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カルテット【TBSオンデマンド】 シー ズン1,エピソード1第1話 偶然の出会いに隠された4つの嘘・・・大人のラブサスペンス!!_文字起こし

◆好きなシーン

・愛してるよ、愛してるけど、好きじゃない

◆書き起こし

家森:せっかくだからやりたいですよね
すずめ:合わせてみますか
家森:別府くんは?やれそう?
別府:あ、はい
家森:ぅうん?
別府:……あ、はい
巻:じゃあ一回やりましょう。時間ないし
家森:そうだね、パンツ履く時間なくなっちゃう
すずめ:っへえ?
家森:いや、履いてた、ははは
すずめ:確かめないとわかんないんですか
家森:ははは
すずめ:こわい
別府:コーン茶いれてきます
家森:え?
別府:お隣の方にいただいたんです
家森:じゃなくて飲んでる時間ないから
別府:あはい
家森:じゃボーイング決めて
巻:しょうがないじゃないですか。ベンジャミンさんは嘘ついてたんですから
家森:え?別府くんそれで機嫌悪いの?
別府:いえ、機嫌悪くないです
家森:大丈夫?
別府:大丈夫です
巻:じゃ態度も大丈夫にしてください
別府:すいません
家森:まあ後味悪いって言えば悪いけどね
別府:あの人は好きな音楽続けたかっただけなんです。ついていい嘘だってあると思うんですよ
巻:余命何ヶ月ってついていい嘘なんですか
家森:コーン茶
すずめ:コーン茶要らないって
家森:あの人の部屋ポスター貼ってあったじゃん、テープで、はがれてたでしょ、躊躇なく壁に画鋲を刺したりできないんだよね。いや、ぼくは別府くんとはまた立場違ってさ、あっち側だから分かるんだよ、ぼくも。画鋲も刺せない人間が音楽続けていくためには嘘ぐらいつくだろうなって。
別府:もっと他にやり方があったんじゃないですか
巻:やり方?
別府:もっと思いやりがある
巻:思いやり? 同情ってことですか?
家森:同情を悪い言葉かのように使うのは違うと思いますよ
家森:ぼくは正直驚きました。巻さんがあんなことするなんて
別府:ベンジャミンさんの奥さんと子どもの写真、見ましたよね?理由はわからないけど今は一人で暮らしてて
家森:どこ行くの?
すずめ:コーン茶
家森:だからコーン茶は
すずめ:じゃあ別府さんと家森さんがベンジャミンさんと一緒に暮らしてあげればいいんじゃないですか
別府・家森:え?
すずめ:ベンジャミンさんの奥さんと息子さんになってあげればいいんじゃないですか?
家森:なれないね
すずめ:じゃあお金あげればいいじゃないですか
家森:そんなことしたらプライド傷つくでしょ
すずめ:じゃあ面白いマンガとか貸してあげればいいじゃないですか
家森:どういうこと?
すずめ:これ読んで元気出して、て
家森:じゃなくて、ベンジャミンさんの立場になって
すずめ:家森さんも鼻毛伸ばせばいいじゃないですか。一緒ですね、って
家森:ぼく鼻毛伸びにくいんだよ
すずめ:ここに鼻毛に見える刺青掘ればいいじゃないですか
家森:どういうこと?
すずめ:刺青掘る勇気ないなら同情辞めた方がいいです
別府:同情じゃありません、思いやりを
巻:思いやりじゃないですよね。あの人に未来の自分たちを見たからですよね。私たち、『アリとキリギリス』のキリギリスじゃないですか。音楽で食べていきたいって言うけど、もう答え出てると思うんですよね。私たち、好きなことで生きていける人にはなれなかったんです。仕事にできなかった人は決めなきゃいけないと思うんです。趣味にするのか、それでもまだ夢にするのか。趣味にできたアリは幸せだけど、夢にしちゃったキリギリスは泥沼で。
ベンジャミンさんは、夢の沼に沈んだキリギリスだったから嘘つくしかなかった。そしたらこっちだって奪い取るしかなかったんじゃないですか。
別府:ごめんなさい。はい。僕がぐずぐず言ったから。せっかくいい仕事決まったのに。ごめんなさい
家森:コーン茶飲もうか
別府:飲みましょうか
家森:ボウイングだけでも合わせましょう
すずめ:でも巻さんには帰るところあるじゃないですか
すずめ:帰る家あるし、夫さんいい会社の人だし、こうするしかなかったってこと、ないですよね? 躊躇なく壁に画鋲刺せますよね。好きなことして食べていけますよね
家森:すずめちゃん
すずめ:夫さんとケンカでもしたんですか?
家森:ボウイング合わせないと
すずめ:あぁ、ごめんなさい、ぁあでも夫さんから電話かかってくる感じもしないし。連絡取らなくていいのかなあって
巻:忙しい人だから
すずめ:今度こっちに来てもらったらいいんじゃないんですか。巻さんの演奏聴いてもらえばいいじゃないですか
巻:今度誘ってみます
すずめ:いつですか。来週とか?
巻:『ア』もらえますか
すずめ:結婚ってどんな感じですか
別府:すずめちゃん
巻:『ア』もらえますか
すずめ:夫婦ってどんな感じですか
家森:そういうこと聞いてどうするの?
別府:夫婦の話はこの間ぼくが聞きました。素敵だって
巻:『ア』ください
すずめ:え?どんな風に?
家森:だから今度来てもらえばいいじゃない?
すずめ:そうですね、実際に会っ
巻:『ア』もらえますか
別府:すずめちゃん、『ア』
巻:この間からあげおいしかったですね
別府:はい?
巻:からあげおいしかったですね
別府:ですよね、おいしかったですよね
巻:夫もからあげが好きなんです
家森:ぇえ
別府:夫さんはどっち派ですか、あ、からあげにレモン
巻:結婚して3年になるんですけど
別府:ええ
巻:結婚前がそんなに長くなかったから、どんなごはんが好きなのかなっていつも探りながらご飯作ったんですね?
別府:はい
巻:ある時、たまに脂っこいのもいいかと思って、からあげ作ったんです。そしたら、今までにないぐらいおいしいおいしいって食べてくれて。それからからあげが、うちの定番メニューになったんです
家森:いいですね
巻:それで、1年前のことなんですけど
すずめ:はい
巻:本郷においしい居酒屋さんがあって、友達の悩み相談で行ったら、たまたま彼も会社の後輩と一緒にいたんです
すずめ:ふぅん
巻:彼からあげを注文してました。声かけたら照れるかなと思って迷ってたら、その後輩の人が彼に聞いたんです。レモン、かけますか?って。そしたら彼、いい、俺レモン好きじゃないからって。でも私、2年間ずーっと彼の食べるからあげにレモンかけてたんですよね。目の前で私ずっとレモンかけてたのに、彼、2年間一度もそんなこと言わなくて、あれぇ?っと思って
家森:それはあれじゃないですか?夫さんの優しさ?
別府:ですよね。気づかいっていうか
巻:優しさ?
家森:はい
巻:気づかいなんですか?
別府:です
巻:要らなかった。許せなかったです
家森:いや、からあげにレモンぐらいで
巻:夫婦じゃなかったんだって思いました。夫婦ってなんなんだろうって思いました。この間別府さん、駅で聞きましたよね、夫婦ってなんですかって。
別府:はい
巻:夫婦って別れられる家族なんだと思います
別府:いや、ぼくはそれ、絶対それ隠してたとかじゃなくて、絶対愛情があってのことだと思います
巻:愛情?
別府:夫さんは巻さんのこと絶対大事に思ってたから。絶対愛情があったから
巻:絶対なんて
巻:人生には、3つ坂があるんですって
巻:上り坂、下り坂
巻:まさか
巻:1年前、夫が失踪しました
(巻:ただいま。ごめんね、すぐ作るから)
巻:ちょっとコンビニ行ってる間に夫はいなくなって、もう一年帰って来てません
別府:まじか
巻:絶対なんてないんです
巻:人生ってまさかなことが起きるし、起きたことはもう元には戻らないんです
巻:レモンかけちゃったからあげみたいに
すずめ:理由、わからないんですか
巻:あ、さっき別府さん、愛情って言いましたけど、そのね、夫がいた居酒屋さんでもうひとつ聞こえたことあって
すずめ:はい
巻:後輩の人が夫に聞いたんです。奥さんのこと、愛してるんですかって
すずめ:はい
すずめ:夫さんなんて
巻:愛してるよ、愛してるけど、好きじゃない
巻:て
巻:そういうことなので、私もう帰るところないんです。カーテンも買って来ました。私ここでみなさんと一緒に音楽と一緒に暮らしたいです

◆参考文献

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