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【感想】BPL Season3 -SDVX- Regular Stage 第19試合・第20試合・第21試合・第3試合 振り返り

 こんにちは、T2-Kです。レギュラーシーズン最終週、上位2チームはすでに決勝トーナメントが確定していますが、残り2枠を賭けた戦いは熾烈極まりないものとなりました。

BPLS3 公式サイト

BPLS3 Regular Stage 第19試合・第20試合・第21試合・第3試合

第19試合
APINA VRAMeS VS GiGO

 第18試合終了時点で決勝トーナメント進出のボーダー争いをする2チームによる直接対決です。ここで勝たないとレギュラーシーズン敗退濃厚となる絶対に負けられない戦い、どの選手もいつも以上に気合が入っているように思えました。

先鋒 -MEGA MIX BATTLE-
KND*48TE VS SIRON.

試合結果
KND*48TE WIN!!

 先鋒戦は今季不調気味ながら前回初見課題曲PUCで勢いをつけるKND*48TE選手と、どんな状況でも変わらず高いパフォーマンスを見せるSIRON.選手の対決となりました。波に乗るKND*48TE選手か、ブレないSIRON.選手か、チームのためにポイントを持っていけるのはどちらでしょう。
 KND*48TE選手は高速高密度の鍵盤がメインですが、1つだけ#Fairy_dancing_in_lakeが異彩を放っています。対するSIRON.選手はトリッキーな要素が強い譜面をメインにそろえており、かつSuddeИDeathが被りました。やはりいきなりSuddeИDeathが2ターン連続で選ばれ、両者PUCで通過。そこから自選の通し合いにEXCEED GEARのクロスカウンター、さらに自選のクロスカウンターと膠着状態が続きましたが、10ターン目にKND*48TE選手がIce FortressをEXCEED GEAR Lv2で通しリードを確保。しかしSIRON.選手も返しのターンにSAMURAI TIGERをEXCEED GEAR Lv3で決めてすぐ追いつくと、最後は文字通りSuddeИDeathで勝負。最後は24分混じりのフレーズをしっかり光らせたKND*48TE選手が取り、16-14で勝利となりました。今季苦しい戦いが続いたKND*48TE選手でしたが、それまでの苦しみを一気に吹き飛ばす見事なプレーでした。

中堅 -NOTES-
YU11 & PAPER. VS --H.R.-- & SIRON.

選曲
APINA VRAMeS:デンデラパーティーナイト
GiGO:gigadelic -stance xxxx-

試合結果
GiGO WIN!!

 先鋒戦の勝利で勢いに乗りたいアピナはYU11選手&PAPER.選手NOTES最強コンビが登場。対するGiGOも鍵盤力に自信のある--H.R.--選手とSIRON.選手を出してきました。Lv17での対決とあり、1つのCRITICALでさえ命取りになる勝負が予想されました。
 アピナの選択は跳ねっぱなしの鍵盤を叩き続けるデンデラパーティーナイト。解説でも触れられた通り今季のアピナはハネリズム譜面が多いですが、そんな一発スコアがブレやすい譜面を平気で投げてしまうアピナの心臓の強さにびっくりです。ただGiGOの2人も全く刺さらずほとんど僅差での戦いとなりましたが、終盤にGiGOがリードを稼いで勝利…かと思いきや最後の最後で同点決着アピナとしては救われた、GiGOとしては少し痛い結果となってしまいました。
GiGOの選曲は3連符混じりのフレーズに細かいトリルが何度も襲い掛かるgigadelic -stance xxxx-となりました。YU11選手と--H.R.--選手はMIRRORを選択、序盤のフレーズはほとんど僅差でしたが中盤の交互押しでGiGOがリード…と思いきやすぐに横並びとこちらも息が詰まる展開に。しかし終盤のフレーズで崩れず走り切ったGiGOが勝利となりました。特にSIRON.選手はMAX-7を叩き出しており、先鋒戦の結果を完全に吹き飛ばす会心の出来だったと思います。

大将 -HAND-TRIP-
PAPER. VS DPE

選曲
PAPER.:Juωpscare!!
DPE:ARROW RAIN feat. ayame⇒ストラテジー⇒SAtAN
新曲:異次元の孤独~カナタノキミヘ~
試合結果
PAPER. WIN!!

 ここまで同点という展開で迎えた大将戦、出場するのは中堅戦で少し崩れてしまっていたPAPER.選手と本日初登場のDPE選手となりました。同じ3巡指名同士の対決、強さを見せるのはいったいどちらでしょう。
 PAPER.選手はBPM変化に変則リズム、片手処理と予習力が問われるJuωpscare!!を選択。序盤の加速で少しPAPER.選手が前に出ると、そこからほとんど崩れることなくMAX-7を叩き出して勝利となりました。知っていても崩れやすい譜面ながら自己ベストタイを出してしまうPAPER.選手、まさに"神"暴龍天でした。
 DPE選手は序盤・中盤・終盤に来るツマミが複雑なARROW RAIN feat. ayameを選びましたが、当然ストラテジーを喰らいました。選ばれたのはBPM300で複雑なトリル・縦連・片手処理が飛んでくるSAtAN予習なしの一発勝負では到底やりたくない凄まじい譜面になりました。点差が激しく入れ替わる忙しい展開となりましたが、中盤のツマミとトリルでDPE選手が大幅リードに成功。その後もお互い難所を着実に乗り切りましたが、最後までリードを守ったDPE選手が勝利となりました。
 ここにきて両チームとも6ポイント、文字通りお互いの運命を決める初見課題曲RoughSkreamZによる異次元の孤独~カナタノキミヘ~となりました。BPM250で全体に広がるノーツレーダーと非常に目が引くものとなりましたが、中身も当然HAND-TRIPどころじゃないトンデモ譜面になっていました。序盤はDPE選手が快調に飛ばしていきましたが、PAPER.選手がすぐに追いつきHAND-TRIPラッシュで大幅リード。初見でやらせるとは到底思えない配置の連続ながら、出張ツマミに超高速鍵盤をしっかり取り切ったPAPER.選手が勝利を決めました。チームメイトに囲まれるPAPER.選手とただ立ち尽くすDPE選手、チームの明暗がこうもくっきり映るとは…

 大将戦の結果により、8-6でアピナが勝利、決勝トーナメント進出の切符を掴みましたチーム全員がポイントを取って勝利という鮮やかさは感動を誘いました。ただGiGOは条件次第によってはセミファイナル進出があるという立ち位置。他チームの結果次第ですが、チャンスを掴みたいと強く思っているでしょう。

第20試合
ROUND1 VS GAME PANIC

 決勝トーナメント進出のためには2連勝が欲しいラウンドワン、しかしここで当たるのは暫定首位に立つゲームパニックと非常につらい相手になりました。しかし優勝のためには避けられない戦い、ここで勝って望みを繋ぎたいところです。

先鋒 -MEGA MIX BATTLE-
BOLL VS PURAIMU

試合結果
BOLLWIN!!

 ラウンドワンはエースBOLL選手をぶつけ、チームに流れを持ち込みに行きました。対するゲーパニはもちろんメガミックスバトルの神PURAIMU選手を起用し真っ向勝負。今季不調のBOLL選手と新規参戦ながら着実に強さを見せるPURAIMU選手、どちらに勝利の女神が微笑むでしょうか。
 どちらの選手もジャンルがバラバラの選曲となりましたが、BOLL選手は横に広い鍵盤、PURAIMU選手はテクニカルな譜面に少し寄った印象です。試合は3ターン目にPURAIMU選手が自選のQuaint EchoをPUCして少し優位に立ちましたが、二の矢で放った音楽 -resolve-をBOLL選手がカウンターし、さらにGanymede kamome mixで区間S-PUC(そしてカメラを間違えてドヤ顔)と信じられないことをやってのけました。ここで流れを掴んだBOLL選手はその後もPURAIMU選手がEXCEED GEARで放ったCelestial stingerをきっちり跳ね返し、Completeness Under Incompletenessで追撃を決めて大幅リード。PURAIMU選手もLast ConcertoでEXCEED GEARを決めましたが、最後はBOLL選手がGanymede kamome mixを決めて25-10で勝利となりました。ここまで本調子が出ていないように見えたBOLL選手でしたが、ここまで完璧なプレーをしての復活はゲーパニ(そしてTradz)に恐怖を感じさせたでしょう。

中堅 -TRICKY-
BOLL & REIK VS PURAIMU & KN5

選曲
ROUND1:ENDYMION
GAME PANIC:ウエンレラの氷華
試合結果
ROUND1 WIN!!

 ここで一気にポイントを稼ぎたいラウンドワン、BOLL選手とREIK選手で勝負を賭けます。ただ相手はPURAIMU選手KN5選手どこからどう攻めても難しい2人。ラウンドワンは一度掴んだ流れに乗るか、それともゲーパニが勢いを取り返すのか…
 ラウンドワンの選択はお馴染み激しいソフランに容赦ない配置のENDYMION。BOLL選手は大胆にも開幕の低速でギアチェンを駆使するプレーを見せましたが、開幕はゲーパニが少し優勢となりました。しかし段々ラウンドワンがジワジワとリードしていき、BOLL選手はUC、REIK選手はPUCで勝利となりました。ラウンドワンはとにかく大きく崩れる箇所がなく、こんな譜面でも安定感をしっかり見せてきました。
 ゲーパニは何度も来る縦連が厄介なウエンレラの氷華第2試合のレジャラン対GiGO戦と全く同じ選曲になるミラクルが炸裂しましたが、それだけこの曲は対策が難しいということの表れでしょう。とはいえ4選手とも安定感を見せますが、他選のラウンドワンがとにかく高い精度で縦連を切り抜け、REIK選手はMAX-7、BOLL選手に至ってはMAX-5でカウンターとなりました。この安定感を見せつけられてしまってはどうしようもないというか…ラウンドワンがここで大きな2タテを達成し、大将戦にバトンを繋ぎます。

大将 -NOTES-
XD*POTE. VS KANEKO

選曲
XD*POTE.:VVelcome!!⇒ストラテジー⇒Vanishing Eidos
KANEKO:graduation
新曲 :SΛMVICΛ
試合結果
KANEKO WIN!!

 大将戦、ラウンドワンの運命を決めるのは初見課題曲PUCを初めて達成した記録を持つXD*POTE.選手となりました。ゲーパニは3タテ必須でしかも引き分けにしかならない厳しい状況ですが、ここで出てくるのは窮地から何度もチームを救ってきた"SDVX HERO"KANEKO選手。お互いのチームのプライドを賭けた試合が始まります。
 XD*POTE.選手は高速の8分縦連主体の乱打が忙しいVVelcome!!を選びましたが、もちろんストラテジーの餌食となりました。選ばれたのは何度も来る独特な配置の高物量ラッシュが難しいVanishing Eidosとなりました。いきなりやるには厳しい譜面ですが、わずかにXD*POTE.選手が前に出た状態で勝負は進行していきました。しかし中盤の片手処理で少しKANEKO選手が逆転してからは少しずつ押しはじめ、MAX-20で勝利となりました。XD*POTE.選手はPUCを達成したのですが、S-CRITICALの精度差で大きく結果が分かれることになりました。
 まずは1本とったKANEKO選手、ここで課題曲屈指の高物量曲であるgraduationで勝負を挑みます。勝負は序盤から圧倒的な精度で飛ばすKANEKO選手優勢の展開が続き、MAX-26でUCを決めて勝利となりました。鍵盤精度が難しい配置の曲にもかかわらずこのスコア、エースらしいですね。
 両チームの運命を決める最終課題曲、出てきたのはseatrus -Reborn-によるSΛMVICΛ昨シーズンシルクハットの選手として戦ったSEATRUS選手による楽曲であり、アーティスト名を見た瞬間思わず感極まるKANEKO選手の姿はBPL屈指の名シーンになったと思います(解説陣も思わず静かに試合を見守るモードになってしまいました)。そんな感動的な場面ですが、肝心の譜面は高速鍵盤に縦連がガシガシ絡む曲者に仕上がっていました。ですがそんな譜面でも終始圧巻の精度を保って見事PUCを叩き出したKANEKO選手、見事というほかありませんでした(ただ冷静に考えるとありえないことをやってのけていますね)。

 この結果により第20試合は6-6で引き分けとなりました。なんといってもKANEKO選手の3タテは今シーズン一番の見せ場だったと思います。チーム戦の奥深さを改めて見せたこの一戦、きっとこの先も語られ続けるでしょう。ただラウンドワンにとっても望みを繋ぐ引き分けであることも事実。残されたTradz戦、猶更負けられなくなりました。

第21試合
SILK HAT VS LEISURE LAND

 ここまで4勝のシルクハットが戦うのは、敗退確定ながら最後まで闘志を燃やし続けるレジャーランドレギュラーシーズン首位通過を狙いたいシルクハット最後に勝って終わりたいレジャーランド、それぞれの思惑が交差する熱き戦いとなりました。

先鋒 -MEGA MIX BATTLE-
DAIKI. VS PNT*EEB

試合結果
PNT*EEB WIN!!

 シルクハットからはどのポジションでもヤバさを見せつけるDAIKI.選手、レジャーランドからは今季未勝利ながら誰よりも楽しんで安定感のあるスコアを出し続けるPNT*EEB選手が登板となりました。容赦を感じないシルクハットの戦略に、PNT*EEB選手は意地を見せられるでしょうか。
 DAIKI.選手は高難易度の鍵盤譜面を中心に、PNT*EEB選手はツマミやハネリズムなどのクセモノ曲を揃えてきました。どれもいつも以上に研究量が問われる譜面ばかりなのがこの2人らしいです。試合は2ターン目にDemise Quartetを通したDAIKI.選手が少し優勢で進みましたが、PNT*EEB選手がThe setting sunをEXCEED GEAR Lv3で投げて両者区間S-PUC、DAIKI.選手がWitch in SweetslandでEXCEED GEAR Lv3を通す激しい乱打戦に。その後もDAIKI.選手が絶対零度(区間S-PUC)とQuaint Echo、PNT*EEB選手がREDO the NIGHT(区間S-PUC)をEXCEED GEARで通す展開となりましたが、ラストターンまでどちらが勝つかわからない状態に。最後はDAIKI.選手が選んだ絶対零度で見事にカウンターを決めたPNT*EEB選手が23-26で逆転勝利となりました。今シーズンポイントが取れず苦しんだPNT*EEB選手、これまでの苦労を全て吹き飛ばす最高の勝利を決めてきました。DAIKI.選手も悔しい敗北の中、笑顔でPNT*EEB選手を称えたのがよかったです。

中堅 -ONE-HAND-
DAIKI. & 082 VS KAWACH & PICOLTEX

選曲
SILK HAT:THE凸GENERATOR
LEISURE LAND:[E]
試合結果
SILK HAT WIN!!

 先鋒戦で思わぬ敗北を喫したシルクハットですが、中堅戦はDAIKI.選手&082選手の単発最凶コンビで取り返しに行きます。ただレジャーランドもKAWACH選手&PICOLTEX選手と一切譲るつもりのない2大エース布陣に。各チームの極限の戦いが始まります。
 シルクハットの選択はBPM255と高速の細かい鍵盤が何度も降ってくるTHE凸GENERATORとなりました。DAIKI.選手はMIRRORを選択、やはり自選のシルクハットは序盤から精度がとんでもないことになっており、サビの細かい鍵盤もほとんどCRITICALを出さず攻略。082選手はMAX-13、DAIKI.選手に至ってはMAX-2となんだかよくわからないスコアを出して勝利となりました。これそんな簡単に高スコアでるような譜面でしたっけ?
 レジャランはツマミがしつこく絡む片手処理が何度も飛んでくる[E]背中合わせですっごくカッコイイポーズを決めながら選択。全員ほとんど落とさない極限の対決ですが、終盤でわずかに鍵盤精度で上回ったシルクハットが5点差を制して勝利となりました。全員MAX-1桁でPUCというハイレベルな戦いですが、ここはわずかにシルクハットが制し2タテを達成。勝負は大将戦へと突入しました。

大将 -TRICKY-
STR VS KAWACH

選曲
STR:Levier'n NābYss
KAWACH:D.I.X.
※両チームストラテジーカード使用
新曲 :MΔX FLAVØR
試合結果
STR WIN!!

 大将戦は今シーズン無双状態のSTR選手TRICKYの魔神KAWACH選手の対決。お互いソフランから縦連までなんでもできるプレーヤーですが、最後に意地を見せるのはどちらでしょう。
 お互いのチームの最終戦ということもあり両チームストラテジーカードを使用し相殺。まずSTR選手が選んだのは高速の鍵盤とツマミ複合が非常に忙しいLevier'n NābYss。STR選手は開幕の高速16分乱打、8分同時押しから快調に伸ばしていき、難所を悉く攻略してMAX-11でPUCを決めて勝利となりました。いくら何でも高すぎやしませんか…?自己ベスト-1桁以内に収めてしまう安定感もまた怖いです。
 KAWACH選手は前代未聞のBPM1080まで上がるソフランが非常にインパクトの強いD.I.X.を選択。しかし勝負の分かれ目となりそうな低速地帯でSTR選手は全く崩れず中盤の大加速はお互い完璧で進行したことにより、精度差でSTR選手が稼いだ約10点のリードがずっと埋まることがないまま勝利となりました。終わってみればSTR選手は自己ベスト+5点、MAX-8と何が表示されているか理解ができない数字が浮かんでいました。有識者の方がいれば、これがどれくらい有り得ないか論文くらいの長さで語れると思います。
 図らずもソフラン祭りとなったこの試合の締めくくりは当然ソフラン曲。アーティストはEmoCosine overlay、もちろんアピナのアドバイザーであるEmoCosineさんによる楽曲です。BPM表記は125-261TRICKYに振り切ったレーダーからは到底いい予感などしないのですが、案の定ジワジワと下がるBPMに画面酔いしかねない激しい視点変更と非常にTRICKYの極みとなりました。そんな譜面でも涼しい顔でCHAINを繋げる両者ですが、やはり前半を繋ぎ切ったSTR選手が勝利となりました。初見でERROR1はもう予習しているとしか思えません。いや、予習していてもわからんが…

 結果は10-2でシルクハットが勝利、レギュラーシーズン1位通過を確定させました。DAIKI.選手、082選手の強さは昨シーズンから知られていたことでしたが、STR選手の前評判以上の活躍が非常に猛威になったと思います。決勝トーナメントではこの牙城を崩さないといけないというプレッシャー、他チームには非常にキツイものになったのではないでしょうか。
 レジャーランドは有終の美とはならなかったものの、PNT*EEB選手がポイントを獲得したことはとても大きかったと思います。悔しさはいくらでもあるとは思いますが、ファンとしては面白い試合で締めくくれてよかったと感じています。

第3試合
TAITO STATION Tradz VS ROUND1

 トラブルにより延期となった第3試合がレギュラーシーズンの締めくくりとなりました。引き分け以上という条件でレギュラーシーズン通過ライン上に立つTradzと、10pt以上での勝利という厳しい条件ながら最後まで決勝トーナメントへの可能性を残したラウンドワン両チームの明暗を分けるプライドを賭けた最後の戦いが始まります。

先鋒 -MEGA MIX BATTLE-
MURAKAMI VS BOLL

試合結果
BOLL WIN!!

 先鋒戦はMURAKAMI選手BOLL選手という片手力に強みを持つ選手同士の対決となりました。フィジカルからテクニカル系まで幅広く行える両選手、勝負が激しくなること間違いなしです。
 MURAKAMI選手は得意の片手処理が厳しい譜面を選択、BOLL選手はあらゆる方面のトリッキーを寄せ集めた譜面を選んできました。ここまでやりたくないと思わせる選曲はなかなかないと思います。そして難易度は異なるもののLast Concertoが重複しているのが気になりました。実際試合でもBOLL選手はLast Concertoで2回とも崩れず区間PUCを出しておりいい滑り出しとなりました。その後EXCEED GEARの名刺交換を挟み、9ターン目にBOLL選手がEXCEED GEAR Lv2で放ったFirestormで区間S-PUCしリードしたと思いきや、すぐMURAKAMI選手がAngels And DemonsをEXCEED GEAR Lv3で通して逆転しラストターン勝負に。最後はWish upon Twin Starsとなりましたが、他選ながらわずかの差で上回ったBOLL選手が制し、20-24で勝利となりました。ここでチームに勢いをもたらせる大きな勝利、エースBOLL選手だからこそなせることだと感じました。

中堅 -NOTES-
MURAKAMI & 350B1 VS XD*POTE. & REIK

選曲
TAITO STATION Tradz:Shanghai Wu Long ~上海舞龍~
ROUND1:量子の海のリントヴルム⇒ストラテジー⇒FIRE FIRE -DARK BLAZE REMIX-
試合結果
TAITO STATION Tradz WIN!!

 中堅戦、TradzはMURAKAMI選手&350B1選手パワーコンビを選択。ラウンドワンからはマルチタイプのXD*POTE.選手&REIK選手を出してきました。ここでどれだけポイントを稼げるかが両チームにとって大きな財産となりそうです。
 Tradzの選択は何度か来る縦連が非常に厄介なShanghai Wu Long ~上海舞龍~となりました。やはり勝負は開幕の縦連でTradz大幅リードとなり、その後ほとんど崩れることなく走り切って、MURAKAMI選手はMAX-12、350B1選手はMAX-11で勝利となりました。350B1選手は終盤までS-PUCペースだったほどおかしい精度を発揮しており、ラウンドワンとしては完全にしてやられた感じになったでしょう。
 そんなラウンドワンは微縦連の力加減が難しい量子の海のリントヴルムを選択しましたがあえなくストラテジーに。選ばれたのは正統派中高速鍵盤に突然やってくる同時押が怖いFIRE FIRE -DARK BLAZE REMIX-となりました。大幅に譜面傾向が変わってしまったラウンドワンですが、序盤からしっかり精度を発揮。終始横並びの展開となりましたが、最後はTradzが3点差を制して勝利となりました。全員スコアはぶっ飛んでいますが、MURAKAMI選手はMAX-8、350B1選手はMAX-3なのが驚きです。ただそんな中でもREIK選手は自己ベスト+5点となるMAX-2を出しており、中堅戦はTradz2タテとなったものの大将戦へ希望を繋げました。

大将 -TRICKY-
XD*LEVI. VS REIK

選曲
XD*LEVI.:*Feels Seasickness...*
REIK:m1dy Deluxe
新曲 :Crawl Out Immortal
試合結果
XD*LEVI. WIN!!

 ラウンドワンとしては最後の試合、ここでREIK選手が登板となりましたが、相手は超マルチタイプのエースXD*LEVI.選手と強敵中の強敵に。REIK選手は華麗な一撃でチームに勝利をもたらすことはできるでしょうか。
 しかしXD*LEVI.選手が選択したのは無慈悲にも激しいソフランと変拍子が難しい*Feels Seasickness...*となりました。試合は序盤からXD*LEVI.選手が抜群の精度を発揮開幕の速度変化でリードを作ると、そこから両者ほとんど崩れず。しかしこの差が決定打となり12点差でXD*LEVI.選手の勝利となりました。こんな譜面でも崩れない安定感、XD*LEVI.選手の強さを改めて感じました。
 REIK選手はBPM410の交互押し・軸に激しい視点変更が絡むm1dy Deluxeを選択。しかし序盤の乱打で痛恨のERRORハマりを起こしてしまい20点ほど差がついてしまうと、ここからほとんど崩れることはなかったもののXD*LEVI.選手がカウンターとなりました。本当に最初のハマりさえなければ可能性があった試合だけに、非常に悔しかったと思います。
 試合結果は決まりましたが、レギュラーシーズン締めくくりとなる最終課題曲。現れたのはU-skeさんによるCrawl Out Immortalお気に入りのキャラであるカヲル&アシタに歓喜するREIK選手はまさにボルテファンだと感じさせましたが、ノーツレーダーは形が妙に縦長でBPM変化なしというところに不穏さは否めませんでした。実際うねうねツマミに超長い縦連打というトンデモ譜面でしたが、なぜかXD*LEVI.選手はほとんど落とさず。ただ一方でREIK選手も序盤以外はほとんどS-CRITICALというトンデモ精度で白熱の戦いとなりましたが、最後は2点差でXD*LEVI.選手の勝利となりました。初見課題曲にもかかわらずXD*LEVI.選手はMAX-8、REIK選手はMAX-10という記録を出したことについては理解が及ばないのでもうここでは深堀りません。

 結果は10-2でTradzの勝利、セミファイナル進出となりました。チーム全員が改めて最高峰の実力者であることを誇示する一戦、2年連続優勝の可能性を感じさせるものでした。しかし一方のラウンドワンも最後まで果敢に戦った最高の試合だったと思います。この強さを見せてもレギュラーシーズン敗退になってしまうのは、今シーズンのレベルの高さを改めて感じさせました。そしてこの結果を受けて悔しいのはGiGOもまた同じ。前年度準優勝チームの敗退には衝撃を隠せません。何が起こるかわからないBPLS3、残りの試合もきっと様々なドラマが待ち構えているでしょう。

 次回はいよいよ3/20(水) 船橋アリーナにてセミファイナル・ファイナルが開催です。BPLS3の覇者が決まるその瞬間、私も現地にて見届けてきます。

がんばります