春色はまだ遠かれど
シンガーソングライター細木夏美の2nd Album 「Tenderly」楽曲紹介最終回。
この連載では楽曲解説と歌詞の初公開をしています。
最後に紹介する曲はアルバム中盤を制するこのバラード曲です。
春色
あの日あなたと向き合い話したこと
今でも心の奥 大切にしています
窓の外で寒さが未練残して
土の中で息づいている「もうすぐだよ」
やっとめぐり逢えたよあなたと
心から嬉しい
いま春の色 少し見えた
まだ遠い空 祈り 明日も想います
報われないことや知りもしないことを
想像して 時々 胸が痛む
どれほど会いたいと思ったことでしょう
涙流すかわりに歌をおくります
いちどきりの人生よ これが定めなら何も…
霞みゆく空 とても綺麗で
ほころぶ笑顔 また会いに行きます かならず
あかつきの向こう 待ち焦がれて
ただ繰り返す出逢いと別れ
いまやわらかな陽ざし注いで…
春立つ風の淡い匂いが
あなたのことを呼んでいます
***
昨年末における本人談はこちら。
これは図書館の日本書物コーナーでたまたま立ち読みして借りた本に感化されて作った曲。春がきて、生きものたちが動き出し、誰かに会いたくなる。寒さを溶かすやわらかな光。合唱コンクールで歌われたりしたらいいなと。
(12/26追記)日本的な"和の心"のようなものを感じる曲になりました。趣を大事にと。言葉遣いもひらがなを意識したし。繊細さと儚さと両方が存在するように音作りも慎重だった。スローな曲だからレコーディング大変だったなあという印象が強い。以前、ライブハウスのブッキングスタッフさんが、細木さんらしい曲ですねって言ってくれて。私の楽曲の中でも名曲感が高い気がします。歌が終わってラストへ向かうピアノは聴いてほしい。とても象徴的になりました。春の訪れを待ち焦がれる、会いたい人に会える日を待ち焦がれる、そういうドラマチックなストーリーを感じてもらえたら嬉しい。合唱コンクールに合いそうだなとずっと思っています。学生にもこの曲の雰囲気、伝わるんじゃないかな。そしていろんな世代の皆さんの心に響くといいな。
「春色」
楽曲視聴と合わせてお楽しみください。
Apple MusicやSpotify等、各種配信サイトからも視聴できます。一覧はこちら↓
「Tenderly」全9曲紹介解説、完了いたしました!
9週間連続、長いようであっという間でした。もう気づけば年末ですね。
この連載を書きながら楽曲制作やレコーディングも含めて、アルバム全体を振り返ったわけですが、本当に自分の納得のいくものが作れて良かったなと心から思っています。発売から一年経ちましたがその気持ちが変わらないこと、特に今年2020年は大変な年だったし思うようにプロモーションできなかったという反省がつきまとうのは正直なところだけど、それでも気持ちが色褪せず、前向きになれるところが私としては本当に喜ばしいことです。もっと色んな人に聴いてもらいたいな、と思うのが今の気持ちです。そして、来年アルバムを発表する予定でいますが、そこへ向かっていけるエネルギーがあることも、この2nd アルバム「Tenderly」があるおかげだと思っています。この連載はほとんど思いつきで始めましたが、改めて気持ちやスタンスを確認できる良い機会になりました。そして、書いて終わり、というわけではなく「Tenderly」というアルバムを手に取った人にいつでもこの記事を読んでもらいたいと思っています。きっとこれから時間が経って、私の中でも色んなものを消化して、演奏して、歌って、さらなる解説や伝えたい気持ちが深まると思っています。
そしてさらっと申し上げましたが、来年ニューアルバムを発表します。制作スケジュールなどまだ計画中ですが、アルバムの中心をなすリード曲を近日Youtubeにて発表します。
そして、前回お伝えしたストリーミング配信での歌詞表示、歌詞同期のスタート。こちらは来年初頭、発表できそうです。
今年は大変な年でしたが、次に向けて準備を進めます。このご時世でも、できることをやっていきます。楽しめることをやっていきたいですね。最終回のトップ写真は、いつだったか、飛行機の窓からとっさに撮った富士山付近の写真です。ご利益ありそうです。綺麗な空でした。「春色」の歌でも空が広がっています。
まだ冬はこれからで寒い季節が続きますが、暖かくして、健康に気をつけて、春を待ちましょう。
では、細木夏美 2nd Album 「Tenderly」楽曲解説、これにて終了ーー!!
これまで読んでくださった方、ありがとうございました。
またnoteの記事や新曲、新アルバムで、お目にかかれたら幸いです。
細木夏美
文章を書くのが好きな、歌う人です。コツコツ音楽制作しています。もし気に入っていただけたら、ぜひサポートお願いします!