKY選手はS-RAN、1-PIN選手は正規とオプションが分かれましたが、序盤から圧倒的なパフォーマンスをみせた1-PIN選手が大台の2200点をしっかりと乗せて2タテを達成しました。

副将
STYU-- vs DJGRAM

選曲
STYU--:BLACK.by X-Cross Fade
DJGRAM:桜
試合結果:STYU-- WIN!!

 ここにきてSTYU--選手は必殺の武器であるBLACK.by X-Cross Fadeを繰り出しました。STYU--選手はRANDOM、DJGRAM選手はR-RANとオプションが分かれましたが、圧倒的な安定感を見せたSTYU--選手が危なげなく勝利となりました。
 STYU--選手にペースを持っていかれたDJGRAM選手が繰り出した切り札は桜(選曲を受け取った時、桜川って何?と思っていました…)。両者S-RANとお馴染みのオプションとなりましたが、序盤から判定を素早くつかんだSTYU--選手が2タテとなり、勝負は最終戦まで分からない展開となりました。

大将
FREAKY vs 1-PIN

選曲
FREAKY:Fascination MAXX
1-PIN:199024club -Re:BounceKiller-
試合結果:1-PIN WIN!!

 両者意外な選曲となりました。FREAKY選手は得意な物量譜面ではなく、ソフラン曲の代名詞であるFascination MAXXを選択しました。FREAKY選手はMIRROR、1-PIN選手はRANDOMとオプションが分かれ、さらに1-PIN選手は皿チョンを駆使してハイスピードを細かく変えるプレーをみせました。大きな点差が全くつかない接戦の中、14点というわずかな差を制した1-PIN選手が勝利となりました。
 続く1-PIN選手が選んだのは長い不規則スクラッチ譜面の199024club -Re:BounceKiller-。スクラッチ譜面を選んだことから、FREAKY選手を刺しに行った選曲であることが伺えました。FREAKY選手はRANDOM、1-PIN選手はMIRRORとオプションが分かれましたが、最初のスクラッチから完全に判定を掴んだ1-PIN選手が圧巻のプレーを見せつけ2タテをかざり、勝負は延長戦へ突入となりました。

サドンデス
STYU-- vs 1-PIN

選曲:Highcharge Divolt
試合結果:1-PIN WIN!!

 なんと、(意外にも?)べあー杯始まって以来初となる決勝戦でのサドンデスとなりました。K-CHA*さんとU76NERさんが同時にランダムセレクトして引き当てた曲はHighcharge Divolt。約1か月前に行われたThe King of Party Rockers2でも最終決戦の曲として選ばれた譜面とあり、大会の締めくくりにふさわしい選曲となりました。
互いのチームから代表者を選出して対決となった最終試合、登板するのはもちろんSTYU--選手と1-PIN選手。現代ビートマニアを担う両者の決戦は見ていて胸が熱くなりました。両者のオプションはR-RAN、そして終始大きく点差がつかない超接戦の中、わずか7点の差で意地を見せた1-PIN選手が勝利をつかみ取り、チームサウナレインボーが優勝となりました!エースの1-PIN選手の実力はもちろんのこと、MODORU選手、DJGRAM選手が見せ場を作って繋いできた優勝とあり、非常に感動的なものだなと感じました。もちろん、準優勝のふぁんびをはじめ、JET軍団、本厚木スタイル、しろひたりん、ガチオシパーティ♡プリキュアの選手の皆様も非常に熱い戦いの数々を作り上げており、2022年最高の大会となったのは間違いないと思います。最高の戦いをありがとうございました!

最後に

過去のべあー杯どころか、他の大会と比べても負けず劣らずどころか異常なほどの盛り上がりを見せた第5回 べあー杯のチーム戦、いかがでしたでしょうか。こんないい大会に少しでもお手伝いできたことがとても嬉しいです。
 ただ、べあー杯はチーム戦だけではありません。2日目となる個人戦も非常に熱い戦いの数々を繰り広げてきました。2022年は最後の開催となりましたが、来年も、さらにその先も、IIDXの歴史に名を残し続ける大会であってほしいと思います。

がんばります