横浜に出かけたら東京まで夜景クルーズ船で帰ろう

画像1

横浜っていい街ですよね(唐突)。横浜駅からみなとみらい、赤レンガ倉庫、山下公園、中華街などなど観光名所がコンパクトにまとまっていて、ぷらつきながら歩いて見て回るのにちょうどいい。僕みたいな独り者には手厳しいほど街中にカップルが多いのも頷けます。
さて、一日横浜でお出かけを楽しんだあと、そのままごみごみした通勤電車で帰るのはもったいないと思いませんか?せっかくならもう少しロマンチックで非日常的な時間を過ごしたい、そんなあなたにオススメしたいのが「東京湾夜景航路」という夜景クルーズです。クルーズというとハードルが高いように思われるかもしれませんが、その実だいぶ手軽に乗ることができるんです。この記事ではそんな夜景クルーズの乗り方や見どころなどご紹介したいと思います。
(2020/9/4追記:この航路に使われる船は2020年7月に新造船・3代目さるびあ丸に置き換わりました。この記事ではそれ以前に使われていた2代目さるびあ丸での写真を掲載しています)
(2020/10/9追記:東海汽船の公式ブログにて東京湾夜景航路の紹介記事が掲載されました。そちらの方がわかりやすいと思います)

東京湾夜景航路とは

最初に今回紹介する航路について簡単に説明しておきましょう。利用するのは東海汽船の「さるびあ丸」という船で、普段は東京港竹芝桟橋から伊豆諸島を結んでいる大型客船です。この航路は夏季以外の週末に途中横浜に寄港して東京~横浜~伊豆諸島を走っていて、そのうち土日の東京行きの便の横浜から東京の区間だけ乗ってしまおうというのが今回紹介する「東京湾夜景航路」になります。ちなみにこの呼び方や「夜景クルーズ」という表現は船会社の東海汽船が宣伝しているもので、分かりやすいのでこの記事でも則っていきたいと思います。東海汽船の紹介ページはこちら

お値段ハウマッチ

興味を持っていただいたみなさんが一番気になるのは「いくらかかるの?」という点でしょう。ということでまずは料金を。
横浜から東京までの運賃は、ずばり1500円前後です。
…「ずばり」といった割にふわっとした物言いですが、これは船の運賃が燃料費などによって変動してしまうという事情があるため。ただ基本的に1400円~1600円の間ぐらいだと思います。期間ごとの運賃表はこちらにありますので、利用の前に確認してみてください。また、たまに企画セールで1000円になることもあるようです(2020/9/4追記:2020/10/3~11/15まで1000円)。
横浜~東京を電車で移動すると500円くらいなので、実質+500~1000円くらいで東京湾の夜景クルーズを楽しめると考えると意外とリーズナブルかも?と感じていただけたら幸いです。

乗り場降り場と時間

続いて、どこから乗ってどこに着くのか説明しましょう。船なので両方とも港なんですが、乗り場は横浜港大さん橋(地図)です。最寄駅はみなとみらい線の日本大通り駅ですが、赤レンガ倉庫とか山下公園からでも全然歩けるのでそんなに気負わなくても大丈夫。というか大さん橋自体観光スポットですし。
一方降り場はというと東京港竹芝桟橋(地図)という所で、ターミナルから歩いて1,2分の場所にゆりかもめの竹芝駅が、また10分くらい歩くとJR浜松町駅/地下鉄大門駅があります。特にゆりかもめは駅の位置がちょっとわかりづらいですが超近いので便利です。
さて、船は横浜港大さん橋を18時10分に出港します。ただしその前にチケットを買わないといけないので、目安としては30分前・遅くても10分前には着いているのが望ましいでしょう。つまり、大さん橋に17時40分~18時00分くらいに着くつもりで動けばOKです。東京港竹芝桟橋には19時45分着で、およそ1時間半のクルーズになります。ただし稀に着時刻が遅れることもあるようですのでご注意ください。降りるときは手続きなどはありませんが、移動時間もろもろ含めてゆりかもめの竹芝駅で20時00分くらいを見ておいた方が無難かもしれません。

乗り方解説

では、具体的にどのように乗るのか解説していきます。
事前予約はできますが、基本的に満席になるようなやつではないのでしてもしなくてもいいです(2020/10/9追記:嬉しいことにここ最近はかなり利用客が多いらしく、予約推奨とのこと)。もしするなら電話が手っ取り早いと思います。
先述の通り、出港の30分~10分前、17時40分~18時00分ごろまでには横浜港大さん橋に着いているのが望ましいでしょう。大さん橋自体も眺めの良い観光スポットでカフェもあるので、少しくらい早めに着いても時間は潰せると思います。
大さん橋に着いたらまずはチケットを買いましょう。大さん橋の2階に位置する客船ターミナルに入って左奥に進むと、オレンジ色の看板の案内所がありますが、そこが東京湾夜景航路を運航する東海汽船の受付です。受付にいる人に「竹芝まで」などと伝えれば、チケットと一緒にパンフレットやステッカーやイチゴミルクの飴とかを出してくれます。

画像2

↑大さん橋客船ターミナル。矢印の所にあるのが東海汽船の受付。

チケットを買ってしまえば乗船までやることはありません。乗船手続開始はだいたい出航10分前の18時00分くらいからだと思いますが、案内アナウンスが流れるのでそちらに従ってください。時間がある場合はターミナルデッキに出て横浜の夕景を眺めたり、ターミナルの中にあるカフェに入ったりすればいい感じに時間が過ぎると思います。

画像3

↑大さん橋からの夕景。

大さん橋のターミナルにはいくつか乗船口がありますが、東京湾夜景航路の乗り場は入口基準で左側の一番手前にある所です(チケットを買うときやアナウンスでも案内されるので従ってください)。船に乗ってから船内デッキのテーブル席をどうしても取りたいとかがあれば早めに並んでおいてもいいかもしれませんが、そうでなければ乗船手続が開始してから適当に向かえばいいと思います。
乗船口からデッキに出たら、そのまま通路に沿って1階に下りて行きます。乗船までそこでしばし待機。船が接岸して下船客が済んだら乗船開始です。係員にチケットをもぎってもらい、いよいよ船に乗り込みましょう。チケットには席番が書いてあると思いますが、乗船中に自分の席に行くことはほぼありません(断言)(2等船室からは外がほとんど見えない)ので、無視してまっすぐデッキに出ても構いません。まあよほど大きい荷物があるなら席近くの荷棚に置きに行ってもいいかもしれませんが、セキュリティ的なのもありませんので個人的にはそのまま持っていた方がいいとは思います。
屋外のデッキは船の後方にあります。船というのは普通の建物よりはやや複雑な造りをしているので、適当に外に出れるところから出て上手いこと階段を駆使してお気に入りのポイントを見つけるといいでしょう。

クルーズの見どころ

横浜港大さん橋から東京港竹芝桟橋までの1時間半の夜景クルーズですが、具体的な見どころや楽しみ方を紹介しましょう。
まず横浜港の出港です。大さん橋は豪華客船もよく発着する横浜港を代表する埠頭ですが、ここから旅立つことができる船はそう多くはありません。大さん橋を発つと、船の最後尾からは赤レンガ倉庫やランドマークタワーなど、離れゆく港町ヨコハマの夜景が一望できます。

画像4

↑横浜港出港。

さて、出港を見送っているうちに、まもなく次の見どころが近づいてきます。横浜ベイブリッジです。東京湾夜景航路は、横浜港の入口を横断するベイブリッジの下をくぐっていきます。

画像5

↑横浜ベイブリッジの下を通過。

ベイブリッジを後にすると、船は東京湾内に出て東京港を目指します。左手に工業地帯が広がりますが、夜景の見どころとしては一段落です。
このあたりで時間は18時30分くらいだと思います。船内にはレストランがあり19時まで営業していますので、軽く夕食を食べるのもアリでしょう。あるいは自販機コーナーにカップラーメンなどが売ってるので、ビールと一緒にデッキでつまむのもオツですね。

画像6

↑船内レストラン。うどんそばやカレーなどの食堂メニューのほか、ビールとウィンナーや枝豆などの飲みメニューも。

そうこうしているうちに船は羽田沖に出ています。左手に少し離れて羽田空港が見えます。そんなに近くは通りませんが、ひっきりなしに離着陸する飛行機たちを眺めることができます。

画像7

↑羽田空港。上空の光はすべて飛行機。

羽田空港を見終わるころには右手には東京ゲートブリッジやお台場、スカイツリーが見えてきます。さらに東京湾夜景航路はレインボーブリッジもくぐっていきます。

画像8

↑レインボーブリッジと東京タワー。

レインボーブリッジをくぐったらもうすぐ到着です。竹芝桟橋の前で、東京港の夜景に囲まれながら左に180度回って接岸します。お疲れさまでした。

Q&A

Q:土日だけなの?
→A:はい。東京行きの便が横浜に寄港するのは原則として土日のみなので、横浜→東京の利用ができるのも土日だけです。ただし祝日などは変動する可能性もあります。詳しくは東海汽船HPの時刻表から神津島発東京行きの「大型客船」が横浜に寄港しているかご確認ください。

Q:夏季は乗れないの?
→A:はい。7月~9月はダイヤ上横浜に寄港しないため乗れません。ただしその代わりに同じ「さるびあ丸」で東京港竹芝桟橋を発着し東京湾の夜景を見て回れる東京湾納涼船が運航されているので、ご興味のある方は是非そちらもご検討ください。

Q:東京→横浜は利用できないの?
→A:公式にはあまり宣伝していませんが乗れないことは無いです。ただし曜日が金土なのと、時間が遅い(東京港竹芝桟橋22時出港、横浜港大さん橋23時20分着)ので、横浜方面に住んでいる人が帰宅するときに使えるぐらいですね。

Q:揺れて酔わない?
→A:割と大丈夫です。もちろんお天気次第ではありますが、水上バスやレストラン船に比べれば船が大型ですし、外海に出るわけではなく東京湾内のみの航行なのでそこまで揺れることはないと思います。酸っぱい物や満腹を避けるなど一般的な対策で平気だと思いますが、あとはご自身の体質とご相談ください。

Q:寒くないの?
→A:冬は寒いです。デッキは屋外ですし、日が落ちて気温が下がっていることに加えて船は時速30キロくらいで走っているので風もあります。普通に外を歩く用の防寒装備+α(手袋とかマフラーとか耳当てとか)の用意があるといいと思います。

Q:満席にならないの?
→A:横浜→東京の利用で乗れないことは基本的にないと思います。というのも、伊豆諸島から乗ってきて横浜で降りる人が一定数いるのでそこで空席が出ますし、最悪でも座席の割り当てが無い「席なし券」で乗船できると思います(先述の通り、デッキで夜景を眺めていればどうせ自席にはほとんど行きませんし)。ただ繁忙期などで心配であれば事前予約しておいて安心するのもありでしょう。

Q:なんでこんな東海汽船の回し者みたいな記事書いてるの?
→A:単純に東京湾夜景航路がとても魅力的でオススメしたいというのが一番ですが、個人的に東海汽船が好きで応援したいというのもあります。というのも、東海汽船が運航する伊豆諸島航路はいわば「ローカル線」で必ずしも採算性が良いとは言えませんが、離島へのライフラインとして運航を維持しています。横浜東京間の利用が増えることで、少しでも東海汽船の収入増に繋がればと思っています。

ここまで長々とお読みくださりありがとうございました。東京湾夜景航路、ぜひ乗ってみてくださいね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?