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GIFT考察


GIFTの考察です。

全部オタクの妄想戯言です…。


羽生さんがくれたヒントは、
前半は「自分の歩みを物語風に描いた」
後半は「リアルに自分を掘り下げた」
ということ。
あとはユング心理学のペルソナ。
この2点を念頭において考察していきたいと思います。見切り発車です…。



火の鳥のメロディーをバックに語られる冒頭。
ここは幼少期の羽生さんですよね。
ひたすらスケートが大好きで大好きで、練習して出来ることが増えて、そういう毎日を純粋に繰り返してた頃。無双時代。

♪火の鳥

ここからはもう少し時間が進みます。
「ある日、その世界で一番あったかくなれる場所を見つけた」
「それは僕の夢になった」
これはオリンピックの金メダルや2連覇のことかなあ。まんまるの頭で「夢はオリンピックの金まだるです!!!!」て言ってた羽生さんが目に浮かびました。


「周りにはたくさんの思いがあることも、たくさんの命があることも、まだまだ気がつけなかった」


自然のモチーフが出てきます。
太陽と月の話。

ひとりで光ってる太陽と、誰かの力を貰いながら光ってる月。

ここでの月は現在の羽生さんを表してるのかなと思いました。
よく見ると傷だらけでも優しく光ってるところ、傷も大切にして自分として受け入れてるところ、時に誰かの光も借りながら光るところ。種明かしになるかもだけど、ひとりだけど、ひとりじゃないということに気がついていること。

「すごくかっこいいって思った」
「僕も月みたいに、強くてかっこよくなりたいって思った」

幼少期の羽生さんと現在の羽生さん(の、理想像?)の対峙かな。
なんのインタか忘れちゃったけど月のような存在でいたいって前話してましたよね。


そこからは一心不乱に夢に向かって突き進むみます。
「だって叶えたい夢があるから」
「それが、かっこいいから!」
「それが、僕なんだ!」
だんだんと夢以外の部分が削ぎ落とされて、夢=自分そのものになっていきます。一心不乱に、夢へ続く道だけを選ぶ。ひとりになっていく寂しさには気づかないふりをします。

♪Hope & Legacy

ここからの語りは、震災なのかな…。
震災のあと、「スケートを続けていいのか分からない」て話してた時期がありましたよね。その時期を重ねました。
自然の脅威を前に、スケートの意味やオリンピックの夢、そういうものの価値を見出せなくなってしまったんじゃないかなと思った。
それだけを大切に頑張ってきたのに、それが否定されたような、あまりにも無力なものと痛感して空虚感に苛まれてたのかな。

「ひとりぼっちでいると、空から光が、大切なものを照らしてくれた」
震災の夜に見た満点の星空。
羽生さんはあの日のあの景色に何回助けられてきたんだろう…。
「そして、また、草木がキラキラと輝きはじめた」
草木は周りの人たち、その人たちの思い?
一心不乱にトンネルを駆け抜けてひとりぼっちになっていた頃には見えなくなっていったもの。
この日を境に強く意識するようになったのかな。
神戸のチャリティー演技会のあと、「人の思いを強く感じた」みたいなこと話してたよね。


♪あの夏へ
この曲、歌詞付きのものもありますよね。

「叫びたいほど愛おしいのは
ひとつのいのち 帰りつく場所」

思い浮かべながら滑ってたのかな。


「君には、君にしかできないことがあるよ」
「大切なものとの日々がまた始まる」
震災後、使命感を持って再びスケートを始めた羽生さん。
当時10代半ばで、そんな小さな背中に背負うには重すぎる鉛だと思ったけど、その重さが羽生さんに滑る理由や、ある意味で滑る許しを与えてくれたのかもと思った。


ここからは平昌五輪までの道のり。

風が表すのは試練 ?
試練続きだったソチから平昌までの4年間。
中国杯とか病気とか怪我とか、、。たくさんあったよね。

「あなたが向かい風だったとしても、あなたは優しい」
「たとえ今は苦しくてもきっと寒い日には、暖かくしてくれる」
「暑い日には、冷やしてくれる」

沢山の試練を乗り越えて培ってきたものたちは、きっと糧になって、1番大変な時に味方してくれた。
平昌のときに、もしあの怪我がなかったら、金メダルは獲れてなかったと思うとか言ってたなあ。

♪バラード第1番

夢が叶ったシーン、五輪2連覇。


「願いが叶うなら、もう少しみんなと飛びたい」
「もう少し、もう少し」
ここの後半部分の語り、勝手に泣きました。
平昌後、競技続行を決めたところかな。
羽生さん、競技大好きだったんだろうなあって。
もちろん4Aはやりたかったし小さいころからの夢ではあるだろうけど、シンプルに「試合に出たい」っていう気持ちも大きかったんじゃないかなあと思いました。
羽生さんにとって夢を叶えてきた、大切な大切な場所。ちょっとやそっとで離れることなんて出来なかっただろうな。

♪ロンカプ

ここまできて、羽生さんが以前言ってた

一人と「独り」の物語

前半を一人の人生のお話、後半を「独り」についてのお話としてこの言葉を選んでたのかなと思いました。




後半!
後半を解読する前に、ちょっとユング心理学、ペルソナについて調べました。めちゃくちゃ付け焼き刃です。

ユング心理学では次のような心の仕組みの前提があります。

意識:自分が自覚できているところ
無意識:無自覚だが心の奥に存在する自分の一面
これらはどちらも「本当の自分」

羽生さんが言っていたペルソナは、無意識の中に存在する自分の社会的な側面。
人間が社会生活において、求められた役割を演じる機能やその一面を指す概念とされています。
つまり本来の自分ではない側面。


あともうひとつ、シャドウという言葉があります。
これはペルソナを演じる時に、そぐわない一面が抑圧されること。本来の自分とかけはなれたペルソナであればあるほどこのシャドウが濃くなっていきます。
シャドウに気がつくことで、ペルソナとの付き合い方が考えられる、とされてるらしいです。


めっちゃくちゃGIFT後半を読み解く上でヒントになりそうな、、。

♪Lets go crazy
♪Let me entertain you


AIの声は、理想の自分・世間に求められる自分になろうとするあまり、本来の感情を消してしまった自分の声。シャドウってこの状態のことかな。


羽生さんにとってのペルソナは、世間から求められる羽生結弦像でもあり、自分の理想的な羽生結弦像でもある。それが余計に葛藤を増幅させていくのかなあ。世間が求めているのか自分が求めているのか訳がわからなくなってしまったり。そこに「夢」もあってまた複雑になってくる。

「出来ない自分なら、存在する意味がないんだ」
「出来なきゃ意味がない、なら今の僕は?必要がないのか」
ここらへんめちゃくちゃ辛かったです。

世間から求められてるのは、自分が作り上げている羽生結弦像であって、本来の自分ではない。じゃあもしその像に綻びが出たら?
勝ってるから、結果を残しているから世間から求めてられるし、自分もそうであり続けたい。綻びが出たらみんな自分に失望してしまうし、自分も自分に失望してしまう…。

いや辛すぎ、、。


♪阿修羅ちゃん

ここから白羽生・黒羽生(適当な命名ですまん)が登場します。
羽生さんって顔の右半分と左半分で全然雰囲気違うじゃないですか…。めっちゃ活用されてたよね。

ここでの白羽生は、ペルソナであり、悪魔。
黒羽生は、本来の自分。本音の部分。

白羽生は、黒羽生を励まし続けます。
これがすごく怖かった。
こんな弱ってる人を無根拠に励まし続けないでくれ…。
合間に流れた不敵な笑みは、白羽生の方だと思いました。

黒羽生「僕には何もない、足りないものしかない」
「その足りないものを望んだら、僕じゃないものを見つけた」
からの、
「僕は、それになりたい」
「君になりたいんだ」

僕じゃないもの=君
本来の自分ではない、ペルソナ

ここで2人が伸ばした手が、もしも重なってしまったら終わりだったんだろうなと思います。

ペルソナに呑まれて、身を滅ぼしてたんじゃないかな…。本当の自分が破壊される寸前だったのでは…。


♪オペラ座の怪人

仮面はペルソナの象徴だよね。
最後、スピンの前に仮面を優しい眼差しで見つめて、また付けた、、。


オペラ座後の語り、前半は「夢」が語り手かなと思いました。
羽生さんにとっての夢は、ペルソナと本来の自分を繋ぐ唯一の架け橋なのかなと思った。その境界線が曖昧になったりすることもあるけど、、、

夢を追う自分や叶える自分は世間が求めてる、価値のある自分。
でも本来の自分もその夢は求めてて、夢によってギリギリペルソナと本当の自分が繋ぎ止められていた。


夢「大切にしてきた、君だから」
   「君という、本当だから」
この辺で、前半部分の語り手は夢なんじゃないかと思いました。


お別れの時間が来ます。

「でも、もう時間なんだ」
「声を枯らして叫ぶ、いかないで、消えないで」
「独りは嫌だ」

夢がいなくなってしまうことで、夢を追う自分もいなくなる。それは世間から求められている自分も失うということ、自分の価値もなくなってしまう。

「いってらっしゃい」

ああああ辛い…。
この辺は北京五輪を重ねました。
ある意味北京で、「夢」から解放された羽生さん。

♪いつか終わる夢

このプログラム、ここのために作られたんだなあって思った。


ここからオタクのめちゃくちゃ都合の良い解釈入ります、、。

「ひとりのはずなのに、真っ暗なはずなのに、終わったはずなのに、なんでこんなにも明るい光に照らされるのだろう」

ここの光、我々という解釈でいいですかね?

夢を失い、自分には価値がなくなったはずなのに、光が照らしてくれた。

羽生さんがユーミンのラジオとか色んなところで言ってた、負けたからこそ見えたもの。勝ってるから自分に価値があったわけじゃないと気付けたところ。「こんな報われ方をしたスケーターどこにいる?」という都築先生の言葉。


葛藤の中にいた時は見えなかった、いろいろなものが見えてきます。
星、草木、月、風、、。

「ずっとあなたは、向かってきた」
「そんなあなたを、私たちは知ってるよ」

これ、我々のセリフということでいいですか?
そうなってくると、羽生さんを救ったのは我々ということになりますが、合ってますか???
(おこがましい)
でもウチらのバングル、光ったよね?!!

羽生さんのペルソナ「勝ち続ける自分」「夢を叶える自分」「強い自分」
それを失ってもいい、失っても世界は温かいと気付かされたのかなあ。

ここの星たちの光、震災後に見た、満天の星空に重なりました。

それは夢をみたから得たもの。
その夢も、理想の自分も、激情の日々も、全て大切な「僕のこと」。
それを見てくれてるひとはきっといて、それももがきまくっていた日々がもたらしてくれたもの。

「けど今はいいんだよ、辛くて泣きそうになっていいんだよ」
本来の自分をないがしろにすんな!という夢さんからのメッセージ。

「おかえりなさい」
「僕の夢、みんなからのGIFT」

最後に助けてくれたのは、苦しい日々の繰り返しの中で得たものたち。孤独の中で闘ってたように思えた毎日の中にもちゃんと「みんな」がいて、本来の自分にも価値があると教えてくれたこと。

「夢」が時にペルソナを形成するための手段になってしまうこともあった中で、その夢を追っている日々に大きな意味があると教えてくれた。

このことに気付かせてくれたことが、みんなからのGIFTであったのかなと思います。



そしてそれでも、羽生さんはペルソナと共に生きていくんだろうなと思いました。
ペルソナを、理想の自分を大切にしながら、今度は本来の自分も大切に夢を追い続けるという決意のエピローグ。



また殴り書きになってしまった…。まだスッキリしないような…。
現時点での解釈としておいておきます。




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