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黒黄ルフィ感覚論|店舗予選→フラシ2回 三連覇


デッキ構築 ver.1


デッキ構築ver.2


4月第一週店舗予選〜フラッグシップ、5月第一週フラッグシップと三連続で優勝し、ある程度自分の黒黄ルフィの考え方に目処が立ったので記事にまとめます。フラッグシップも二連覇して少し自信がついたので有料にします。練習に付き合ってくれた友人に奢るビール代にぜひご協力ください。
知り合いで読まれたい方は教えてください、中身を全部送ります

証明①


証明②


証明③


知り合いでない方のお名前を出して恐縮ながら、下記毒田さんのNoteをはじめ、黒黄ルフィに関する丁寧な解説は他にもあり、私も読みました。優先して読むべきはそちらかなと考えます。

翻ってこの記事を読む甲斐ということについて。カードゲーム対戦にはとかく運が絡むもので、自分と相手の引きによって即興の判断が必要です。マリガン基準や先行後攻の選択、3ターン目の最優先の動き、といった固定的な知識判断だけではなく、もっと抽象的で感覚的な方針に基づいて選択を都度考えることが醍醐味だと、少なくとも私は感じます。全国大会などで勝ち上がるほどの方々は、もっと粒度高く場面判断を手に持たれているような気もします。
ただ、私と同じくらいの感覚でカードゲームを楽しまれている方々が、その即興演奏に役立てることのできる自分のリズム感覚を得るため、とにかくたくさん黒黄ルフィ関連の情報に触れたいという目的にあっては良い読み物になっていることを期待しています。
この記事は、固定化されたプランやプレイに落ちない、場面都度の判断におけるより抽象的な感覚を出来るだけ文章化していくことを目的としています。
フラッグシップに入賞して得られるカードの価値と比べれば端金ということで、Noteを通して私の友人にビールを奢っていただけますと幸いです。

焔裂き採用理由

無くても良いです。黒黄ルフィにおいて構築はほぼ固定でさほど重要でなく、この記事もあまり焔裂き採用を前提としているわけではありません。ただ、黒黄ルフィ使用時の私の抽象的な感覚を体現しているのがこのカードなので、適宜触れます。4月の下旬くらいから、焔裂きをイワンコフに変えました。どちらでもいいなという感覚ですが、自傷不足試合の確率を下げるためにイワンコフにしました。
<使用用途>
①赤紫ローやモリアの盤面展開が整いすぎて自傷・リーダー効果起動できないまま手札を大きく削られそうな時
②ヤマトやハンコックや赤紫ローやディアブルジャンブなど、ブロッカーが効かない相手に盾1進行したいときの最初の盾1+リーダー7000時の守り
③終盤4コスブロッカーが厄介な時

手札(命)を燃やしながらリーダー9000を維持する、この命の燃やし方を曲線で描くとき、黒黄ルフィの戦い方は基本的に下記の2パターンですが、
①細い山に尖らせて瞬間的に高い火力を出し、相手のリソースが増えないうちにゲームを終わらせる(対ボニー、対ハンコック、たまに対エネル)
②5コストの強キャラクターを使った無理のない展開でリソースを無駄遣いしないままなだらかな山を作り、手札を使い切るまで堅実なコンボを続ける(対黒単、対黄色、対赤紫ロー、対黒黄ルフィミラー)

焔裂きやイワンコフの導入によって、さらに下記のプランを取りやすくなります。
③なだらかな曲線を作りつつ、相手の出力に合わせて合わせて火の勢いを調整しながら相手のリソースを削り切るのに必要十分なターン数をコントロールする(対赤紫ロー、対黒黄ルフィミラー)

自傷札を使う or 使わない/リーダー7000 or リーダー9000という選択肢に加え、さらにブロッカーだけ立てるターン・1ドン構えてやり過ごすターンという選択肢を増やすということです。

マキノ不採用の考え方

前弾環境から黒黄ルフィを握っている中で、マキノを入れずに使って来た期間が長く、その中で不要であった、という個人的な経験則が正直大きいです。必要ではないなら、他に入れたいカードがある限り枠をそこに割こうという発想です。

ただの経験則ではお伝えするに値しないので、少々後付け的ではありますが、マキノが必要でない理由の検討について一応記しておきます。

まず、このデッキにおけるサーチ二種搭載は「ほぼ確実に複数ヒットする中から、その場に応じて望みのカードを選択できる(しなければならない)」かつ「ゲーム終盤に至るまでサーチに割くドンがある」という理由によって確定枠になっています。

もちろん、ドロー機会が有限でありデッキ枚数が固定であるワンピースカードにおいて、同じカードを4枚、少ない種類のカードでデッキを構成し、再現性を高めることが理想的であることは間違いありません。
それでも、環境のさまざまなデッキと相対し、さまざまなシーンにおいてそれぞれ適切なカードを使い分けることも当然ながら同時に求められます。
サーチのカードを多く持つことは、再現性を維持しながら、多くのデッキ、多くのシーンに対応するためカードの種類を増やすことができる、という強みでもあります。
その強みをもって、エッグヘッドルフィ2枚、黄色サボ2枚、かつ5エースを減らさない、ゲームレンジ調整カード、これらを全て備えることを構築におけるアドバンテージにしたいと考えました。

一方、マキノ不採用によるデメリットが2000カウンターの数と自傷札の数の2点において生じます。

2000カウンターの数について
こちらが適切にリーダー子供効果を使えている限り、このデッキでカウンターとして使う本当に必要な2000カウンターは、相手がリーサルをかけてくるターンの、2枚です。
強いて言えば、5ルフィを守るのに1枚多く欲しいかもしれません。
そのほかのデッキは、ライフの残り1枚を守りながら戦う一方、黒黄ルフィは4枚全てを手札に加えることをためらう必要がありません。
実質的にゲーム中に手札としてみなすことができるカードがライフ4リーダーより1枚多いと考えてよいです。
5ルフィ、5サボを使いながら戦っていく中で、およそゲーム終盤までにはデッキを半分くらいは掘ることになります
手札5枚
ライフ4枚
各ターンドロー6〜8枚
5サボ2〜4回4〜8枚
2000カウンター8枚入りのデッキを半分掘るのですから、大体3〜4枚ほど引くとして、
自傷で1〜2枚使ったとしても十分な数です。
ただ同時に、「道中は絶対に2000カウンターを切らない」というプレイングを課せられます。
これについてはほぼ慣れの問題ですが、焔裂きやブロッカーによるカウンター節約はプレイ難易度としては低く、またリーダー子供効果の適切なタイミングでの起動、に集中力を割くことができるため、むしろ適切な判断を取りやすくする変化であると考えます。

自傷札の数について
こちらについて、黄サボ、イワンコフが合計4枚入るのであれば自傷札の数自体は実質変わらない、と言える一方、マキノ効果による効率的に子供効果・リーダー効果を起動させられるメリットが減っています。
その点で、ボニー、ハンコック、たまにエネルなど、早めのリーダー子供効果起動とキャラ展開が必要なデッキに対する耐性が落ちている、と言えます。
そのデメリットをカバーするためには、下記のように増えたカードを適切に使えることが必要です。
ボニー:
黄サボによるキャベンディッシュ処理
ハンコック:
リーダーアタックと4プリンの2択押し付けを経てのライフ2枚残し後の3回以上のアタックによる手札処理要求をイワンコフによっていなす

すなわち、2000カウンターの数の面、自傷札の数の面両方を踏まえ、「ボニー、ハンコックに最低限の戦いをするために必要な手札の再現性が下がっている」、ということがマキノ不採用の明確なデメリットであるといえます。

このデメリットと比較することができるメリットが、上述の「カードの種類」の増加ですが、以下の点で、赤紫ロー対面を重く捉えたときに十分に大きなものであると考えています。
・黄サボによる環境で厄介な5コストキャラの処理
 →5キッド、5クイーンの処理
 →エッグヘッドルフィ不在時のボンクレー、シュライヤの処理
 →5ルフィ・5サボ欠損時の3ターン目登場キャラ
・焔裂き・イワンコフによるゲームレンジ・ターン数調整
 →ブロッカー大量採用の赤紫ローのターン数調整への抵抗力
  →イワンコフであれば延ばす方向に特化(5サボとの二面展開が容易)
  →焔裂きであれば延ばす方向、あるいはリーサルを1ターン早める方向にも使用可能

その他にもミラーの5ルフィ、ルッチモリアのナイトメアルフィなど、黄サボで処理したい5コスは多く、
ライフが0でないときの8モリア展開においてイワンコフは日和よりも価値が高いことも含め、「ボニー、ハンコック、エネルに弱くなる」ことよりも大きなメリットであると考えています。

黄サボを子供を使って展開することはほぼありませんが、
先日、黄サボの手札からの登場、リーダー効果による黄サボの登場によって5キッド、5クイーンを二面処理し、赤紫ローに対して確定リーサルを早めることができました。
モリアを出してもう1ターン、5エースによる打点増やし、の方が望ましいプランではありますが、
それらが出来ない場合や、時間切れが近い時などのオプションにはなり得そうです。

※ただ一方で、5ルフィも場に残せない中で、2000カウンター自傷札がゲームを通して1枚も引けず、あるいはハンデスで落とされ、ライフを0にすることすら叶わないまま負けたケースも2回だけありました。
私の運が良いので2回で済んでいる、ということかもしれませんので、ここは自己責任で、、、

黒黄ルフィの強みに関する所感

言うほどのことでもないですが黒サボを絡めた盤面構築力・保存力の高さ、リーダーアタック値を7000~9000,たまに11000にする+ライフ追加によるライフレースの調整力が何よりもデッキパワーの源です。
さらに抽象的に言うと、ワンピースカードの勝負の趨勢を”手札”、”盤面”、”ライフ”の3要素が決めるものとした時に、(参考: MTGの伝説的デッキビルダーと呼ばれるプロプレイヤーによるカードゲーム戦略論
①手札:サーチ2種による再現性、5サボによる手札入れ替えと、トラッシュまで利用できる選択肢の担保(ライフが余って自傷が無い場面を除いて常に強い動きができる手札を確保しやすい) 
②盤面:5コストのパワーカードの2面展開が容易+5サボによる保存
③ライフ:ライフ追加が可能なリーダー効果によって、3要素全てに強みがあります。
相手のリーダーを見て、どの要素で勝つのかを選ぶことが出来ることによる多くのリーダー対面を睨んだ汎用性が強みであり、単に「トップシェアの黒単に強い」という点に加えて、このデッキを選択する意義です。相手のデッキのコンセプトや次の動きを読めれば読めるほど、対応力が高まるデッキと言えます。

各リーダーの「負け筋」の意識が重要

とはいえ、冒頭のデッキパワーの源の動きが強力な故に、ゲーム進行は却ってシンプルになり得ます。何も考えていなくてもカードさえ揃えば高い出力を発揮できます。私も黒黄ルフィを握り始めた当初(前弾環境)は、一般的な黒黄ルフィへの理解度の低さによるイージーウィンが多くありました。今もちょっとぼーっとしていて何も考えずにカードをプレイしていてもそこそこの勝率があります。たまに手札に5ルフィがあったつもりで日和を出したあと、何もないので三兄弟の絆を埋めることがあります。トラッシュに子供ルフィがいると思ってモリアを出した後、いなかったのでガープを登場させることがあります。それでも勝っちゃったりします。

一方で、店舗予選やフラッグシップなど、勝つことの報酬が比較的大きい場では特に、どのデッキでもおおよそ黒黄ルフィ対策がされています。プレイ中の都度の判断においても、ミス・裏目が無いか、意識に上がっていない公開情報が無いか、お互いに精査しながらプレイします。黒黄ルフィのプレイ指針の選択肢の多さから、敗戦をじっくり振り返れば「ああすれば勝てていた」が数多くあります。(これはもちろん負け惜しみではなく、その判断を選べない実力によるものです)

つまり、緊張感が比較的下がる普段のプレイの中では、「勝ててしまう」が故に負け筋への意識が希薄になりやすいリーダーである、各対面、どんな負け方をすることが出来るか?その経験を少しでも増やすことが(他のデッキでももちろんそうですが)黒黄ルフィの勝率に大きく寄与するものであると考えています。例えば、有利対面であるモリアやルッチに対しても、負けることができます。

先行研究に対するアンチテーゼとしては、「8モリア、5ルフィを含む安定の勝ち盤面」の完成に向けたシンプルなゲームメイクによる強い動きの押し付け、”以外の”勝ちを、細かい負け筋を見逃さないことで得られるということが本記事の主旨です。加えて、私の負け方も糧にしていただければと思います。

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