バイトを辞めました

去年の4月から1年間、
小学生の子供に携わるバイトをしていました。

少し高めの時給に惹かれて
本当に軽い気持ちで始めました。

私は子供好きではなかったので
最初は私も子供たちもお互い気まずくて
どう接したら良いのかわからず
悩むばかりでしたが、
ゲーム好きの私はポケモンやゼルダなど
子供向け作品に人一倍詳しいので
そういった会話を活かして
少しずつ仲良くなっていきました。

慣れ始めてからは
生徒のことを「かわいい」と思う余裕もできて
とても楽しく働かせていただきました。

そんなこんなであっという間の1年間。
凄く楽しくてやり甲斐もあって
人間として成長できる素敵なバイトでしたが、
毎週特定の曜日での固定勤務かつ
夕方から夜にかけて働くため
お笑いとの両立が厳しいのが悩みでした。

少し前までの私はピン芸人ゆえ
自分で予定を決めて活動できましたが、
コンビを組んでしまった以上
今後はそういうわけにもいきません。

大学を卒業する、この3月のタイミングで
意を決して辞めることにしました。

同じアルバイトの先輩方も良い人ばかりで
最後の勤務日にお菓子やお手紙をいただいて
「また路頭に悩んだら戻っておいでね」と
温かいお言葉もかけていただいて、
幸せな職場だと改めて実感しました。

そして何より1年間見守った子供の1人から
似顔絵のついたお手紙を貰いまして、
それが本当に凄く嬉しかったです。

安定性のないお笑い芸人という道を選び
朝まで飲んだり不健全な話が飛び交ったりする
そんな大人独特の非日常のなかに
少しだけ存在する子供との時間。

この時間だけは何に苦しめられることもなく
"普通の幸せ"を感じることができました。

このバイトをしていなければ
私は今も公園で走り回る近所の子供たちを
冷ややかな目で見つめていただろうし、
子供が欲しいだなんて微塵も思わなかったし、
結婚して家庭を築くという"普通の幸せ"を
願うことなんてなかったと思います。

子供たちのことは大好きだけど、
子供たちには私のことを忘れてほしい。

私が言ったことを思い出さないでほしい、
たった1人のしがないアルバイトの
無責任な言葉なんかに惑わされないでほしい、
君達の未来は希望に満ち溢れているのだから。

小学生と比べると私は"おばさん"だけれど
世間一般的に見れば私もまだ希望溢れる若者。

自分の未来も作り上げないとなあ。

…さて、物語の続きを描きにいきますか。

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