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ある日突然目が開かなくなりました。

ほんの2ヶ月前、
ある日突然目が開かなくなった。

何か予兆があったわけではなく、外傷を負ったわけでもない。
でもその日は気づけば昼頃から徐々に瞼が開きづらいと感じて、
夕方には瞼を開けていられなくなった。

この時は眠気や眼精疲労だろうと考え、
入念に目の周りをマッサージしたり、
就寝前にスマホをいじることもなくホットアイマスクをつけて早めに床に就いた。

しかし翌日になっても、起床して数時間経つと再び目に違和感を感じる。
眠たいような、眩しいような、乾燥するような、疲れているような、
それら全てに当てはまり、それら全てにピンとこない。

とにかく目を開けているのが辛かった。
スマホやパソコン、テレビなどのあらゆる光が眩しくて、
室内灯でさえ眼球に突き刺さるような明るさに感じ、部屋の電気を消して過ごした。


色々調べている内に、
首こりから眼精疲労に繋がる事が分かった。
目の周りだけほぐしてもなんともならないのかもしれない。
早速治療院に行き、マッサージを受けた。

また、似たような症状の病気で
『眼瞼痙攣(がんけんけいれん)』
というものがあると知ると眼科も受診した。

しかしいずれも効果はなく、
特に眼に異常があるわけでもなかった。

かろうじて片目を閉じていればまだ幾分か楽になれたけど、
十分な視界が確保できない生活は大きなストレスとなり、いつも楽しめていた事が何も楽しめない。
外出する気分にもなれず、入れていた予定もキャンセルせざるを得なかった。

その生活が1ヶ月続けば人間どうなるかと言うと、

病んだ。

それはもう思いクソ病んだ。
ぶっちゃけ“病んだ”なんて表現をこんな歳で使うの小っ恥ずかしいのですが、
私はその頃から人との関わりを遮断して、精神と時の部屋に籠るようになりました。


今年の夏に引っ越した新居は近隣の住宅からの音が伝わる“騒音マンション”で、
壁が薄いのにペット可にしている意味が分からないけど、
早朝から吠え続ける他室の犬の鳴き声が自室にまで響いてきた。

何度も犬の鳴き声で起こされた。
その内声だけでどこの部屋の犬の声か聞き分けられるようになった。
あと多分、犬種もわかった(恐らく隣はコーギー)

目が開かなくなったことで、音に対してより過敏になり、
日中も絶え間なく鳴き続ける犬の鳴き声に
ノイローゼになりそうだった。



ある日この症状について調べていたところ、とある記事が見つかった。

それは「ベンゾジアゼピン眼症」と呼ばれる病気に関する内容だった。

ベンゾジアゼピンとは睡眠導入薬や抗不安薬に使用されている成分で、
それらの薬を長期間服用することによって現れる症状が当時の私と酷似していた。

また、私には大きな心当たりがあった。
夏頃より就寝前に睡眠導入薬を服用していた。

最初は大きな病院で薬を処方されており、
その頃は何ら異常なく過ごす事が出来ていた。
だけどその病院は患者数も多く、
このご時世にも関わらず、待合室にはいつも多くの人が押し込まれるように順番を待っていて、
その環境がどうしても落ち着かず、
完全予約制の小さな病院に転院することにした。

紹介状を持参し訪れたその病院で、
私は飲んでいる薬の種類や数量について医師に相談した。

「基本は就寝前に1錠ずつ服用していますが、どうしても寝付けない時は1錠追加して飲んでいます。
なので前の病院では余分に5錠ほど多く処方してもらってました。」


すると医師は


「薬を増やしてしまうと後が大変だから、
増やすよりは減らすようにしましょう」


たしかに、睡眠導入薬などは耐性がついてしまうと量が増え、
止める時には離脱症状などでなかなかやめられなくなると聞く。
そういった部分に不安に感じていたので、医師からの言葉にホッとした


のも束の間ーーー



「なのでこれからは毎日2錠ずつ飲んでください」





は?


今考えても意味が分からない。
増やすよりも減らした方が良いと言われたはずなのに、気づいたら薬の量を増やされていた。

頭の中は“?”マークでいっぱいだったけど、
その時は「先生が言うことだから…」と思い
あまり深く考えず、薬の量が増えた処方箋に疑問を抱く事もなかった。


私の目が開かなくなったのは、それから2週間後だった。


勿論その症状が出始めてから、医師にも相談はしていた。
だけど原因が特定できなかった状態で薬の種類を変える事に危惧したのか、
医師からは「様子を見ましょう」という言葉しか返ってこなかった。

そして次の診察日を待つ間には、
目よりも心の方がひどく落ち込んでしまった結果が上記の病み散らかした日々である。


そのまま2ヶ月ほど過ごした後に再度医師に相談、薬の種類を変えるよう強くお願いし、ようやく変えてもらった。




そしたら3日で治った。
精神と時の部屋で過ごしたこの2ヶ月間は一体何なんだったんだと感じてしまうくらい、
ずっと瞼の上に張り付いていた煩わしさと共に心のモヤもどこかに吹き飛んでいった。

身体と心の健康ってやっぱり繋がってるんだなぁ。
これからは人に優しく生きようと思います。


上記の時期にご心配をおかけした方々、本当にすみませんでした。
夏すみれ、恥ずかしながら返ってまいりました。
当時は返せなかったLINEも今はちゃんと返せますし、
今は薬の種類も量も減らして
すっかり元気になっておりますので心配しないでください。


なんとか年内で目の症状を含む忌々しい出来事とも清算できたと思うので、
来年は少し前向きに取り組んでいけそうです。

そろそろリングにも戻らないとね。
この1年ろくに運動もしていなかったから、まだまだ時間は掛かると思うけど、
まず私は“人前に出る”という感覚を取り戻していかなきゃいけないので、
とりあえずのところ【社会復帰】から始めます。
詳細は年が明けてからまた言うね。


ちなみに余談ですが
今年買ったお守りや神札の数は全部で20個でした。
八百万の神々の内、20人が我が家に集結。
そら喧嘩するわ。


来年はもっと良い年になるよね、ハム太郎。




良いお年をお過ごしください。



夏すみれ

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