【#反緊縮コラム その2.お金の正体とは何か】
だいぶ間が空いてしまいましたが、気の向くままにまたちょっとづつ投稿してみたいと思っています。
今回のテーマは《お金の正体》です。
①円の誕生
まず円の起源について書いておきます。
円が登場するまでの日本にはたくさんのお金が存在していたようです。
金や銀,藩札,寺や神社あるいは有力商人による独自に発行されたお金(私札)など多種多様。さらに年貢などお米による納税制度があった。
さらに資料によると
幕藩体制の下では、全国3000万石のうち幕府直轄地が800万石だった。
国家予算が100兆円に対し東京都の財政規模は約15兆円ほど、このことからも地方が今より経済力を持っていたということがわかります。
ここで明治政府は欧米列強に対抗するためにも国力を中央に集中させ、財政規模を拡大する必要がありました。ただ明治初期に廃藩置県により権力は中央集権化したにもかかわらず納税はお米や大豆,塩などの現物納税が継続していました。そこで登場したのが「円」という貨幣です。
では円はどうやって広まったのでしょうか?
造幣局の資料には以下の記述があります。
新貨幣は、明治4年に施行されたわが国初の統一された貨幣法規「新貨条例」に基づき、事実上、金銀の複本位制の「円」として誕生し・・・明治30(1897)年には「貨幣法」が施行されて新貨条例は廃止となり、本格的な金本位制に移行した。
そして
昭和7(1932)年、金貨の創造も停止された。これをもって日本は金本位制から離脱、すでに世界的な潮流となっていた管理通貨制度の時代に入った。
つまり円を法定通貨として定め、国民に当時普及していた多種多様なお金と交換し、またこれを納税の手段とすることでこの通貨が徐々に定着していったと考えられます。
さらに管理通貨制度について調べると『国内に流通する通貨の量をその国の中央銀行が自由な裁量で管理・調達する制度のこと』とあります。
これはどういうことかというと国家が発行するお金(円)は国が所有している金や銀の量によらないということを示しています。
②お金はどこで生まれるか
ではみなさんのお財布にあるお金はどこから生まれてくるのでしょうか?
お札に日本銀行券とあるので日本銀行と思ったかもしれません。半分正解ですが、完璧ではありません。ではどういうときにこの世にお金が生まれるのでしょうか?
答えは「借金(負債)」です。
下のグラフをご覧ください。これは日本にあるお金【円】の総量を示したものです。
4本の線のうち、②国債残高はいわゆる政府の借金(赤字国債)③は民間銀行における貸出(借金)④は国内総生産(GDP)
そして注目していただきたいのは①マネーストックM2という、日本中の現金・預貯金(ゆうちょ銀行や農協に預けたお金を除く)をすべて足した額のところです。つまりこのグラフにおいて①が資産,②と③が借金ということになります。
このグラフでわかることはバブル崩壊までは民間銀行の貸出額の増加にともないマネーストックが増え、その後〖信用収縮〗が起き政府の赤字に沿う形でマネーストックが増えていることが分かります。
つまり今あるお金は誰かの『借金』によって作られたということが言えます。
信用創造・信用収縮については後程のテーマでまとめたいと思います。
≪本コラムの結論≫📝
・円は明治政府が発行して納税の手段および政府の財政規模拡大のために広めた通貨。
・管理通貨制度において円(通貨)は日本にある金(GOLD)やお米が原資というわけではない。
・ほとんどのお金は借金から生まれる。(国債発行,民間における銀行からの借金など)
本コラムはここまで
今回は気合が入ってしまいちょっと長くなってしまいました。。💦
おすすめの資料(参考資料)
・資本主義から脱却せよ 貨幣を人びとの手に取り戻す (光文社新書)
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