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ポイントカードに使われないように

多くのお店では、ポイント制度が用意されている。
買い物をすると金額に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントで買い物が出来たり、商品を貰えたりする。
お買い得なので、ポイントそのものは悪いことではない。
しかし、ポイント制度は使うべきであって、使われるべきではない。

ポイントに使われるとは

ポイント制度は、何度も通って欲しいから用意された制度である。初回でリターンを得られることはほぼなく、何度も通い、ポイントを積み上げ、一定ポイントを超えるとやっと使えるようになる。
ポイントを強く意識すると、いつの間にか、ポイントに使われるようになる。
ポイントに使われるとは、ポイントのためにコストをかけることである。
例えば次のような。

  • 今いるお店でも欲しい賞品は売られているが、ポイントを貯めるため、離れた場所にある別のお店に行く。

  • 5倍ポイントセールの日なので、不要なものを買う。

  • ポイントカードを忘れたから、本当は必要だが、今日は買うのを止めておく。

  • ポイントカードの期限が迫っているから、現金を足して、そんなに欲しくない物を貰う。

  • お財布がポイントカードで膨らんでおり、免許証など他のカードを探しづらい。

お得になるために、つまりは自分のためにポイント制度を利用しているはずなのに、ポイントを優先して自らに制限をかけるような行為。
自分のためのポイント制度なのに、ポイント制度のための自分になってしまっている。
ポイント制度に使われると、無駄な買い物をしたり、無駄な移動をしたり、欲しいものを我慢したりすることになる。


「たまたまあったから使う」くらいの感覚で

ポイントに使われないようにするには、たまたまポイントカードがあったから使う、くらいに思っておくのが良い。
あったらラッキー、という程度。急いでいるときは、カードを持ってないと言ってもよいくらい。
アプリの場合は常時持ち歩いていて忘れることはないけれど、レジに向かう時、そういえばアプリがあったっけ、と思う程度の感覚。

お店側は、よりお得なように、5倍ポイントデーや期間限定のクーポンを用意してくるけれど、自分が主人である、との決意を揺らがせるべきではない。
ポイントに使われない、という覚悟。


例外(のように見えるポイントとの付き合い方)

ポイントのために、買い物をするお店を限定したり手間をかけて新しいクレジットカードを作ったり、それらはポイントに使われているけれど、例外もある。
それは、趣味としてのポイント収集。いわゆる「ポイ活」である。
ポイ活とは、還元率の高いクレジットカードを集中的に使用したり、複数のサービスを組み合わせたり、望んでCMを見たりして多くのポイントを集める活動のことである。
ポイ活を行う人の動機はもちろん「お得だから」であろうが、極端な場合、時給換算すると損であったり不便であったりすることもあると思われる。
手間暇かけて、それでもポイントを集める、それが楽しいという人は、最早趣味である。主体的にポイントに重きを置いており、ポイントに使われているとは言えない。


類例

ポイントに使われる類例としては、スマホゲームのログインボーナスを挙げられる。
ログインボーナスとは、毎日アプリを起動するだけで貰える報酬制度のことである。起動しなかった日は貰えないので、毎日起動するのが一番お得となる。
ゲームを楽しんでやっているうちはよいが、ログインボーナスを貰うだけでゲーム本編を遊ばない状態は、ログインボーナスに使われている。
楽しむためにゲームをするのに、ログインボーナスを貰うためにゲームを起動している。
ログインボーナスを得るためだけになったらそのゲームは辞め時である。

スーパーの試食。
おいしいかどうかを試すのが目的だが、いくらおいしくても要らなければ買う必要はない。
「おいしい=買う or おいしくない=買わない」ではない。
おいしくて欲しいと思えば買うし、おいしくても欲しくない・要らないと思えば買わない、と決めてから食べないと、試食に使われてしまう。


自覚があるなら乗るのも一興

次の週末、駅前でお祭りのようなイベントがあり、チラシを持っていくとティッシュペーパーをくれるといった場合。
ティッシュペーパーだけを目的に出かけるのはティッシュペーパーという景品に操られているが、週末は特に予定がなく、ティッシュペーパーをきっかけにイベントに参加する、と主体的に考える場合は使われていないと言える。
もし、既に上限に達しておりティッシュペーパーを貰えなかったとしても、後者の場合はがっかりしないだろう。



ポイント制度にせよ試供品にせよ、企業の策略に対し、主体的に振る舞えるなら悪いことではない。
ポイントカードやアプリをひとつずつ見て、時々点検を。
使われることなく、使おう。

名角こま

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