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「私から見た本棚のモヨコの9年」

モヨコが活動休止するんだって。
森くんはずっと、休止はダサい!俺だったら絶対に解散にするなー!とか言ってたくせに、活動休止ですってヨ!ぷぷぷ

私にとって本棚のモヨコは他人事じゃなくて、ずっと自分のことみたいに一緒に9年間伴走して来た。自分の人生を振り返った時に、いつでも家族みたいにモヨコがいる。

私は23歳になった。
モヨコと出会ったのは多分14歳の時。
森くん達男子メンバーは今の私と同じ23歳くらいだったと思う。
当時の私は学校に行かず家でアニメを見てギター弾いて散歩して夜はライブハウスに行っていてアッパーな引きこもり不登校(?)だった。

10年前くらいのライブハウスは、ライブを見に来たぞー!って雰囲気よりもみんな友達に会いに来た今日も遊ぼうぜ!みたいな、スピリチュアルラウンジの前は階段まで人がたくさんいて、みんなただただ酒を飲んで喋り続けていた時代だったような気がする。多分。
とにかく今とは少し違った。

私はみおちゃんがモヨコの前にやっていたバンドもよく見に行っていたので、モヨコに加入してからも別にモヨコが好きなわけでもなくただ家族がステージに立つのを見に行っていただけ。

妹です、どうも。という感じ。
別にメンバーとも話したことはなかった。

森くんと仲良くなったのは多分Twitterから。
コミュ障同士、アニメオタク、漫画オタク。
Twitter上でやり取りをし出してから、ライブハウスで会う度に無限に話し続けてた。
趣味のことも自分の事も。大人が嫌いだった当時の私にとって、
生まれて初めて心を開いた"大人"だった。

今野もオタクだったので3人でお正月にまんだらけに行ったりしてた。
そんな感じで普通に友達として仲良くなっていった。(年齢は8個も違うけど…)

家族だな〜という位置になったのは多分、          誕生日会から。
モヨコはその頃、仲良し男女混合バンドです⭐︎っていう世間からのイメージがあった。
実際は、超仲悪かった。
仲悪いくせに、一応…って感じで毎年メンバーの誕生日はみんなで誕生日会をするのが決まっていた。
なんだったんだろう本当に(今もやってるけど)
いつからか場所は私たち姉妹の実家、チャンネルカフェにて。

仲が悪いってどういうことかって、メンバー間の会話がゼロなの。ほんとに誰も喋らない。誕生日会するって集まって誰も喋らないの。 それに耐えられなくなったのかわからないけどいつからか、クッションみたいな位置で私も参加するようになった。というかうちの家族全員。
私がいればみんな私を通して話し出す。
そこからずっと私はモヨコの 間に挟まる役 になっていった。

そろそろ音楽について振り返ろうかな。

私は森くんの作る曲が好きで、それはみんな同じだった。メンバーも私たち身近な人たちも、みんな本当に森くんの作る音楽が大好きだった。本人は才能がないみたいなこと言ってたけど、私たちはみんな天才だと思ってるよ。
ゆるふわ魔法系ポップバンド(?)みたいなキャッチーコピーは違和感だったな。ってくらい歌詞は暗いし捻くれているし性格が悪い。
キラキラなんてしたことないし、キラキラしてる人たちを指差して、ダセー!って思いながら絶対に本人達には言えないし、むしろそのキラキラに本当は心のどこかで憧れている、クラスの端っこにいる奴の頭の中。って感じ。伝わる?

現実から逃げても夢の中で生きていくことを肯定してくれているみたいで、自分のことをなかなか肯定できないような、同じ様に生きている人たちの心を救い続けてくれた。

札幌時代を一緒に過ごして、私が高校を卒業した年の春にモヨコは上京した。
何故とか理由とか無視して私は当たり前のようにその半年後に後を追うように上京した。
モヨコがいたからわたしは東京にいる。

札幌にいたときは確実に勢いがあったし、周りもみんな、こうやってバンドは売れていくんだな…!くらいの気持ちで東京に送り出した。
事務所がついてて、マネージャーがいて、上手くやっているような雰囲気だった。

まあ完全にそれは雰囲気の話で、相変わらずメンバーのコミュニケーション能力は低いしなんとマネージャーとも超仲悪かった!
側から見てたらコントかよ?!ってくらい仲悪かった全員。笑

売れたいなんて気持ちは前提でみんなここまで同じ志で来たのにバンドは全く前に進んでないように見えた。相変わらず会話は無いし。

多分このとき近くで見てた人たちは全員、
「こいつら本当にやる気あんのか?」
って思ってた。ていうかやる気あったらそんな感じになる?ってくらい変化もなくただ堕ちていった。メジャーデビューを目標にしてないバンドでももっと本気でやってるわ!ってくらい。

みおちゃんはいつもバカみたいに酒を飲んでいて練習に行かないし、森くんは精神を病んで?誰とも連絡がつかなくなった。今野は知らんけど多分東京の仲良いおじさん達と飲んでたんじゃないかな?今野だけ友達いっぱいいてウケた。
そりゃそうだよね〜という感じのタイミングでそうしろうがバンドを辞めた。
誰も驚かない。
私は超ブラック職に就いて東京に殺されかけていたのでこの辺から時系列はよくわからない。。。

この時くらいから、
わかりやすく全員音楽から逃げ始めた。

止まっていることにみんな気付いてるのに誰もそれについて何も言わない。ただ毎週練習してたまにガラガラのライブハウスでライブしてた。
私は間には挟まっているけど音楽について何か言う立ち位置では無いと思っていたので何も言わずに見ていましたがさすがに見ているのもつらくなる状況だった。

いつも通り酔っ払ってるみおちゃんに、
ねえ何しに東京来たんだっけ?生活もちゃんと出来ないしドラムも叩けない、そんなんならバンドなんてやめたら?
って言った。
どうしたらいいの…って泣いてた。
こんなやり取りもう3回目くらい(みおちゃんは毎回泣く)
泣くので答えは出ない。し、酔っ払ってるので次の日には覚えてない多分。

同じようなことを森くんにも言ったことがある。
今の森くんは人生とも音楽とも向き合ってないし人生から逃げたいだけで音楽やってるならもうやめなよ!!
と言ったら、
森くんは何も言わずにボロボロ泣いていた。

みんなの人生を1人で背負って、森くんの夢に乗っかってここまできたことをみんな自覚している、森くんが夢から醒めたら朝が来る。
だって全部森くんの夢だったんだもん。

そんな感じで時は流れて2019年12月19日が最後らしい。

ジブリの風立ちぬの最後に
創造的な人生の持ち時間は10年だ。
という台詞があったことを思い出す。


約10年。
完璧なエンディングを期待しています。