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KeepChangeとチャレンジの土台

長岡研究室では、春学期は「学びを止めるな」、”keep change”とよく言われていた。秋学期に入るとそれに加えて”zoom under the sky”と言われるようになった。「家にこもっていないで、外からモバイル環境でもzoomやオンラインの活動が出来るようになろう!」先生は初めそう説明していたと思う。わたしは同じように理解していた。春学期のように外に出ることを闇雲に恐れて家に籠もってばかりいるのには、もううんざりだった。それからわたしはサブゼミに外から参加するように、授業を外で受けるように、会議にカフェから出るようになった。しかし、正直家のほうがオンラインのための環境は整っていた。Wi-Fiの通信速度は速いし、時間制限もない。電源もあるし、周りは静かだ。忘れ物をすることだってない。それでもわたしは、zoom under the skyを続けることをやめなかった。わたしにとって”zoom under the sky”という言葉は、ただ外でzoomをやるという意味では無くなっていたからだ。

10月10日の朝、わたしはTOEFLを受験するために新宿へ向かった。あいにくの雨に気温も低く、しかも良いスコアが取れるかどうか不安で、気分は最悪だった。3時間の試験を受け終わり、くたくたのわたしを待っていたのは3日後のイベントのオンラインミーティング。すでにゼミやサブゼミでzoom under the skyを始めていたわたしは、当たり前のように電源とWi-Fiのあるカフェを探した。ネットにはあると書いてあったのにWi-Fiがなかったり電源がなかったり、2軒に振られ、ようやくちょうど良いカフェを見つけられたのは予定時間の10分後。
この日の気分は最悪だったし、外でzoomをやることのデメリットにもたくさん直面した。こんなことなら急いで家に帰ればよかったと一瞬思った。が、春学期からずっと言われてきた”keep change”という言葉がふと頭に浮かぶ。別に家にいて困ることはない。籠りたくなければ散歩に出かければいい。いっそ家に帰ってしまった方が便利なことさえある。それでもあえてやってみる。やれるように試行錯誤していく。それが学びつづけるということ、変わりつづけるということなんだと実感した。それから、わたしにとって”zoom under the sky”という言葉は、変わりつづけるための合言葉になった。

そして、そのzoom under the skyプロジェクトでもあるサブゼミは、気の知れたゼミ生たちとの対話の時間。そんな失敗の出来るサブゼミという場は、変わりつづけること、チャレンジの土台になった。サブゼミがあったから、さらにzoom under the skyを進めることができたと思う。公園、ベンチ、カフェ、ファストフード店、大学、色んな所で実験した。春学期に散歩しつくしていたと思っていた自分の街に、zoomにぴったりのカフェを新たに見つけた。そんなサブゼミでの少しずつのチャレンジの延長で、他の会議にも外から参加したし、移動中にイベントを聞くこともあった。いつの間にか公共空間でzoomをやることに抵抗感はなくなり、自分の行動範囲は春学期に比べて大きく広がった。


チャレンジの土台がしっかりあった秋学期。楽しく”keep learning”と”keep change”ができた。チャレンジの土台の上に、変わりつづけようという大事な想いが乗っかると、こんなに飛躍することができる。そして、ゼミの外の越境先にもその土台は既にあることを改めて感じる。自分の学びも社会の変化も止めないという想いをこれからも持ち続けたいし、組織もさらに自分や他のメンバーのそんな想いを乗っけられる、チャレンジしやすい場にしていくことが社会を変えるための大事な一歩になるはずだと思っている。

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