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初めての3回戦

初めて賞レースの2回戦を通過した。

正直あまり手応えはなかった。
第二部冒頭のAブロック、
開演早々の3番手でお客さんも少なかった。

舞台袖では緊張で手が震えた。
とにかくやりきるしかないと思った。

僕らの出番がやってきた。
いつも通りにうるさい相方の
「どうもー!!」が会場中に響き渡る。

何も変わらない聞き慣れた声だけれど、
緊張感の中で静寂を突き破ったその声が
とても心強く感じた。
出番はあっという間だった。

ミスなくやりきることはできた。
だけど正直手応えはなかった。

「そもそも会場が重かった、全員ウケてない」
相方はそう言ったけれど
私は手応えのないことがショックで
分析をする余裕なんてなかった。
もう何も考えられなかった。

その日は猛烈にへこんで、
「私は無能だ」だの「お笑いやめたい」だの
口を開けばネガティブな言葉ばかり。

迎えた翌日午前11時。
毎日この時間に結果が出ているので
今日も11時だろう、と心の準備をする。

他人からの連絡でネタバレされるのが嫌なので
真っ先に見てやるぞ、と
ただただ画面のスクロールを繰り返す。
落ちているだろうな、という大きな不安と
捨てきれない一抹の希望を胸に抱きながら。


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思い返せば私は昔から
自分に期待をするのが大の苦手だった。

少しだけミスしたことを引きずって
「一緒に結果を見よう」と
言ってくれた同期の誘いを断った2023のR-1。
結果は通過、
初めての賞レース2回戦に涙が溢れた。

「2分以内」と明記されているにも関わらず
2分5秒の動画を送ってしまったことを悔いて
「私落ちるわ!」と胸を張っていたTHE W。
結果は通過、
尺に目を瞑ってくれた運営さんに感謝した。

思い返せば、
「通過できた!」と思いながら
通過をした賞レースなんて1度もなかった。
すべてビビり散らかしていた、
ずっと自分に自信が持てなかった。

今回もそうだった。
こんな自分が通過できるはずない、って
そういう深層心理がどうしてもあって。

結果待ちの間に「落ちた」「ダメや」と
ネガティブな発言を繰り返していたら、
「俺が書いたネタなのに失礼やぞ」
って相方に怒られた。

自己肯定感が低いだけで
他者を貶める意図はなかったが、
確かにそれは申し訳なかった。

通過したときは正直めちゃくちゃ驚いた。
しばらく震えが止まらなかった。

結果が発表されたその日、
ネタ見せで相方と顔を合わせた。
何も変わらない、いつも通りの不仲だった。

相方はバイトに遅れそうだとかで機嫌が悪くて
UNDER5の話は一言もしなかった。
でもそれが僕ららしくて、
なんとなくそれでいいと思った。



私は個人としての今年(3年目)の目標に、
「何らかの賞レースで2回戦を通過すること」
というものを掲げていた。

…こんなに早く叶えられるだなんて。

だけど、ここで満足しちゃいられない、
まだまだゴールまでの道のりは遠いんだから。

今回はまだ先に進むための、
夢を叶えるためのチャンスを貰っただけ。
これをどう活かすかは私たち次第。

おそらく5月7日、
UNDER5AWARD 3回戦に出場します。

上だけ向いて戦います。
本当に本当に勝ちたいです。

応援のほど、よろしくお願いいたします。

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