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未来は共に作るものだ

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論 第5回 江渡浩一郎さん, 2020年6月15日 by コク カイ

本日はメディアアーティスト、江渡浩一郎さんによる講義を拝聴した。

江渡さんはメディアアーティスト、情報理工学者として数々の作品と研究、著述を作ってきた。その中で私が一番印象的だったのは彼が立ち上げた「ニコニコ学会β」だ。ご存知の方もいらっしゃると思うが、少し説明をするとニコニコ学会βとは、ニコニコ生放送のメディアを使ったシンポジアムが主体のユーザー参加型の学会だ。

2011年11月21日に、21名のの研究者や実務家によって「ニコニコ研究会」が設立され、2011年12月6日に第1回ニコニコ学会βシンポジウムがニコファーレで開催された。「ニコニコ」の名称はニワンゴの許可を得て使用される。また、βが付いているのは学会未満の存在であること、ユーザーの参加によって成り立つ学会であることを意味する。運営期間は5年に設定され、第9回ニコニコ学会βシンポジウムにて「散開」宣言がなされた。

2016年11月20日をもって解散となったニコニコ学会βが世の中で話題となった理由はたくさんある。一番の理由としては恐らくこの学会が標榜した「ユーザー参加型」というところにあるかと思う。従来の学会は国から指定されている公的な学術研究成果を発表する場のこと、このような学会いくらイメージしても、なかなか若者たちがよく使う生放送サイトなどとの関連性が誰だって考えられないだろう。

そもそも学術や学会などとは誰の何のためにできたものだろうか、その本来のあるべき姿が何なんだろうか。第一問目は答えやすいが、第二問目はそう簡単には答えられないかもしれない。ただ、その質問に対して正解などは存在しないと言っても、人間や人間でできた社会の全体的の福祉のために行う研究をより多くの人に知ってもらい、学問や知識を効率的に幅広く伝播するという点から見ると、ニコニコ学会βは非常にいい例だと考える。

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