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エピソード11「未来の私へ/あの頃の私へ」

季節は冬。卒業を数か月後に控えた頃。私があの日願ったように、大きなトラブルもなくここまで過ごすことができたので、月日はあっという間に過ぎていた。

私たちは、タイムカプセルを作っていた。

小さい頃から大切にしている人形、昔の家族写真、...皆、思い思いの宝物を用意していた。

私はというと、大切にしていたものはたくさんあったが、多すぎて選べなかった。だから、未来の自分に向けた手紙を書くことにした。

どんな内容だったかは、覚えていない。いや、覚えていたとしても、思い出そうとは思わない。なぜなら、この物語の主人公である子供の私が、今この物語を語っている大人の私に書いたものだからだ。



だから今は、あの頃君が何を書いたのか、楽しみにしているよ。


君が送ってきた日々を、私は、いや、


僕はよく知っているよ。


辛かったね。苦しかったよね。何度も何度も、死にたくなったんだよね。


でも、そんな苦境を生き抜いた君は、本当にすごい。


頑張ったね。えらかったね。


そんな君には、きっと、楽しいことがたくさん待っているよ。


先はまだまだ長いけど、君なら大丈夫。


頑張れ、あの頃の私。


未来の僕が、応援しているよ。


未来で、待っているからね。



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