挑戦しやすくする工夫
何かを始めたり、あるいは終えたりする際、決断が必要なことがある。
初めてみたいけれど中々重い腰が上がらない、止めたいなぁと思いつつもだらだら継続してしまっている、など。
どうすれば抵抗なく始めたり止めたり出来るのかと考えたとき、出てきたポイントは「戻りやすさ」である。
いつでも戻れる安心感
始めたり止めたりするときの心理的な障壁は、取り返しの付かないことになったらどうしようという懸念である。
逆に言えば、いつでも元に戻れる、と思えば気軽に挑戦できる。
この目線で世間を眺めてみると、様々な事例に気付く。
気に入らなければ全額返金
初回は安価に、あるいは無料で提供。体験版。
スポーツ用具のレンタルサービス
基本は無料のスマホゲーム
各種サブスク
気軽に始めて欲しいから、企業側は手を出しやすいサービスを用意している。
全額返金して貰えるなら試してみようか、500円くらいなら失敗してもまぁいいか、と思わせる。
スノボでもマリンスポーツでも、道具を揃えるのは結構なお金がかかる。一通り買いそろえたものの、やってみたら案外つまらなくて止めたとなれば道具は無駄になってしまう。が、道具をレンタルしていたなら無駄にはならない。
各種サブスクは、「買い切り」ではないから始めやすいし無駄になりにくい。レンタルサービスと同じ系統である(レンタルサービスは1回限りのサブスク、または、サブスクは継続的なレンタルサービスと言える)。
止めたとき、消費したお金や時間など、全てが元に戻るわけではないが、被害は少ないレベルに留まる。重要なのは「戻ろうと思えば戻れる」という安心感そのものである。
始める前の状態に戻れるようにしておく
ということは、何かを始めたいとき、あるいは止めたいときは、自分で「戻れる安心感」を作っておけば、挑戦もしやすくなる。
お試しサービスを探す
まずは、上で挙げた、企業側が用意した「お試しサービス」が無いかを調べてみる。
用意されたサービスが無い場合でも、代替できるサービスが無いか考える。
例えば、A町かB町のどちらかに家を建てるかを検討しているとき、それぞれ二週間ずつウィークリーマンションに住んでみる。無論お手軽ではないけれども、気に入らないからといってもう一度家を建てるよりはマシであるし、A町に引っ越して気に入らないことが出てきても、両者を比較しているから「やはりB町の方が良かったのでは」と思わなくて済む。
入門書などを、図書館で借りるのも良い。図書館にある本は最新でないことが多いが、雰囲気を掴むだけなら十分である。もっと知りたいと思えば最新の本を購入すれば良い。
平行して進めてみる
例えば今の仕事を辞めるわけではないが、そしてまだお金を稼ぐわけではないが、稼げる状態まで持って行けないか挑戦してみる。
失敗しても、仕事はそのままだから痛手は少ない。
今の趣味を全部辞めてしまうのではなく、少しだけ力を弱め、新しく始めてみる。ダメなら元の趣味にまた全力を注げば良い。
なまってしまうのではと不安になるかもしれないが、多くの場合、他のジャンルの経験が元のジャンルへ活かされるし、一度目より二度目の方が上達は早いものである。
こっそり始める、またはお試しであることを宣言する
始めるまたは止める内容によっては、周囲の視線が気になることがある。
可能なら、こっそり始めるのが良い。こっそり始めたなら、こっそり終わっても周囲の視線は気にならない。
こっそり始めるのが難しければ、お試しであり短期間で止める可能性があることを宣言しておく。もし止めたとしても、三日坊主だとは思われない。
周囲の目線など気にしなくても良いが、しかし、それが心理的な障壁となって始めることをためらわせるならこういうやり方も有りだと思う。
用具を捨てないでおく
これは止めるときの話。
道具を捨てるのは心理的に負担である。今までお金をかけて手に入れたものであるし、止めるのを止めたいと思ったとき、道具を捨てていては元に戻れない。
だからしばらくは置いておく。戻ろうと思ったらいつでも戻れる状態にした上で、いったん止めてみる。
同様に、各種サブスクやゲームのアカウント情報(IDやパスワード)はきちんと保管しておく。
背水の陣の是非
例えば高い入会金を払ったので続けるしかない、と言った場合。
自らを追い込み奮い立たせるこのやり方も、有効である。
有効ではあるけれど、背水の陣を敷くには覚悟が必要である。その覚悟を作れるならよいが、後には退けない状況を作ること自体が障壁となって何も始められないなら、ともかくも始めてしまった方がマシである。
大切にすべきものを大切にする
挑戦に失敗した際、元に戻れる安心感があれば始めやすい。
しかし、挑戦の内容によっては元に戻れない要素も多く含むことがある。時間、健康、人間関係などである。
このうち、時間については最も貴重であるが、しかし何をしていても、あるいは何もしなくても過ぎていくので気にしすぎるのも良くない。
健康と人間関係は、失ったとき元に戻らない可能性がある要素である。健康や人間関係を損なうような挑戦は、慎重に考えなくてはならない。これらを、大切にしなくてはならない。
誰でも、お気軽に挑戦を。
Noteなどに自分の考えを書き記すのは、いつでも止められるので気軽であり、おすすめ。
名角こま
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?