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【自腹購入レビュー兼日記】液晶タブレット・Huion Kamvas Pro 19がすごくいいぞ

近々創作活動を強化したく液タブを新調しよう!と思い、年初に発売されたHuionさんのKamvas Pro 19を購入しました!

まだ国内レビューが少なく海外の動画レビューを漁ったり、Huionさんの実店舗を訪れて実機を触ってみたりといろいろ情報集めてから購入を決めたので、これから購入する人の参考になればと思い記事にしておきます。ある程度仕様の共通したKamvas Pro 27の参考にもなるかも?

結論から言うと予算に限りはあるけど超高性能な液タブが欲しい人にはかなりおすすめです!

記事は秋葉原まで足を運んで実店舗で購入した液タブをよいしょよいしょ…と自力で担いで帰った日記的な部分も含みますので、目次から読みたいところだけ読んでいただければと思います。

いいぞ、Kamvas Pro 19…!


筆者について

用途の参考になるかもしれないので私の液タブの使途や日頃使用している機材などについて軽く触れておきます。

普段はゲーム会社でデザイナーをやりつつ趣味で漫画同人誌を描いています。漫画は一応ちょっとだけプロとして連載経験があり、質を一定にするため同人誌の原稿も大きな商業誌サイズで作画しています。

これまで使用していた作画機材は以下のとおりです

  • XPPen Artist 22 2nd
    自宅で使うメインの21.5インチのフルHD液タブ

  • 第6世代 iPad mini
    ネームを描いたり落書きなどの軽作業に使うタブレット

  • WACOM Cintiq 16
    私物ではないが職場で毎日使っている16インチ液タブ

液タブを新調したい!

これまでメインで使用していたのもXPPen製でそれなりに満足していたということもあり、安価な海外製液タブにも一定の信頼感を持っており特段ワコムにこだわりがあるわけではなかったのでまた海外製にしようかなと思い品定めをしていました。

最初に候補に挙げていたのは昨年末頃発売されたXPPen Artist 22 Plusです。

7万円台と安価で21.5インチと大型、ペン性能が大きく向上していること、おそらくこれまで自分が使用していたArtist 22 2ndの直接の後継機で安心感がある、動画などでの国内レビューもそれなりにある…など、買う理由が固まってきてもうこれにしようかな~と思っていたのですが、一点、画面解像度がフルHDなことだけ気になっていました。

勤め先で使用しているCintiq 16などの小型機ではあまり気にならないのですが、大型の液タブでフルHDは結構ドットの粒状感があります。
幸いPCのスペック的にも大画面モニタを使える余裕があり、それならせっかく買い替えるのでWQHDや4Kも検討したい…。

そこで浮上してきたのが4KのHuion Kamvas Pro 19・同27でした。

Kamvas Pro 19・27の国内レビューがほとんどない!

19が169,980円・27が299,980円と、どうやら50万円超えと話題になったCintiq Proに競合するモデルで、海外製液タブにしてはかなり高額な部類のようです。おお…いきなり買うには怖い…情報がほしい…。

しかし、なんと参考にできる国内レビューがほとんどありません。実際に設置した様子や描いているところなどが見れるのでXPPenやHuionがよくやっているお絵描きYoutuberさんの提供案件レビュー動画などが出ていれば参考になるかしらと思っていたのですが、そういうのもない…!どうして~!?

発売から日が浅く、海外製液タブの中では高額な部類なのでホイホイ提供できないのかもしれません。ホイホイ手に取れない高額機種だからこそ情報がほしいので歯がゆい…!

一応海外レビューは多少あるようで、なけなしの英語力で視聴したのですが、アメコミ漫画家さんがすごく自分に近い「カラーをあまり描かない・漫画の線を描くのを重視」という条件でレビューしていた動画が1件あり、こちらの動画でとても好感触だったのが唯一参考になりました。

(アメコミ作家さんも日本の漫画家と同じでクリスタ使って描いてるんだ…)

秋葉原に実機を触りに行こう

海の向こうの第一線の作家さんが褒めているとはいえ、まだやっぱり通販とかでポチってしまうには踏ん切りがつきません。サイズも今使ってる21.5インチより小さい19インチにするか、机がパッツパツになってしまう27インチにするか迷っています。

そんなわけで秋葉原にやってきました。

なぜか同じ日にTwitterのフォロワーさんも2人くらいアキバ来ててニアミスで笑った

秋葉原に来た目的は2つ。

  1. 性能の比較参考としてまずヨドバシAkibaでCintiq Pro 27を触る

  2. Huionの実店舗・Huion神田店でKamvas Pro 19・27の実機を触る

まずアキヨドに向かい、Cintiq Pro 27を触ります。
ここでレビューするべき機種でないしレビューもたくさんあるので詳細は省きますが大富豪だったら迷わずCintiq Proを買っておったな…という感じです。そのくらいすごいです。あと27インチはさすがにでかすぎる。

……これ触ったあと海外液タブの購入検討できるかにわかに不安になってきました。

その足でHuion神田店さんに向かいます。

国内唯一のHuion実店舗で、おそらくKamvasのフラグシップ2機の実機を触れるお店はここだけ。現在は入店するとショールームの一番いいポジションにKamvas Pro 19・27が陣取っています。

念の為店員さんにこれが当該の機種か確認し、Cintiq Proの感触を引きずったまま、ドキドキしつつ実機を触ると…

「あっ、これでいいじゃん」

想像以上にCintiq Proの描き味に肉薄していてびっくりしました。触れただけでスッと細い線が引け筆圧のコントロールだけで線の太さを自在に変えられます。4Kの液晶もとてもきれいです。リフレッシュレートは60HzでCintiq Proの120Hzと比べると気持ちヌルっと感はないかな…という印象ですが、それでもペンの描き味の良さがそこを補っており十分です。しかもCintiq Proと違う点としてはファンレスなので27インチでもかなり薄い印象を受けました。

もう一点懸念材料だったサイズですが、27インチはやはり自分には大きすぎます。このサイズを買っても自分の描き方では画面の真ん中しか使わなくてもったいない気がしました。19インチのほうはというと、4K解像度の高精細感の分これまで使っていたフルHDの21.5インチよりむしろ大きく感じてこれでちょうどいいと感じました。こ、これほしいな…。

……。

買ってしまった

数分後、そのままHuion神田店さんでKamvas Pro19を購入したのでした。

これ持って電車乗って帰るんだぜ。まあまあでかい、重い。

ちなみにKamvas Pro 19は高級左手デバイスのTourBox同梱版がお値段据え置きのまま(なんで!?)直営販売限定で4月中に販売されるそうでいま予約受付中らしいのですが、キーボードショートカットガチ勢なので別にTourBoxいらなくて「これすぐ欲しいです!通常版を買います!」と言ったら通常版を定価から少し値引きしてくれました。うれしい。あと実店舗で購入するとおまけがもらえるらしく、すごい派手な柄の折りたたみ傘ももらいました。

値引きしてもらえたりおまけがもらえたり、直営店で購入すると保証が2年に伸びるなどのメリットもあり、また、後述しますがペンなどのオプション品の展開についても聞けて実店舗で実機を触ってから購入して正解だったなと思いました。

設置、そして試し描き

電灯の反射防止に普段は机に傘をさしています。

設置自体は以前使っていたものよりすこしサイズダウンしたことですんなり完了しました。背面には脚状のスタンドが内蔵されていますが、そちらは使わずにVESA規格のモニターアームで設置しています。

また、PCとは付属の3-in-2ケーブルで接続しています、ケーブルがまとまってるのわちゃわちゃしなくて嬉しい!CtoCケーブル使えるパソコンだともっとスッキリすると思います。

画面の色設定はsRGBにしてあります。工場出荷時に一定のキャリブレーションはしてくれているようで結果シートが同封されていました。まあ私はあまりカラー描かないので関係ないかも…。

ペンは2本付属しています。通常タイプのものとスリムタイプのものです。個人的には製図シャーペンのような細いペンが好きなのでスリムタイプを使っていくかと思います。一点、懸念材料としてはペンの単体販売や芯のまとめ売りがまだされていないところです。直営店の人に聞いたところ、そのうち発売はされるはずとのことなのですが、筆圧が強めで芯の消耗が激しいタイプの人間なのでペンや芯は消耗品としていつでも替えがきくよう早く発売してほしいな~と思います。

ペン立て・ペントレイにもなる立派なケースに替え芯と一緒に入ってます。標準ではフェルト芯がささっていますが私はややツルツルした感じが好きなのでプラ芯にしています。

表示倍率などを調整した後、クリスタで試し書きしてみました。
感想としては、高性能なペン性能と4K液晶、えっもはや紙…?

自分で細かく設定をしているクリスタで改めて触ってもお店で触ったときと同様ペンが想像以上によく、昔の海外液タブによくあった細い線はあまり引けない割にうっかり力入ったときのギュッ!!ドボッ!!っと太くなって繊細な太さコントロールができないあの感じがまったくありません。
触れただけで細い線が引け、微妙な力加減で線を太くすることもでき、これならブラシの太さ設定を変えなくても筆圧だけで線のコントロールができそうです。

on荷重が2gと低く、筆圧検知のレベルが16384とものすごく高くなっているというカタログスペック的なものに加えて、細い線から太い線まで筆圧を読み取るレンジが廉価帯の液タブやiPadよりすごく広いと感じます。

こういうのやるとちょっと昔の廉価帯の液タブはすぐ右の検知レベルゲージがスコーン!と頭打ちするのですが、かなり柔らかめの設定にしても繊細に読み取ってくれました。

1種類の太いブラシをつかって筆圧で線の太さをコントロールするとかいう方法、これまで他の海外液タブでも性能に定評のあるCintiqでもiPadでも自分には上手にできなくて都市伝説だと思ってたのですがKamvas Pro 19だとそれが自分にもできるようになったのどえらい感動しています、すご、ペン入れ爆速になってまう…。

ブラシ設定ほぼ変えずに線の強弱がつけられるの嬉しすぎる…

もちろん視差も全然ありません。ペンの先からスル~ッとインクが出ている感じで線が引けます。

4Kで画面自体が高精細になったのもあって本当に描いてるみたい…。

またKamvas Pro 19・27にはタッチ機能もあるのですが普通にiPad等と同じようにピンチイン・ピンチアウト、タップで戻ったり進んだりができます。ただ、これは先にも書きましたがキーボードショートカットガチ勢なのであんまり使わないかも。電源ボタンの横にタッチ機能をオフにできるボタンがあるので誤作動防止に切って使っています。

ここやで(トントン)(左がタッチのオンオフスイッチ)

タッチについて一部の海外レビューで「マルチモニタ環境でセカンダリモニタに設定するとタッチが使えなくなる、ドライバ対応かな…?」というレビューがあったのですが、これはどちらかといえばタッチパネルディスプレイ全般におけるWindows側の問題でコントロールパネルからタッチ操作するモニタを設定してやる必要があります。
「コントロールパネル」→「ハードウェアとサウンド」→「タブレットPC設定」→「構成」→「セットアップ」→「→タッチ入力」と進んで画面の指示通りにタッチ操作をするモニタを選んであげてください。これでセカンダリモニタでもタッチ操作が使えるようになると思います。

タッチ操作の他、付属品としてキーダイヤルというテンキーとホイールの付いた左手デバイスが付属してきます。操作の選択肢を増やそうという手厚さがすごい!ただこれも私がキーボードショートカットガチ勢なのであまり活躍の機会はないかもしれません…せっかく付いてきたのにごめんね…!

こんなに立派な左手デバイスが付いてくる…!(使わない)

画面サイズに関しても自分的にはやはり19インチの方で正解で、物理的なサイズは前に使っていたFHDの21.5インチよりサイズダウンしていますがこちらのほうが4Kの恩恵で画面が広く滑らかに感じます。画面サイズが27インチと比べてこぶりなおかげでドットピッチも狭く粒状感がまったくないのもFHDから買い替えてよかったなあと思うポイントです。メジャーな16インチや21.5インチの中間で19インチという珍しいサイズ感ですがでかすぎず小さすぎずいいなと思いました。
というか、これまで使ったことがあるモニターがFHDやWQHDばかりだったので、初めての4Kモニタ自体にビビってるかも…サブモニターも4Kにしたくなっちゃったな…お金がいくらあっても足りない…!

あと、かつて液タブは暖房器具!と言われていたり競合のCintiq Proにはファンが付いていることから発熱も気になるところですが、画面右端のコネクタ付近がじんわり温かい程度で手汗や汚れ防止で手袋をしてる人だとほとんど気にならないと思います。

まとめ

Kamvas Pro 19、個人的には大満足な買い物となりました!
自分のようなヘビーなアマチュア~セミプロくらいで、それなりにいい機材はほしいけど40万とか50万とかは流石にポンと出せないよ~!!という人にはすごくいい選択肢ではないでしょうか?

ただ、ペンや替芯などのオプション品が単品では未発売という点は、バリバリ使い倒すためにもいつでも予備が手に入る安心を得たいので早く発売してほしいところです。Huionさん、お願~い!

場所は限られていますが実機を触れるお店があるので気になる人は是非Huion神田店さんに行ってみてください。立地的にワコム製品やXPPen製品も触れるお店も付近にあるのでぜひ描き比べて自分にあう一台を見つけてみてください。

まだまだレビューや情報の少ない機種なので、なにか気になることがある方はぜひコメントしていただければと思います。答えられる範囲で答えます!

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