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私の中の「エゴイスト」

先日、映画「エゴイスト」を観てきた。

Youtubeで予告編を見たことをきっかけに
宮沢氷魚の英語によるエゴイストに関する記者会見を見て(すごくカッコよい!むしろ英語の方が合っているというくらい)

「なんか久々に映画館ですぐ見たい!」と思った。


とはいうもの、今やサブスクでいろいろな映画やドラマが見れる時代
映画館で見る映画って私には少々高級な趣味であって、なんとなく見たいものをみるという感じではない。
あと、パニック障害の影響もあって時間帯や席選びには慎重になっている。
(コロナ禍では密が避けられていて、逆にありがたい)


金曜日は会員デーで料金が安くなるので、上演最終週の金曜日に見に行くことにした。

エゴイストとはWikipediaによると
”利己主義(りこしゅぎ、: egoism)は、自己の利益を重視し、他者の善行を軽視、無視する考え方。それにより、他者が不利益や損害を被ることも少なくない。”
と書かれている。
私のイメージでは、「わがまま」、「己の欲にまっしぐら」などである。


映画「エゴイスト」は鈴木亮平演じる「浩輔」と宮沢氷魚演じる「中村くん」とその家族の話。
登場人物も少なく、2人を中心とした生活や出来事、感情が描かれている。
見た感想としては
映画を見ながら話が話が進むにつれ号泣していた。
ストーリーは流れがとてもスムーズでとんとん拍子に話が展開していく感じであった。
そして俳優2人が美しく洗練されていた。特に鈴木亮平の演技が素晴らしかった。

しかし、個人的に気になった点としては
こんな急に2人が急接近するのか?
また、中村くんが浩輔と関わる中で、働き口を変えるのであるが、重労働のバイト掛け持ちをしているという点が、中卒で母親を支える中村くんの苦しさを助長しているように見えた。もっと中村くん良いバイト見つかるはずだけどな…とか。

それは置いておいて
私が号泣していたのはなぜだったのか考えてみた。
浩輔、中村くんの2人の愛情とともにある切なさ、苦しさだけでなく
中村くんの母親への愛情、浩輔の母親への愛情
なんとかして中村くんや中村くんのお母さんを幸せにしたいと惜しまない浩輔の気持ち。

みんな似たような経験があるはず
例えば自分の親に、ちょっといい握り寿司を買ってあげる
時々食事をごちそうする、季節に合わせた服を買ってあげる
少し多めに家にお金を入れる…など

頼まれてはいないが、自分がそうすることで少しでも「何か役に立っている」という証拠を作り、自分を安心させる。

中村くんも中村くんの母親も浩輔の援助にはありがたさと心苦しさを感じていたはず。
自分の愛情を消化しきれずにいる浩輔もそうすることで自分が救われる。
少なからず、私にもそういう感情があり、自分自身が重なって泣いていたのかもしれない。

浩輔と中村くんの2人は互いを大切に想い合い、愛し合っていて
あからさまに傷つけるような事、苦しませるような事は見当たらない。

映画にある「愛は身勝手。」という言葉。

浩輔は慈悲深い人かもしれないが
見方を変えれば「エゴイスト」ということ、なのかもしれない。

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