裏表のない人間は最強だ。
どこまでもまっすぐで素直だ。
そんな球体の人間を前にして
なぞの敗北感。
敵わないなあ。
いろんなタイプの人間がいるから
世界が成り立っていることなんてわかってる。
けど、どこまでも素直に転がるその姿が
いたく光ってみえるのだ。
どうしてそう思うのか。
ほんとうにすごいんだ。
あの光は生まれもったものだから、
真似してどうこうなるものじゃないから
ほんとうに美しい。
わしはその人を詳しくは知らない。
たぶん知りたいと思う日はこない。
けれど、その形と光をみたら
この先ずっと知れなくてもいいと思った。
知ろうとしたところで、
わしが勝手に塗りつけた色になるだけだから。
そんなことをしなくても、
その人が美しいことはわかる。
それで十分だと思った。
わしも、球体になりたかったな。
でも、水に流れることを選んだんだもん。
ぷかぷか流れていく心地よさを知ってしまった。
もう陸にはもどれない。もどりたくない。
そういう気持ちを持って生まれたのが
自分なんだから、そのままでいいじゃない。
水にとけよう。たまに浮かぼう。
形を変えて、そのときそのとき、やわらかく。
ときに氷で、ときに雲。
どこにいっても、もとは水。
そんな気持ちで、いればいい。
余談だけど、
五行占いでいうとわしは火の陰らしい。
水に浮かぶくらいがちょうどいいのかも。
燃える水…メタンハイドレートってこと?(ちがう)
_φ(・_・
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