# ジェンダー / デンマークの女性

本表紙2

    写真:デンマーク初の女性首相(中央)と歴代女性大臣

今が読み時、「デンマークの女性が輝いているわけ」       

 日本では、この2月上旬、森喜朗氏の女性蔑視発言があり、世界各国のメディアがそれを裏付けるがごとく、日本のジェンダーギャップ指数が153各国中121番と報道し、更に、3月8日の国際女性デイーに英誌エコノミストが「働きやすさ」ランキングで日本は29カ国中、28位と、なんとも情けない数値が発表されました。これで日本は森喜朗氏の時代錯誤の発言と共にジェンダー平等には、ほど遠い国だと電波に載って世界に知られてしまいました。
 しかし、そのお陰というのも可笑しな話ですが、今、日本は、「ジェンダー」に火がついたようです。このタイミングに、是非、日本のジェンダーの向上のインスピレーションに、拙本「デンマークの女性が輝いているわけ」に目を通していただきたい、と思います。

 昨年6月、私は、友人と共著で「デンマークの女性が輝いているわけ」というタイトルの本を出版しました。この本の「 デンマークの女性が輝いているわけ」というタイトルの所以は、日本政府が2014年に「女性の輝く社会」の構築を重要政策テーマにあげたことにあり、「はて、さて日本政府は、どのような魔法を使って『女性の輝く社会』を構築するつもりなのか」、と大きな疑問を抱いたからです。あれから7年が経ち、何か変ったのでしょうか。

 本書で記述するデンマークは成熟した男女共同参画社会であり女性たちは、自分が受けた教育をもとに仕事に就き、家庭をもち、子どもを育てて定年まで社会で活躍する姿です。 
国は、女性の社会参加を歓迎し、保育保障、ワークライフバランスを整備してきました。ここには、「政策」と「人びとの意識」の両輪がかみあった社会があり、そこでの人びとは、「自分らしい」生活を送ることができ、「輝いて」いるのです。

 日本から「働きたくても保育園がない」「夫の帰宅が毎日夜中」「保育士が足りない」など、いつになっても昔から変らない日本社会の現状が伝わってきます。
 変らないのは「仕方がない!」のではありません。デンマークでは、女性参政権(1915年)、人工中絶権(1973年)、夫婦別姓認可(1982年)など、女性たちは、強い意志をもって連携し、組織して女性の立場の向上を目的に年月を掛けて市民運動を起こし、勝ち取ってきました。
 
 日本の女性たちも周囲の顔色を怖れることなく、自分達の思いを声を出していけば、日本のジェンダー指数も少しづつ上位に上げていけるのでは、と期待しています。そして、日本の女性が、いつか女性自身が自分らしい人生を送り「私は輝いている」と言える社会になってほしいなあ、と独り言をつぶやいています。               2021年3月上旬

 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?