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わたしとあなたはちがう人

「人に頼られるのって嬉しくないですか?」

2019/12/21 ゼミレンジャーを開催しました!ゼミレンジャーは、それぞれテーマのちがうゼミが集まって大学ごとに様々なセッションを企画してくる、合同ゼミのようなものです。今年のゼミレンジャーのコンセプトは「原点回帰」。長岡ゼミの原点は「ソーシャルな対話」「あなたとわたしの生きる社会をより良く変えることを考えるcommonのマインド」であるとし、NPO法人soar代表の工藤瑞穂さんをゲストにお招きして「私たちは“ちがう”人と分かり合えるのか?」というテーマについてみんなで考える時間を設計しました。
工藤さんのお話は、とても刺激的なものでした。soarでは毎朝オンラインでチェックインを行い、そこでは心身の健康状態を報告するんだそうで、しんどそうな人がいるときは仕事を代わったり、仕事量を抑えたりするらしい。それを聞いたとき、とはいえ自分の仕事が増えると思うとめんどくさいって感情湧かない?自分と利害関係があると分かり合ったり寄り添ったりするのって難しくない?と感じました。そう工藤さんに質問すると「人に頼られるのって嬉しくないですか?」と返されてしまった。うむむ・・・そんな単純な感情になれない・・・そう感じたのには、ゼミレンジャーの企画を通して感じていた葛藤がありました。

決められなかったわたしたち

ゼミレンジャーの企画中。このセッションの形式をコアメンバーで議論しているとき、メンバー内で意見が分かれた。そもそも、このセッションに求めるものとか、それぞれが良いと思うものが違ったからです。そこ違ったら同じ意見になりえないわ・・・と落ち込んでしまいました。なかなか議論に決着がつかず、結局全員納得はしているけれども意見が一致していない状態で進んでいきました。私はこの状態にもやもやしていました。
ですが、ゼミレンジャーの企画を通して、グループでの創作活動の方法を長岡先生に教えてもらいました。大事なのは二つ。一つ目は、人のアイディアをリスペクトすること。それはつまり、人の意見に対して、自分と違えばきちんとコメントをしたり同意の場合でもしっかりその意思を見せたりすること。二つ目は、何よりも先にクリエイティブ・ディレクターを決めておくこと。議論で決着が着かなかった場合この人が決める、という人を予め決めておいて、最終的にはそれに納得する形で進めていく。すなわち、グループでの創作活動において大事なのは意見の一致ではなく、納得感なのだろうなと思いました。それを知って、進め方は間違えていなかったとスッキリしました。なぜ私が納得してもらうだけではなく意見が一致することにこだわっていたのか。意見が一致することが良いことだと思っていたし、納得感だけで進めていくことが悪いことだと思っていたからです。でも冷静に考えてみると、そもそも“ちがう”人同士なので良いと思うもの、好きなものは一致しなくて当然。じゃあその上で出来ることはたしかに、相手のアイディアをリスペクトし、しっかりと議論して、最終的にはクリエイティブ・ディレクターの決定に納得すること。ちがいを悪いことと認識しなければ、意見が異なる者同士で議論することはアイディアを深化させることにつながる。

ちがいをポジティブに捉える

工藤さんはセッションの最後に「ちがいを問題として捉えるのではなく、ちがいを楽しむ」とおっしゃっていました。ちがいをポジティブに捉える。「頼られるのって嬉しくないですか?」そんな単純な感情でいられるのも、ちがいをポジティブに捉えているからこそなのかなあ。
今回セッションを企画する中で、「私たちは“ちがう”人と分かり合えるのか?」というテーマについて、ちがう人とどうしたら分かり合えるんだろう?どんな時分かり合えないんだろう?そもそも分かり合うってどういう状態だろう?ちがう人は組織に必要なのか?など様々な視点から考えました。色々考えたけど、根底には“ちがう”って難しいなあ、とか一緒の方が楽だなあとか、“ちがい”を問題と捉えるネガティブな私がいたように感じます。“ちがい“を楽しむ。“ちがう”者同士、お互いの納得感を大切にする。うん。きっと、次はもっと良いものがつくれる気がする。ゼミレンジャーの企画中は、は~あ。もうやりたくないなあ。と落ち込むこともあったけれど、今ではまたゼミ生と議論しながら色んなものつくりたい!とワクワクしています。

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