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リキッドバイオプシーガイド(ctDNA)の大腸がん治療について

Circulating Tumor DNA Analysis Guiding Adjuvant Therapy in Stage II Colon Cancer
N Engl J Med 2022; 386:2261-2272

【背景】
現在StageⅡの大腸がんは、再発リスク因子に応じて補助化学療法を行うかどうかを決定します。(再発リスク因子は割愛します。)これまでの研究で、手術後に腫瘍由来のDNA(ctDNA)を検出された方で再発率が高いことが分かっています。これをもとに、ctDNAが陰性であれば補助化学療法しなくても良いのではないか?という仮説が生まれます。

(eUpdate - Early Colon Cancer Algorithm Published: 23 September 2019. Authors: ESMO Guidelines Committee))


【研究概要】
StageⅡ大腸がんに対する補助化学療法(adjavant therapy)は議論の余地がある。腫瘍由来のDNA(ctDNA)陽性者では再発リスク、予後が悪い。本研究はctDNA陽性患者に対する補助化学療法について検討した研究である。

Patient (対象者):stageⅡ大腸がんの人
Intervention(介入群):ct-DNAの結果を参考にした治療

 ct-DNA陽性で補助化学療法をするということ。ctDNAを測定する検体(血漿)は術後4、7週後に採取する。どちらかの時点で陽性であれば補助化学療法の対象になる。

Comparison(対照群):標準治療
Outcome(主要評価項目):2年後の無再発生存
Result(結果)
455人がランダム化割付の対象となり、302人がctDNAガイドの治療で153人が標準治療に割り付けた。平均観察期間は37カ月であった。補助化学療法はctDNAガイド治療群で15%、標準治療群28%であった。2年後の無再発生存率はct-DNAガイド治療群で93.5%、標準治療群で92.4%であった。

【結論】
ct-DNAの結果を参考にした治療でほぼ同等の無再発生存で、補助化学療法を減らすことができた。

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