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快適な生活のために

不便に慣れてはいけない

人は、便利や快適なことにはすぐ慣れる。慣れて、当たり前になる。
一方不便や不快なことは、慣れるにしても少しずつで、完全に慣れないこともある。

しかし、不便や不快なことは、必ずしも慣れるのが良いこととは限らない。なぜなら、慣れる、というのは現状はそのままに不快でないように感じるようになるということで、不便や不快に対する理想的な対処方法は、原因を解決することだからだ。

慣れて平気になるならそれでいいではないか、という意見もあろうが、不便に慣れた状態と、不便の原因が解消された快適な状態とどちらが良いか、と問われたならほぼ全員が後者が良いと言うだろう。
(不便から得られるものを見出す「不便益」の考え方について否定するものではないけれど、これは目的と手段が逆転しているからここでは考えない)

不快や不便への対処方法にはみっつのステップがある。

  1. ステップ1 不快や不便を認識する

  2. ステップ2 原因を解消する

  3. ステップ3 原因が解消できなければ慣れる


ステップ1 不快や不便を認識する

不快なことや不便なことはないか、と問われたとき、慣れてしまっていては「ある」と答えられない。不便な状態が当たり前になっていて、不便を不便だと認識できないからである。
そして、不便だと思わないことを解消しようとは考えないから、そのままの状態がずっと続き、快適な生活を送ることはできない。
だから、快適な生活を送りたければ不便や不快に慣れず、「この状態は不快である」「この行為は不便である」と思い続ける必要がある。


ステップ2 原因を解消する

原因の解消方法は、さらに二つのステップに分かれる。

まず「そもそも」と考える

まずは、そもそもその行動をする必要があるだろうか? と考える。

例えば部屋が汚いという不快な状態があったとして、部屋を汚している原因である本に対し「そもそもこの本を持っておく必要があるだろうか?」と考える。要らないなら、本を売ってしまおう。

例えばすぐにコピー機への紙の補給が面倒という不便があったとして、「そもそもコピー機が必要だろうか?」と考える。PDFを送ったもらったり、スキャナで取りこんだり、カメラで撮ったりしてコピーしないで済むなら、コピー機を処分する。

そもそもその行動をしなければならないのか、そもそもその状態にならなくてはいけないのか。
しなくていい行動なら、原因を解消するまでもない。雨の日に濡れないよう傘を準備するのではなく、外出しなくて済むようにした方が快適である。


次に原因を直接解消する方法を考える

部屋が汚れているなら片付けたり掃除したりする。
大容量の用紙をセットできるコピー機を買う。
まとめてやるようにしたり、スマートスピーカーやロボット掃除機を導入したり、システムを新しくしたり、Excelのマクロを勉強したりする。
台所で使うタオルは脱衣所ではなく台所に置くし、外で使うものは玄関の近くに置く。


注意点1 そもそもの段階を上げすぎない

毎日料理するのが面倒くさい

そもそも料理する必要があるのか

そもそも食べる必要があるのか

のように、そもそもの段階を上げすぎてはいけない。究極的には「生きている必要があるのか」になるからである。この究極的な段階は、やはり生きるべき理由がある、と強く実感できるチャンスではあるけれど、何もかもがむなしくなる危険性もあるので、考える際の自身の状況には注意が必要。


注意点2 原因の解消は早い方が良い

原因の解消方法がわかっていてすぐにできそうなら、その実行は今すぐ行った方がいい。こんなちょっとの作業でこんなにも快適なのかと実感することができるから。

すぐに解消できず、少し時間がかかるような場合でも、優先度を上げてでも取り組む方がよい。可能な限り早く実行した方が、快適さを感じる期間が長くなるから。

対処方法によっては一度に全部やる必要はなくて、少しずつで構わない。例えば部屋の片付けなら、部屋を出るとき一つずつ物を片付ける、とか。


ステップ3 原因が解消できなければ慣れる

どうしても原因を解消できないし、どうしてもやらないといけないのに不便や不快を感じるようなら、それはもう慣れるしかない。慣れるのはやっとこの段階に来てから、である。
ステップ1と2を経ているから、慣れることにも覚悟ができているはず。

早く慣れたいときのコツ

  • もっと難しいことをやる。

    • 難しいことをやったあとさっきまでの作業に戻ってみたら、簡単に思える。

  • 単純作業に没頭する。

    • これは何のためにやるのか、など考えない。

  • あとでTwitterやnoteなどで書くためのネタだと割り切る。



諦めないこと

ステップ3まで行ってやはり慣れるしかない、となったことでも、状況が変われば解決できるようになるかもしれない。
今は仕方なく慣れることにするが、状況が変わったなら今に見ていろ、と書き記すべし。


快適な生活を求めることが、人類を進歩させた。
みんなが(人に迷惑をかけない範囲で)快適さを求めますように。

名角こま

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