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生後12か月のきみ

結婚して半年、毎日残業続きの私は心の中で叫んだ。

「子ども作って1年くらい休みたいっ‼︎」

……結婚式を終え、そろそろ子どもを、と夫婦で考えていたのは事実だが、私は、少々追い詰められた気持ちでそう思った。

避妊の解禁。とはいえ、年齢的にすぐ授かるものなのだろうか? 一応、私は結婚してすぐブライダルチェックを受けたけれど、妊娠を保証するものではない。夫にも、もしかしたら問題があるかもわからない。--と、考えるとキリがないので、「1年トライしてみてダメなら2人で病院に行こう」と夫婦で決めた。

どうせなら楽しもう! と、楽しそうなラブホテルに行ったり、マムシドリンク的なのを買って飲み、「体が熱い!」と爆笑したりもした。

基礎体温を計るベーシックな方法で何度かトライし、運良く子どもを授かった。

1年と少しの休暇。3月生まれの息子は、私の願いを叶えてくれた。

産休ギリギリまで働いた翌日から、数日は昼間死んだように寝、夜中に夫と満喫に行き、マンガを読みまくったりもした。今までできなかった部屋の片付けをして、出産予定日1ヶ月前くらいに実家に帰った。それからも小説を読んだり、ゲームをしたり……お腹は重いし、喉が詰まったような感覚で食事を全力で美味しく味わうことはできなかったが(出産後嘘のように治った)、概ね楽しい1人目妊娠生活を送った。

予定日前日に破水し、普通分娩からまさかの帝王切開になり、私は疲労困憊で満身創痍だったけれど、息子がなんとか無事に産まれてくれてほっとした。初めは鳥のヒナのような外見や慣れない育児に、可愛いと思えるまで少し時間がかかったが、だんだん丸く太ってきて、表情も豊かで可愛らしくなり、気づいたら立った、歩いた、で1歳を迎えた。

念願のロングバケーションは、思い通りにいかない未知の毎日だった。一言で片付けられないくらい大変だったけれど、小さな人の成長は、実体験より俯瞰で見ることができることが新鮮で、大変さを受け入れてまだ余りあるくらい、今までにない楽しさがある。
また、特に大した人間でもない自分に対し、「ママだいすき!」と毎日慕ってくれる存在は心強い。親というのは初めから「親」然として存在するものではなく、子どもによって「あ〜なんか、自分、も少ししっかりしないとかも」と自覚して成っていくものなのである。

息子は現在、2歳になり、会話が成り立つようになってきてまた面白い。私のお腹には再び新しい命が宿り、家族に加わる新しいメンバーを今からみんなで楽しみにしている。

2人目を考えて家の近所に転職した夫と、これからはチームワーク良く子育てに取り組みたい。この転職話をすると、「旦那さん偉いね〜!」となるが、本当はそれが普通に思える世の中になるといい。

--時代は少しずつ私たちが変えている、最中だ。

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