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文章力向上道場

予告編の基本3パターン

③Q&A型
(中略)一読してわかるように、もはや導入だけで問いと答えが揃っている。寸止め型の“見せない”導入とは逆に、読者に対してなるべく早く情報提供をしてしまうのだ。そして、与えられた情報に興味を覚えた読者は“椅子”に座って、続きの詳しい説明に耳を傾ける。p.128

そしてまた、映画館やテレビCMで面白い予告編を見たら、それがどんな構造によって成り立っているのかを考えてみよう。p.129

論理展開のマトリョーシカ人形

ここでの「論」とは“主張”のことだと考えればいい。そして「理」は“理由”と考える。つまり、自らの主張がたしかな理由によって裏打ちされたとき、その文章は「論理的」だと言えるのだ。p.130

論理的な文章のマトリョーシカは、次の3層になっている。
①大マトリョーシカ 主張・・・その文章を通じて訴えたい主張
②中マトリョーシカ 理由・・・主張を訴える理由
③小マトリョーシカ 事実・・・理由を補強する客観的事実 p.131

全ての文章には“主張”が必要だ

書き手自身が「自分がなにを書こうとしているのか」をあいまいにしたまま書いたため、読者になにも伝わらないのである。要するに、文章のなかに“主張=メッセージ”がないのだ。p.132

文章を読むとき、読者は必ず「この人はなにが言いたいのだろう?」と考えながら読んでいる。書き手の姿が見えないことには、読み手としての軸も定まらないのだ。

しかし、ここで考えなければならないのは「なぜ伝えるのか?」という自らへの問いかけである。どうして文章などというまどろっこしい手段を用いて、多大な時間と労力を費やして、自分は書いているのか。理由はただひとつ、読者を動かすためだ。自分が有益だと思った情報を伝えることで、他社の心を動かし、考えを動かし、ひいて行動まで動かす。文章を書くことは、他者を動かさんとする“力の行使”なのである。p.135

“理由”と“事実”はどこにあるか

自分の文章のなかに“主張”“理由”“事実”の3つがあるか、そしてその3つはしっかりと連動しているか、いつも意識するようにしよう。p.140

“面倒くさい細部”を描く

文章は“面倒くさい細部”を描いてこそ、リアリティを獲得する。そして、“面倒くさい細部”の描写によって得られたリアリティは、読者の理解を促し、文章の説得力を強化するのだ。(中略)一般に“事実”の描写というと、数字や科学的データの挿入だけで終わってしまいがちだ。しかし、本当のリアリティは、日常の何気ないところに転がっている。“面倒くさい細部”を描写することによって生まれるのである。pp.143-145

構成の“絵コンテ”をつくる

なぜなら、構成とは“眼”で考えるものだからである。よく混同されることだが、構成を考えることと文章を考えることは、まったく別の作業だ。映画に置き換えていうなら、文書は脚本や俳優の演技であり、構成はカメラ割りと編集である。無論、両者がうまく融合してこそ一本の“映画”になるのだが、そもそもの役割が違う。文章と同じように構成を考えていたら、必ずつまずいてしまう。
このシーンでは、俳優とセットはどんな位置関係にあり、カメラはそれをどんなアングルから撮影するのか。そしてシーンとシーンはどのようにつながっていくのか。それらを簡単な絵と文字に起こして可視化することで、事前に監督やスタッフ・俳優陣の間でイメージを確認・共有するのが絵コンテの役割だ。p.146

では、具体的な“絵コンテ”はどのようにつくっていけばいいのか。(中略)その上でぼくは、文章を図にして考えることをおすすめしたい。図解するメリットは、「流れ」と「つながり」が明確になることだ。p.147



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