見出し画像

<遅れ>の思考 ポスト近代を生きる 春日直樹

一方には救いようもないほど自分でしかない自分がいるのに、他方ではその自分をどうしても捉まえきれない〈遅れ〉の経験は、これまで近現代の思想家たちがさまざまなかたちで問題としてきた。自己、存在、時間をめぐる議論に本格的に踏み込むことは門外漢の私にはできないが、〈遅れ〉の問題が近現代の思想において重要な要素であり、にもかかわらず現代世界ではふさわしい扱いを受けていないという点だけは強調しておきたい。(p.13)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?