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文章力向上道場

リズムのカギは接続詞にある

われわれは普段、かなり支離滅裂なことをしゃべっている。頭に思いついた矛盾だらけの言葉を、なんの考えもなしにしゃべっている。p.68
それでも、コミュニケーションはちゃんと成立しているし、大きな混乱も生じない。言葉の支離滅裂さを、表情や声の高さ、テンポ、身振り手振りなどによって補っているからだ。
しかし、文章ではこれらの「非言語的コミュニケーション」がいっさい使えない。緊急避難的に絵文字を使うことはできても、通常の文章に使うのはさすがに無理だろう。
その事実に無自覚なまま文章を書くと、どうしても支離滅裂になってしまう。論理が破綻していたり、論点がボケてしまったり、まわりくどかったり、なにが言いたいのかよくわからない文章になる。声や表情によって抜け落ちるのだから当然である。
たぶん、支離滅裂な文章を書く人は、自分でも論理の破綻に薄々感づいているはずだ。
なにしっくりこない感じ、うまく言えないモヤモヤした感じを抱きながらも、早く結論にたどり着きたくて、早く書くのを終わらせたくて、つい強引なロジックに頼ってしまう。文章に対する堪え性がない、ともいえるだろう。p.69

では、どうして文章と文章の「つなげ方」がおかしくなるのだろう?なぜ「つなげ方」を間違ったことに気づかないのだろう?理由はひとつしかない。接続詞をあいまいにしているからである。p.70

句読点は一行に一つ

読点がどこに入るかによって、印象は大きく変わる。「これが、負けか」には敗れた悔しさが感じられるし、「これが負け、か」には連勝を積み重ねてきた時間の重みが感じられる。p.86

音読してなにをチェックするのか

このように、文中に埋もれやすい言葉(形容詞・副詞・助詞・指示代名詞など)の重複は一種のクセでもあり、書きながら自覚するのはなかなか難しい。かといって、書く前からあれこれ考えすぎると、今度は書く手が止まってしまうだろう。まずは書いてみて、書き終えたあとに音読する。この「小さなひと手間」を通じてチェックしていくのがいちばんである。p.99

文章の面白さは「構成」から生まれる

文体の妙、文章の個性、あるいは文章の面白さ。これらを決めているのは、ひとえに構成である。論理展開である。p.107-108



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