ビジョンは自分の手で作るものだ!
武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論 第1会 三澤直加さん, 2020年5月18日 by コク カイ
昨日は株式会社グラグリッドの代表、三澤直加さんの講演を拝聴した。
株式会社グラグリッドは2011に設立した、サービスデザイン、ファシリテーションとビジュアルシンキングを中心に、自ら開発したツールを駆使して、学校から企業、地域などが社会の変貌と共に各自に抱えた問題を発見し、解決する企業だ。
三澤さんが語った五つのケースの中で私が一番印象的だったのは、小学校でワークショップを実施した事例だ。この年齢層の子供達がよく起こりがちの問題として、「いつも多数決で議論を終わってしまう」や「正解を求めてしまう」などが挙げられる。子供達のこのような傾向は子供に絵を教える絵画教室で仕事をしていた私がよくわかる。するとこのような問題を解決することと共に、子供達の創造力、思考力と判断力を培うために、三澤さんのチームはビジュアルシンキングの考えをもとで子供達が自ら考えた方法で絵を描いていくという案を持ち出した。これを実施することで、子供達が遠慮せずにどんどん自らの意見や考えた解決策を貢献し、創造的思考で問題を解決する体験ができた。
確かに子供一人一人の創造力はどれも素敵で無限大だが、自分が描いたものしか興味ないや自分しか目を向けないという問題点も存在する。そこで三澤さんのチームはノートの既成概念を覆して、絵でノートを「描く」という方法を子供達に教えた。今まで授業で聞いたことをノートに記録するという受身的な行為をワークショップを通して、自ら「創造する」、「構成する」といった能動的な行為に変化した。さらに子供達が描いた作品を展示することで、お互いを認め合い、学び合いの場ができ、新しい教育の姿を示すことができた。
三澤さんと株式会社グラグリッドは新しいビジネスの在り方を示唆したと考える。これからの社会に向けて、単に利益を第一目標とした企業が生き延びる訳ではない。ビジネスと社会、地域の関わり方を注目し、時代の変動と共に様々な需要を対応できる企業を作ることがこれからビジネスおこす人間が考えなくてはならない課題だ。
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