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文章力向上道場

構成の“絵コンテ”をつくる

対象となるキーワードを書き出し、マルや四角で囲んで、矢印でつなげていく。基本はこれだけなのだが、特に矢印で右から左へ、あるいは上から下へと論の流れを視覚化していくことで、自分自身の思考も整理されていく。(中略)ポイントは、随所に「なぜか?」を入れていくことだ。こうすると、読者が疑問に思う部分も理解しやすくなるし、自分でもうまく整理できていなかった解が見えてくるはずである。また論理展開におかしなところがある場合は、矢印がうまくつながってくれない。つまり矢印は「眼で見る接続詞」なのである。pp.147-148

文字量を“眼”で数える

文字量については頭で数えるのではなく“眼”で数える習慣をつくろう。p.150

日によって大きく文字数を変えるよりは、毎回同程度の量で書いていったほうが構成力は身につきやすいはずだ。p.152

あなたにも“読者”がいる

われわれは「お客さん」を、すなわち「読者」をイメージしながら文書を書いているだろうか?読者をイメージするだけでなく「読者の椅子」に座っているだろうか?あなたは頭のどこかで「読者なんて小説家やエッセイストみたいな『プロの人』が気にする話であって、自分には関係がない」と思っているかもしれない。もしそうだとしたら、本日この瞬間をもって考えを改めよう。p.157

必要なのは、隣に立つことではなく、読者と同じ椅子に「座ること」である。読者と同じ椅子に座り、肩を並べ、同じ景色を見ることである。そこでようやく自分も読者になれるのだし、本当の意味で読者を理解することができるのだ。p.159

たったひとりの“あの人”に向けて書く

見えやすそうでいて、もっとも顔が見えにくいのが「多数派」なのである。p.167

「生理的に嫌いな文章」に注目する

いい文章・悪い文章という枠組みにとらわれていると、どうしても“お勉強”の意識が強くなる。たとえ個人的に好きじゃない文章についても、「これは文豪のいい文章だから、参考にしなければならない」と考えるようになる。美術などは、わかりやすい例だろう。「教科書で見たことがある」とか「名前を知っている」というだけで、それを“いい作品だ”と考える人は多い。自分の好き嫌いよりも、世間的な評価を優先しているわけである。同じ気持ちで文章に接した場合、どうなるだろうか。いつの間にか「自分はどうありたいか?」という内的な欲求よりも、「自分はどうあるべきか?」という外的な要請になってしまうのだ。これでは書いていて面白くないし、“お勉強”も長続きしないだろう。一方、好きな文章・嫌いな文章という考え方に立てば、自分がどんな文章を求めているのか、書き手としてどうありたいのかが明確になってくる。特に注目したいのが、“嫌い”の感情である。p.176



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