ルノアールと「本質」

 1日に水を3L近く飲む。決して美容や健康の為ではなく、ただ高校生の時に精神を拗らせて、落ち着かなさを紛らわせる為に水を飲み続けていたらこうなった。アルコールやタバコに依存するよりかは水に依存をした方が経済的かつ健康的であるが、同時に精神のせいで多汗症も併発していたのでずっとびしょ濡れだった。今は精神ハキハキ人間になったので汗はほどほどにして、よく水を飲みよくおしっこをしている。よろしい。途中で「小象ぐらい水を飲む」という例えを出そうとして調べたら、象は1日に100L水を飲むらしい。精神を拗らせている象は200L飲むのかな。
 本を読むことが好きなので、馴染みの喫茶店の1つや2つがあると生活がグッと良くなる気がしている。ただ、実際に小洒落た喫茶店に行くと「ここにずっと居座ってもいいんだろうか」という気持ちが芽生えてしまう。反語である。実際、小洒落た喫茶店はラーメン屋ぐらい回転率が良い。小洒落た喫茶店では星新一は許されても、京極夏彦を取り出した瞬間に出禁なのである。聖書なんて取り出した日には江戸時代ぐらい怒られるに違いない。江戸時代は怒られるとかのレベルじゃないけど。踏み絵って現代でポップに使用される言葉になっていて、面白い。
 では、居座りたい場合はどうするのか。通常であれば2杯目を注文するという手段が我々には残されている。ただ、前述の通りわたしは水を飲む量が象なので、信じられないスピードでコーヒーを飲み干してしまい、結果居座る為には破産を覚悟しなければいけない。水を飲む量以外の部分も象であったのなら、コーヒーを撒き散らしてパオーンだったので、クリーニング代など更に費用が掛かったかもしれない。その点は所詮象寄りの人間で良かった。

 そんな象人間の味方がルノアールという喫茶店である。

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