【おすすめ漫画】私は今何点?‘ホンモノ’になれずもがくママ。応援したくなるマウント女子の結末は?
今の暮らしは何点?誰よりも上で、誰よりも下?自分と他人を比べることは、誰しも経験があるのではないでしょうか。周りの人から「マウントされている」と感じたことも、ゼロではないでしょう。なぜ人はマウントをとってしまうのか……。
本尾みゆき先生が描く「だってワタシ、120点だもの」の主人公 美咲(みさき)は、何にでも点数をつけるマウント女子。けれど、本作はただのマウントものではありません。マウントの裏にあるコンプレックスや、人間味のある感情を描いており「自分にとって幸せとは何なのか?」を考えさせられる作品なのです。
作中に頻繁に出てくる、‘ホンモノ’と‘ニセモノ’という言葉。人の評価を気にしない‘ホンモノ’になりたいと願う美咲。しかし母親や昔の同級生の存在が、コンプレックスを刺激し続けてくるのです。サスペンス要素もあり、話が進むごとに目が離せない展開に!今回はそんなマウント女子の世界を一部紹介します。
周りからのイイネが安定剤。120点の私の生活
映えない割烹料理屋の料理40点。冴えない旧友53点。1億かけて建てた家100点。かっこいい夫120点!ブランド物や家族の写真をSNSにアップして、イイネをもらえることが美咲の生きがいなのです。それは夫から抱きしめられることよりも、美咲にとっては大事なこと。
そんなとき近所に引っ越してきたのは、幼少期に見下していた同級生の瞳(ひとみ)でした。小学生だった当時、貧乏な瞳の生活を見て「あの子は絶対 一生私より下だ!」と目を輝かせていた美咲。瞳に構うことで、自分が上であることを実感し心を満たしていたのです。
ところが大人になった今、才能があり一目おかれる瞳。いろいろなことを器用にこなしていく、瞳の娘。すべて自分が上だったはずなのに……美咲の心は崩れ始めていきます。
一見すると嫌味なマウント女子に見えますが、その行動は強烈なコンプレックスからきていることがさまざまな場面で伝わってきます。SNSだけを見れば、幸せいっぱいの美咲。その実情は、自尊心の低さに葛藤していたのです。
「人と比べて落ち込むことがある」という人は、この美咲の葛藤に共感できることも多いのではないでしょうか。自分の感情と重なる部分もあり、不思議と美咲を応援したくなるのです。
「減点がこわい」。他人軸で生きるきっかけは母の存在
美咲の母は作家として活動していて、熱狂的なファンも多数。「人間だれしも人より得意なものがある、輝ける場所がある」そう言われて育ってきたのです。しかし、どの習い事も中途半端で結果が出ないなか「美咲は何をやらせても60点なのかもしれない」という母の言葉に深く傷つきます。
何にもなれなかった自分、60点のニセモノの自分。そんな自分を補うために、ブランド物で身を固めていくようになります。
母になった美咲もまた、娘の紬(つむぎ)を評価してしまいがち。母の反応を気にする紬の姿に、いじらしさと心が締め付けられるような感覚になります。そのままの紬を愛そうと美咲も葛藤していて、共に成長している場面には心が温かくなります。
今後の展開が見逃せない!マウント女子の結末は?
しかし美咲のマウント物語は、山あり谷あり。美咲に執着してくる、瞳夫婦の裏の顔。120点の夫に対する違和感。美咲の婚前の浮気。コンプレックスの根源である母との共同生活。待っているのは、ハッピーエンド?バッドエンド?
どうか美咲が、マウントからではない‘ホンモノ’の幸せを手にしてほしいと願うばかりです。
本作は、ヒューマンドラマが好きな人・子育て中のママ・人と比べてしまいがちな人。そんな人にぜひおすすめしたい作品です。マウント女子美咲の結末を、共に見届けませんか?
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