#デンマークつれづれ日誌その3

まだ続く厳しい規制のロックダウン

 今、デンマークは昨年12月16日以来ロックダウン最中、期限は2月7日迄とされていたので、解除はもうすぐと皆が期待していました。 が、1月28日の政府記者会見でまさかの延期。それも2月28日までだと発表されました。「エッ!もう一か月?」と誰でも悲鳴を上げたことでしょう。
昨年来、クリスマス、ニューイヤースイブを通して我慢の自粛生活が続いていたのに、ここにきて2月28日まで現行の新型コロナウイルス対策の厳格な規制措置の延長が求められるとは、感染者数が減少していたこともあり、想定外でした。

 私たちは、12月16日の第二回目のロックダウン発令以来、保育園を除く、全ての教育機関が閉鎖され、生徒・学生はオンライン授業に切り替わり、多くのサラリーマンや公務員は、在宅勤務に移行されました。
人の集まり、5名以内、人との間隔2メートルと厳しく、外で5名以上の人が群がっていると、警察の声が掛かり、2500kr。(約4万円)の罰金が課せられます。医療と食料品店は休みなく営業していますが、その他の商業施設、レストラン、カフェ等は、み~んな閉まっています。 
 オンライン授業やリモート就労もデジタル化が早い時期から推進されてきたデンマークでは、現在の所、低学年を含めて勉強の低下など大きな問題もなく進められていますが、低学年の児童にとっては、「クラスメートとの交流がない」という事が一番辛く、これはメンタル面で影響出るのでは、と精神医などは警告を鳴らしています。

 ロックダウン発令から一か月過ぎ、日毎に感染者数が減少し、感染者率も0.55迄減少した今、私たち素人には、「もう規制を緩和してもいいのでは。」と思われますが、敵は、どうも感染力が強いイギリス変異ウイルスで、今、社会活動を再開してしまうと2月中旬には、このイギリス変異ウイルスで爆発的な感染者増加になりかねない、というのが延期する理由とか。
 記者会見には、各専門分野の長(担当大臣)が、各省の専門家と協議した上で記者会見に臨み、首相を真ん中にしてコロナ対策に係わる省庁のトップがそれぞれの部門の規制について理由を説明し質疑応答に臨みます。
 この記者会見は、説得力があり信頼性もあり、記者会見をテレビの前で見ている視聴者は、「また規制? うんざり! でも仕方ない、がんばろう!」と文句と同調が共存しながらも、多くの国民はコロナ対策の規制に順応しているような印象です。順応する姿勢は、「右にならえ」ではなく、政治への信頼と一人ひとりが社会に貢献する意識があるからです。

2月28日の延長の記者会見で、メッテ・フレデリクッセン首相は、子どもや若者に向けて「みんながんばりましたね!」と今までの協力を褒め、また「小学校低学年は、2月28日以前に学校に戻れるように努力する。」ことを伝えました。
更に「政府は失業者や倒産企業を出さないためにも、これからも経済援助をつづける。」と述べ、「大きな金額になりますが、デンマーク財政は、健全であり、充分社会経済を支援する余裕があります。」と言い切りました。
 このパンダミックコロナ禍にあって、私たち生活者の一番望むのは、「安心と安全」の生活です。その安心と安全を強いリーダーシップと専門家、そして国民が団結して対応してこそ、結果を出せるのでは、と思います。まだまだ、目に見えない敵との闘いは続きそうです。2月28日まで、もう一か月間、森の散歩とラジオ体操で健康を保っていきたいと思います。

(2021年1月30日)



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